十五夜・中秋の名月

旧暦では、「7月=初秋」「8月=中秋」「9月=晩秋」にあたり、8月15日の満月を「中秋の名月」としてお月見をします。団子15個と枝豆、ススキの穂などの秋の七草を飾り、月に供えて新豆の豊作を報告します。満月の光を浴び、夜露のついたものを食べると長生きするという伝承があり、中秋の名月は屋外で祭るのが慣わしとなっています。
「中秋の名月」を観賞する十五夜は中国から伝わった行事で、平安時代に貴族の間で定着し、江戸時代には秋の収穫を感謝する農耕習慣と結びつき、広く一般行事になったといわれています。日本では十五夜の1ヵ月後のお月見を「十三夜」と呼び、どちらか片方の月見しかしないことは、「片見月」「片月見」と呼ばれ、両方の月を見ることでお月見は完成すると考えられています。「十三夜」は栗や豆を供えることから、別名「栗名月」「豆名月」、あるいは「後の月」などと呼ばれています。
お月見は旧暦で行われる行事のため、2009年新暦での「中秋の名月」は10月3日、「後の月」は10月30日となっています。

月見団子

月見団子
上新粉(うるち米の粉)で作る月見団子は、糖質・たんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維などを含み、胃腸をはじめとする消化器系全般を丈夫にする食べ物です。ここでは白玉粉(もち米粉)を加えた月見団子を作りましょう。体力がより強化され、さらにもち米の体を温める作用が働くことで、冷え性改善にも有効です。うるち米ももち米も同じジャポニカ米ですが、でんぷん組成の違いによって粘り気に差異が出てきます。もち米は粘り気の出るアミロペクチンでほぼ組成されているため、粘り気が強く、時間が経ってもやわらかいのが特徴です。白玉粉の分量が増えるほどやわらかい団子になるので、好みで量を調整してください。

さといものおはぎ

さといものおはぎ
中秋の名月(現在は9月の十五夜)には、ちょうど収穫盛りであったさといもを供えるのが古来よりの風習でした。米に糖質が豊富なさといもを加えて作るおはぎは、小豆のビタミンB1の働きで糖質が効率よくエネルギーに変えられるため、疲労回復、筋肉痛、肩こりなどに働く食べ合わせになります。食物繊維も豊富に取れるため、腸内環境が整い便秘解消にも有効です。