salt

解説

製塩の創始者は宮城県塩釜市の神社に祭られている塩土老翁(しおつちのおきな)であると『古事記』に記されています。1971~1997年の間、塩田を必要としない国による塩専売法で塩は一時99.5%以上の純度の高い塩化ナトリウムとなりましたが、現在はかつてのような海のミネラルを豊富に含有した塩が市場に出回るようになりました。
●世界の塩の種類
岩塩(がんえん):地殻変動で陸に閉じ込められた海水が長い年月をかけて結晶したもの。数億~数千年前の「海の化石」といえよう。無色か白色に近い淡い色が多いが、ヒマラヤで産出する濃い紫色をしたものや、アンデスで産出するピンク色のローズソルトなどもある。
湖塩(こえん):塩湖(えんこ)で取れる塩のこと。塩湖とは陸に閉じ込められた海水が岩塩に変化する途中の姿だと考えられている。
天日塩(てんぴえん):海水などの塩水からつくられる塩のうち、乾燥した気候を利用して天日蒸発だけで結晶させた塩をいう。メキシコのゲレロネグロ塩田が有名。

成分

塩化ナトリウムが約78%、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化カリウム、鉄分などのミネラル類、スズ、バナジウム、フッ素、ケイ素、ニッケル、ヒ素、鉛などの微量ミネラルを含有する。自然塩の含有するミネラルは人体のミネラルバランスとほぼ同様。

調理ポイント

りんごをむいた時に塩水に漬けると、りんごのビタミンC酸化酵素の働きが抑えられ、変色を防ぐことができる。
ほうれん草をゆでる時に塩を加えると、塩のナトリウムイオンが青菜の組織内に浸透して色素分子を安定させるため、色鮮やかにゆで上がる。
さといものヌメリで手がかゆくなる時は、手に塩をつけるとよい。
塩は浸透しやすく身を縮める働きがあるので、煮物をつくる時には先に入れるとよい。
料理に塩をプラスすると、塩の持つ鹹味(かんみ=塩辛い味、しょっぱい味)が酸味を和らげ、甘みが引き立つ。
食品の灰汁(アク)を取って、渋み、苦み、えぐみを減らす働きがある。
腐敗を防ぐ働きがあるので、糠床や味噌の表面に塩を振っておくとよい。
水分を取り去りたんぱく質をかためて引き締める働きがあるので、焼き魚やステーキを焼く時は、焼く直前に塩を振るとよい。

レシピ