冶部煮

糖尿病や脂肪肝の予防が期待できる
冶部煮
30
268
2.8
1人分

材料

(1人分)
鶏モモ肉50g
すだれ麩1枚
しいたけ1個
ごぼう10g
ほうれん草1株
片栗粉適量
わさび適量
下ごしらえ用だし汁適量
Aだし汁80CC
しょうゆ大さじ1
大さじ1
砂糖小さじ2強

効能

糖尿病、脂肪肝

作り方

① すだれ麩はぬるま湯(水でもよい)で戻し、水で洗って軽く搾り、食べやすい大きさに切る。
② しいたけは石づきを取り、半分に切る。鶏モモ肉は大き目の一口大に切る。
③ ごぼうは皮をこそげてささがきにし、水に放してアクを抜き、さっと下茹でする。
④ ほうれん草は熱湯でさっと茹で、水に放して振り洗いし、水気をきり3cm長さに切る。
⑤ 鍋にAを入れて火にかけ、麩、しいたけ、ごぼうを煮る。
⑥ 野菜に火が通ったら取り出し、片栗粉をまぶした鶏モモ肉を入れ、鶏モモ肉に火が通り汁にトロミがついたら火を止める。
⑦ 器に麩、野菜、鶏肉を盛り、ほうれん草とわさびを天盛りにする。

解説

冶部煮は石川県を代表する郷土料理です。名の由来としては①加賀藩の兵糧奉行岡部冶部衛門が考案した ②キリシタンが伝えた ③トロミのある汁がジブジブと煮える音をするから など諸説あります。肉の切り身に片栗粉をまぶして加熱することで、肉のうま味が閉じ込められ、だしに適度なトロミがつき、わさびを添えて食します。加賀名物のすだれ麩を使い、冶部煮椀と呼ぶ広口で浅い漆椀に盛り付けるのが一般的で、結婚式などの祝いの膳には欠かせない料理となっています。材料は季節によって変化し、冬は鴨肉、秋にはイモ類やカキが使われます。

コメント

麩は小麦粉に含まれているたんぱく質のグルテンを分離し、これを主原料にして作る日本の伝統的な食品です。たんぱく質は植物性で消化吸収に優れ、豊富に含まれる鉄分が貧血予防に働きます。鶏肉の動物性たんぱく質にはアミノ酸のメチオニンが特に多く含まれ、しいたけやごぼうと一緒に取ると、糖尿病や脂肪肝の予防が期待できる食べ合せになります。わさびの辛味成分が胃酸の過剰な分泌を調整し、胃潰瘍や十二指腸潰瘍予防に働きます。

●「すだれ麩」
麩は小麦粉に含まれているたんぱく質のグルテンを分離し、これを主原料に作った日本の伝統的な植物性たんぱく食品です。麩には原料を茹でた「生麩」、焼いた「焼き麩」、油脂で揚げた「揚げ麩」、煮た後に乾燥させた「乾燥麩」があり、食感はそれぞれ異なり、煮物、汁物、和え物、鍋物、炒め物と幅広く用いられています。金沢の郷土料理「冶部煮」に使われるすだれ麩は、すだれで巻き込んで作るため、すだれ模様のある麩です。生麩は2~3分茹でてから水で押し洗いをし、乾燥麩は水(あるいはぬるま湯)で戻してから茹でて使います。麩は高たんぱくで低脂肪、消化のよい健康食品です。カルシウム、カリウム、リン、鉄、亜鉛などのミネラルを豊富に含み、体力や免疫力の強化に有効に働きます。
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