石川県

なすとそうめんの煮物(なすそうめん)

なすとそうめんの煮物(なすそうめん)
なすとそうめんで作る煮物は真夏の石川県金沢を代表的する家庭料理です。夏が旬のなすを使ったこの煮物は、食欲の落ちやすい夏に、温かくしても冷やしても美味しく食べられる料理です。味つけも味噌にしたり、そうめんも下茹でせずにそのまま使ったりと、家庭により様々な調理法で作られています。そうめんが汁を吸うので煮汁を多めに使うのが秘訣です。同様な料理は全国各地にあり、三重県ではお盆の行事食として食されています。

冶部煮

冶部煮
冶部煮は石川県を代表する郷土料理です。名の由来としては①加賀藩の兵糧奉行岡部冶部衛門が考案した ②キリシタンが伝えた ③トロミのある汁がジブジブと煮える音をするから など諸説あります。肉の切り身に片栗粉をまぶして加熱することで、肉のうま味が閉じ込められ、だしに適度なトロミがつき、わさびを添えて食します。加賀名物のすだれ麩を使い、冶部煮椀と呼ぶ広口で浅い漆椀に盛り付けるのが一般的で、結婚式などの祝いの膳には欠かせない料理となっています。材料は季節によって変化し、冬は鴨肉、秋にはイモ類やカキが使われます。

べろべろ(えびす)

べろべろ(えびす)
べろべろは石川県金沢の郷土料理です。「べっこう料理」「えびす」「えべす」「はやえべす」などと呼ばれ、酢れんこんやお多福豆などと一緒に盛り合わせて供されるハレの日の料理です。溶かした寒天に卵液を流し込んで作るため、「卵のべろべろ」とも呼ばれています。加賀地方には「祭りを届ける」というつきあいを大切にする風習があります。これは祭り料理を家庭だけで楽しむのではなく、たくさん作って親戚縁者や知人に配り、一緒に祝うというものです。べろべろは祭りや正月などのハレの日には必ず作られ、親戚縁者や知人に配られます。スーパーのお惣菜としても売られている人気の高い身近な郷土料理です。