健康生ジュース

生ジュースに適した食材

ミキサーに材料を入れ、攪拌するだけでできる生ジュースは、ビタミンやミネラルを手早く、豊富に取ることのできる優れた飲み物です。
おいしくて体によいジュースを作るコツは、ジュースに適した食材と、食材の持つ栄養素をよく知ること。また、ジュースを作るときに使う食材は、1種類よりも、2種類・3種類と数種類を組み合わせて作ること。そうすることで、それぞれの食材の持つ栄養素がさまざまにからみ合い、お互いの不足した部分を補い合い、栄養価が驚くほどにアップします。
私たちは一日約2リットルの水分を体内に取り入れ、排泄するという作業を繰り返し、体内に取り入れる2リットルの水分の約半分は、野菜や果物で補っているといわれています。その意味からも水分が豊富な野菜や果物を、簡単に取ることのできるジュースは、ビタミン類やミネラル類と同時に、体にとって大切な水分補給源ともなるのです。
豊富に出回る旬の果物や野菜、そして四季を通して利用できる乳製品や豆類、種実などを上手に組み合わせて、栄養豊かなジュースを作りましょう。

果物

生ジュースに適した食材

果物は一番生ジュースに適した食材です。ビタミン類やミネラル類の宝庫で、とくに加熱に弱いビタミンCや水溶性のビタミンを豊富に含んでいるため、そのまま飲めるジュースは果物の持つ栄養素を損なうことなく取ることができるのです。また、他の食材とも併せやすいため、相乗効果で栄養素が高まり、効果的な摂取が可能です。
果物の多くは皮と身の間にも栄養素が豊富に含まれているので、皮をむかずに食べられる有機栽培・無農薬の果物を使うことをおススメします。新鮮な旬のものほど栄養価が高く、収穫から時間が経つほどにビタミン類が減少していくので、購入したらなるべく早く使いましょう。

食材栄養素
アボカド10~3月脂肪分が約19%と多い。鉄分や食物センイを豊富に含み、ビタミンB群やEも多い。
いちご12~5月ビタミンCが豊富で、5~10粒で一日の所要量が摂取できる。食物センイのペクチンも多く含まれている。酸味はメチルサリチル酸で、赤い色はアントシアン系の色素。
いちじく6~8月食物センイのペクチンを含有。主成分の糖質はブドウ糖や果糖などで即効力が高い。たんぱく質分解酵素を含むので、食後に食べるとよい。中国では「五痔(5種類の痔)」を治すといわれている。
10~11月カロテンとビタミンCが豊富で、カリウムや食物センイも多く含まれている。赤い色はカロチノイド。酵素のアルコールデヒロドゲナーゼは二日酔いに効果がある。
オレンジ1~3月ビタミンCが豊富で、酸味の主成分はクエン酸。食物センイのペクチン、ビタミンP、E、カロテンを多く含んでいる。
キウイフルーツビタミンC、食物センイのペクチン、カリウムを豊富に含んでいる。酸味はクエン酸で、果汁にはたんぱく質分解酵素のアクチニジンが含まれている。
グレープフルーツ4月ビタミンCが豊富。苦みや酸味成分はナリンギンやクエン酸。食物センイのペクチンやカリウム、フラノボイドを含んでいる。果肉の赤い色はリコピンで抗酸化力が高い。
パイナップル主成分は糖質で、たんぱく質分解酵素のブロメリンを含んでいる。ビタミンB1、B2、Cや食物センイも豊富に含まれている。酸味はクエン酸。
バナナ糖質が多くエネルギー源となる。ビタミンB群、カリウム、カルシウム、食物センイも豊富。粘液多糖類のヌメリがあり、糖質は完熟すると果糖やブドウ糖に変化する。
パパイヤ独特の芳香と甘みがあり、完熟したものはカロテンとビタミンCが豊富に含まれている。たんぱく質分解酵素のパパインを含んでいる。
ぶどう9月主成分は糖質のブドウ糖と果糖。酸味は酒石酸やリンゴ酸で、色素はポリフェノール。ビタミンB1、B2、C、食物センイのペクチン、カリウムなどを含んでいる。ドライにするとカロテンや鉄分などの栄養素が倍増する。
ブルーベリー7~9月ビタミンCが豊富。青い色素は目の働きを高める効果のあるアントシアニン。
プルーン7~9月カロテン、ビタミンB2、鉄分、食物センイのペクチンが豊富に含まれている。ドライにするとカロテンや鉄分などの栄養素は倍増する。
マンゴー未熟果はビタミンCが多く、熟すとカロテンが多くなる。ビタミンB1、B2が多く、食物センイは水溶性と不溶性が半々含まれている。
りんご10~12月主成分は糖質と水分で、糖質は果糖とブドウ糖が多い。酸味はリンゴ酸とクエン酸。食物センイのペクチンが豊富で、カリウムも含有する。
レモン7~9月ビタミンCを豊富に含有している。カルシウム、ビタミンB1、B2も多く、酸味はクエン酸。果皮に精油が含まれている。

野菜

生ジュースに適した食材

野菜は大きく分けるとカロテン含有の高い緑黄色野菜と、ビタミンCなどが豊富な淡色野菜、いも類などに分類されます。ジュースに使われる野菜は青菜類の葉物が多く、ビタミン類やミネラル類と一緒に水分も豊富に取り入れることができます。青菜類は多少飲みにくいという欠点がありますが、果物や飲料などを加えることで美味しく飲みやすくなりますので、ぜひチャレンジしてください。果物同様、生で使用するものが多いので有機栽培・無農薬の新鮮なものを使いましょう。

緑黄色野菜

食材栄養素
あしたば3~10月β―カロテンが豊富。ビタミンC、B1、B2、ミネラル類が多く含まれている。切ると出てくる黄色い液は抗酸化力の高いフラボノイド類。
かぼちゃ5~7月
7~9月
糖質とたんぱく質が多く、カロテンを豊富に含有している。ビタミンCやE、カルシウム、リン、カリウム、食物センイを含有している。
クレソン3~9月カロテンやビタミンC、葉酸や鉄分含有が高い。不溶性の食物センイを含み、辛み成分は配糖体のグルコナスルチン。
小松菜12~3月カロテン、ビタミンCが豊富。ミネラルではとくにカルシウム、鉄分が多く、カリウム、リン、亜鉛なども含有している。
しそ6~7月カロテン、ビタミンC、ミネラル類が豊富に含まれている。青じそは鉄分が多く、赤じそは水溶性のアントシアン系色素のシソニンを含有。香り成分は細菌類の繁殖を抑える働きのあるペリルアルデヒド。
春菊11~3月カロテン、ビタミンCが豊富。ビタミンB1や食物センイも多く、独特の香りはピネン、ベンズアルデヒド。
せり1~4月カロテン、鉄分、カルシウム、ビタミンCが豊富に含まれ、葉緑素や葉酸なども含んでいる。特有の香りや苦み成分が含まれている。
トマト6~8月ビタミンの宝庫と呼ばれるように、カロテン、ビタミンC、B1、B6などが含まれている。赤い色はカロチノイド系のリコピンで、酸味はクエン酸やリンゴ酸。食物センイのペクチンも含まれている。
菜の花12~3月カルシウムや鉄分などのミネラル類や、ビタミンE、Cなどのビタミン類が豊富に含まれている。特有の苦みがある。
にんじん9~11月カロテンが豊富で、カルシウム、カリウム、ヨード、食物センイを含んでいる。ビタミンC酸化酵素のアスコルビナーゼを含んでいる。
パセリ3~5月カロテン、ビタミンB1、B2、C、Kが豊富で、鉄分や葉緑素も含まれている。特有の香気はピネン、アピオール。
ピーマン6~8月カロテンとビタミンCが豊富で、EやPも含まれている。葉緑素や食物センイ、カリウムも含有されている。パプリカと呼ばれる赤ピーマンはカロテンやビタミンCの含有が高い。
ブロッコリー11~2月カロテンとビタミンCが豊富。ビタミンB1、B2、鉄分、カルシウム、葉緑素食物センイが含まれ、活性酸素を解毒するサルフォラフェインも含有している。
ほうれん草11~5月カロテンとビタミンCが豊富で、ビタミンB1、B2、鉄分、カルシウムも多い。根元の赤い部分にはマンガンが含まれている。
水菜11~2月ビタミンCやカロテンが豊富に含まれている。カルシウムや鉄分も多い。
三つ葉3~5月ビタミンCやカロテンが豊富。香り成分はミツバエンやクリプトテーネン。
モロヘイヤ5~8月カロテンが豊富に含まれている。ビタミンB1、B2、Cも多く、カルシウムや鉄分などのミネラル類も含有している。
かぶの葉4~6月
10~12月
カロテンが豊富に含まれている。
大根の葉10~3月カロテンが豊富に含まれている。

淡色野菜

食材栄養素
かぶ4~6月
10~12月
たんぱく質、カルシウム、葉酸、ビタミンC、食物センイが豊富。でんぷん消化酵素のアミラーゼを含んでいる。
カリフラワー10~2月ビタミンCが豊富で、B1、B2、カリウムや食物センイを含んでいる。紫系には鉄分が多い。
キャベツ12~4月ビタミンCが豊富。カルシウムやカリウムも多く、キャべジンと呼ばれるビタミンUや、ビタミンKが含まれている。発ガン抑制のインドール化合物を含有している。
大根10~3月ビタミンCや食物センイが多い。でんぷん分解酵素のアミラーゼを含み、辛み成分はイソチオシアナ―ト。皮の部分にはビタミンPが含まれている。
白菜11~2月ビタミンC、カルシウム、カリウム、鉄分などが豊富。発ガン物質から細胞を守る特殊成分ジチオールチオニンを含んでいる。
レタス11~2月ビタミンC、カルシウム、カリウム、鉄分、葉緑素を含有いている。ビタミンEも含まれている。

いも類・豆類の野菜

食材栄養素
じゃがいも5~6月
10~11月
糖質が多く、ビタミンCは加熱に強い。カリウムやリンも多く含まれている。
枝豆7~8月たんぱく質、カロテン、ビタミンB1、C、カルシウム、食物センイが含まれている。たんぱく質にはアルコールを分解するメチオニンが含まれている。
さやえんどう6~8月主成分はたんぱく質と糖質で、ビタミンCを多く含む。カロテン、ビタミンB1、B2、食物センイも多い。
そら豆5~6月たんぱく質とでんぷんが主成分で、ビタミンB1、B2、カルシウム、カリウム、食物センイが含まれている。皮には必須アミノ酸のチロシンを含む。

乳製品・卵・豆類・甘味料

生ジュースに適した食材

良質なたんぱく質や脂質を含有する乳製品や卵、豆類は、果物や野菜と一緒に取ることで、栄養バランスを整えることができ、生ジュースに欠かせない食材です。プラスすることで飲みやすくなる利点もあり、おおいに利用したいものです。甘味料のはちみつは、少量入れることで甘みのあるジュースを作ることができ、砂糖の取り過ぎを予防することができます。

乳製品

食材栄養素
牛乳良質のたんぱく質、脂肪、ビタミン類、ミネラル類を豊富に含み、完全食ともいわれている。とくにカルシウムを豊富に含んでいる。
ヨーグルト牛乳に匹敵する栄養価があり、乳酸菌の働きによってたんぱく質や脂肪が分解されており、吸収率に優れている。乳酸菌が作る酵素の働きで腸内の環境が整えられる。
スキムミルク牛乳から脂肪分を取り除いたもので、牛乳同様に栄養素に富んでいる。保存性があるが、湿気に弱い。

卵類

食材栄養素
唯一含んでいない栄養素はビタミンCのみという完全食。卵黄に含まれるレシチンは脳細胞を活性化する働きがある。

豆類・甘味料

食材栄養素
小豆主成分は糖質とたんぱく質。ビタミンB1と食物センイが豊富で、皮にはサポニンが含まれている。
大豆良質なたんぱく質と不飽和脂肪酸のリノール酸を含む。ビタミンB1、B2、E、食物センイ、サポニン、コリンなどが含まれている。
豆乳大豆から作られる乳状の飲料。たんぱく質やビタミンB1含有量は牛乳に近い。保健飲料として飲まれることが多い。
きな粉大豆を煎ってひき、粉にしたもの。大豆同様の栄養素を持ち、香りがよく消化がよい。
小麦胚芽小麦粒にある胚芽部分で、ビタミンB1やB2、Eが多く含まれ、鉄分、亜鉛、マンガンなどのミネラル類や、食物センイも豊富に含まれている。健康補助食品として人気がある。
はちみつ果糖やブドウ糖を含み、ビタミンやミネラルが豊富。糖質は吸収がよく、甘みが欲しい時の糖分取り過ぎを防ぐ。

種実類とドライフルーツ

生ジュースに適した食材

良質な脂質を含有する種実類と、水分が抜けた分栄養素が凝縮されたドライフルーツ。ともに栄養価が高く、保存性にも優れています。四季を通して利用できるため、プラスすることで栄養価の優れたジュースを作ることができます。

種実類

食材栄養素
ごま各種アミノ酸を含んだ良質のたんぱく質と、オレイン酸やリノール酸の脂質が豊富に含まれている。カルシウムや鉄、ビタミンB群、Eが多く、特有のゴマグリナンを含む。
アーモンドカルシウム、リン、鉄、ビタミンEを豊富に含み、食物センイも多い。
ピーナッツ10~12月たんぱく質と不飽和脂肪酸の脂質を豊富に含み、ビタミンB1やEも多い。古くなると肝臓がんの原因となるアフラトキシンというカビが発生するので注意。
くるみ12月良質な脂質とたんぱく質、ビタミンB1、カルシウムを豊富に含む。渋皮にはタンニンが含まれている。

ドライフルーツ

食材栄養素
ドライプルーンカロテン、ビタミンB群、鉄分などが豊富で、水溶性の食物センイが多い。
レーズン炭水化物が多く脂質は少ない。鉄分、カルシウム、カリウムなどのミネラル類が豊富で、皮の部分にポリフェノール類のエビカテキンを含んでいる。
ドライいちじくカルシウム、カリウム、鉄などのミネラル類や、ビタミンE、B6、食物センイを多く含んでいる。
ドライマンゴーβ―カロテンが豊富。カルシウムや食物センイも多く、ポリフェノールを含有している。
ドライブルーベリー食物センイやビタミンEを豊富に含有。水溶性の色素アントシアニンを含んでいる。

生ジュースの栄養素

栄養素は体を健康にする得意分野を持っています。さらに、単独よりもサポートをしてくれる栄養素をプラスすることで、効果が倍増するという特質を持っています。
例えば、貧血を予防するには、鉄分と一緒にビタミンCを多く含んだ食材を同時に取ると、鉄分の吸収が高まり貧血予防効果が高まります。カルシウムはビタミンDと一緒に取るとカルシウム吸収が高まる、疲労回復に効果の高いビタミンB1は硫化アリルと一緒に取ると吸収率が高まる…などなどです。
栄養素の特質を知り、それらを含む食材を上手に組み合わせながら、オリジナルな健康ジュースを作ってみましょう。

栄養素解説多く含有する食材
ビタミンA動物性食品ではレチノール、植物性食品ではカロテンという形で含まれている。
皮膚や粘膜を健康に保ち、視神経の働きをよくするので、肌荒れや風邪を予防し視力を正常に保つ。抗酸化力があり活性酸素を除去する働きがあるので、広い部位のがん予防に効果がある。免疫防御系に作用し、麻疹、呼吸器系感染症、HIV感染症を低下させる働きも報告されている。
レチノール:肝油、バター、牛乳、チーズ、卵、強化マーガリンに多い
カロテン:緑黄色野菜に多い
ビタミンB1糖質を分解してエネルギーに変える働きがあり、疲労感や倦怠感を取り除くので「疲労回復のビタミン」と呼ばれている。視神経や筋力の働きも高める。酵母、肉類、胚芽、豆類、全穀パン、牛乳、粉乳、緑黄色野菜に多い
ビタミンB2脂肪を燃やし、体内の過酸化脂質をできにくくする働きがあるので「発育のビタミン」と呼ばれている。動脈硬化などの生活習慣病を予防する。不足すると成長停止、口角炎、眼膜炎、皮膚炎などを起こす。レバー、酵母、胚芽、牛乳、粉乳、卵黄、肉類、緑黄色野菜に多い
ビタミンB6通常は腸内細菌によって産出されているので欠乏症は見られない。不足すると食欲不振、口内炎、皮膚炎、貧血などの症状を起こす。皮脂分泌を正常にして皮膚に潤いを与えるので「美容のビタミン」と呼ばれている。レバー、酵母、胚芽、肉類、牛乳、野菜の葉菜類(ほうれん草、春菊など)に多い
ビタミンB12悪性貧血や巨大赤血球性貧血に有効なビタミン。動物性食品に含まれ、植物性食品には含まれていないので、菜食主義者は要注意。レバー、肉類、魚介類、卵、チーズ、粉乳に多い
ビタミンC抗酸化力があり、発がん物質のニトロソアミンの生成を抑える働きがある。毛細血管や歯、骨、軟骨の結合組織を丈夫にし、鉄分の吸収を促進する。コラーゲン生成に欠かせない栄養素で、白内障やがん・風邪予防にも働く。喫煙者はビタミンCの消耗が激しいので、所要量の約2倍を摂取するとよい。果物類、野菜類、緑茶、豆類に多い
ビタミンE脂肪の酸化を防ぎ、血管を丈夫にして血流をよくするので「若返りのビタミン」と呼ばれている。脂肪が酸化してできる過酸化脂質は、細胞膜を破壊したり老化を早める有害物質。生活習慣病の大敵なので注意する。動物性食品には少ない。植物油(とくに胚芽油)、穀類、豆類、緑黄色野菜に多い
食物センイ体内で消化できない炭水化物のことで、水溶性と不溶性がある。水溶性の食物センイはコレステロールを下げる働きが強く、糖の代謝を正常化する働きがある。不溶性の食物センイは腸の働きを活発にして、腸内の有害物質や不要な物質を体外に出す働きがある。ともに整腸作用が強く、便秘を解消してお腹をスッキリさせる働きに優れている。両方をむらなく取るとよい。水溶性の食物センイ:きのこ類、海藻類、こんにゃくに多い
不溶性の食物センイ:野菜類に多い
葉酸1941年にほうれん草から抽出されたため、こう名付けられた栄養素。腸内細菌によって産出されるので、通常欠乏はない。不足すると子どもの巨大赤血球性貧血、舌炎、胃腸障害などを起こす。レバー、緑黄色野菜、肉類、小麦に多い
鉄分主に血液中のヘモグロビン(血色素)に存在し、不足すると赤血球の生成が妨げられ、貧血を起こす。また、疲れやすく、忘れっぽくなり、乳児では発育の遅れもある。鉄分には動物性食品に含まれるヘム鉄と、植物性食品に含まれる非ヘム鉄がある。吸収率はヘム鉄の方が優れている。ヘム鉄:レバー、卵、煮干に多い
非ヘム鉄:きな粉、ゆば、のり、緑黄色野菜に多い
クエン酸1784年にレモン汁から発見されたすっぱい酸だが、日本では昔から疲労回復、病気予防としてかんきつ類に含まれるクエン酸を摂取していた。料理に使われる食酢には4~5%の酢酸が含まれており、酢酸は体内に入るとクエン酸となって働く。クエン酸含有量は大き目のレモン1個に約4g、梅干1個に約1g含まれている。レモン、グレープフルーツ、オレンジ、ミカン、すだち、ゆず、梅干に多い
アントシアニン植物に含まれる紫色の色素で、抗酸化物質のポリフェノールの一種。視神経の働きを支えているロドブシンという色素の再合成を促し、眼の疲れを改善し、視力を向上させる働きがある。さらに、肝機能向上や血圧抑制効果も期待できる。ぶどう、ブルーベリー、紫いも、小豆に多い

生ジュースを作る時・飲む時の注意

ジュースは手軽にビタミン類やミネラル類を取れるため、市販のものもたくさん出ています。しかし、甘味料などの添加物を含むなど、栄養面からは必ずしも優れているとはいえないものも多くあります。
手作りの生ジュースの優れている点は、自分の体調に合わせて材料を選び、濃さも甘みもコントロールでき、不必要な添加物を入れる必要がない点。作る時と飲む時の注意をあげておきましょう。

旬の新鮮な食材を使う・上手な保存を考える

多くの果物や野菜には旬があり、旬の時期は栄養価が一番豊富で優れています。また、収穫してから時間が経つほど、ビタミン含有量は減少していくので、購入したら、できるだけ早く使うようにしましょう。
また、保存の仕方でビタミン含有量は変化します。例えばトマトのビタミンCは、購入してから30℃の室温で3日間保存すると、ビタミンC残存率は82%ですが、5℃の冷蔵庫で3日間保存すると、残存率は95%。ほうれん草のビタミンCは、25℃の室温だと翌日には80%の残存率となりますが、10℃の冷蔵庫に入れれば翌日には90%の残存率となります。簡単な保存の仕方で、ビタミン残存率は高められるので、賢い保存法を身につけましょう。

にんじんはさっとゆでてからジュースに使う

代表的な緑黄色野菜でカロテンが豊富なにんじんは、積極的に料理に使いたい食材です。ビタミンCも含まれており、風邪やがんを予防し、美肌効果も期待できます。ただ、ビタミンCを破壊するアスコルビナーゼという酵素を含んでいるため、他の食材のビタミンCを破壊してしまうという性質を持っています。しかし、酵素は熱や酸に弱い性質があるので、さっと加熱したり酢やレモン汁をかけたりすれば防ぐことができます。ジュースやサラダで生食する時は、ゆでてから使うか、酸(酢など)を加えて使いましょう。加熱すればカロテン吸収も高まります。きゅうりも同じ性質を持っています。

有機栽培・無農薬の果物や野菜を使おう

果物や野菜の多くは、皮や、皮と身の境の部分にも栄養素が豊富に含まれています。それらの栄養素をむだなく取り入れるためにも、皮を含んだ食材を丸ごと使いたいものです。残留農薬や肥料汚染の心配のない有機栽培・無農薬のものなら、安心して使うことができます。

器具はすぐに洗うこと

ミキサー

ミキサーもジューサーもジュースを作ったら、すぐに洗うこと。まずすぐに水をはり、ビンを洗うスポンジを使ってよく洗いましょう。すぐに洗っておけば、カスもにおいも残らず、次に作るジュースがおいしくできます。

朝、一杯の生ジュースを。作ったらすぐに飲もう

朝は一日の活動の始まり。新鮮な生ジュースを飲むことで、ビタミンやミネラルが体内に行き渡り、体や脳が目覚めて、元気な一日を約束してくれます。生ジュースのビタミンは時間の経過とともに減少していくので、作ったらすぐに飲みましょう。

冷やして飲むとおいしい

ジュースは冷やして飲むと口あたりがよく、おいしいものです。おいしいと感じれば栄養吸収も高まり、持続することができます。冷やし方は、前の晩にジュースに使う材料を冷蔵庫に入れておけば十分。飲み方はゆっくり噛むように飲んでください。唾液が混じることで消化がよくなります。

食物センイも一緒に飲もう

ジュースはミキサーを使ったものはセンイが残り、ジューサーを使うと絞られるのでセンイが残りません。青汁などの飲みにくいジュースの時以外は、ミキサーを使い、材料の栄養素を丸ごといただくようにしましょう。とくに便秘が続く時にはミキサーで作るジュースがおススメです。

健康生ジュースレシピ

睡眠中にかく汗で、寝起きの血液は粘り気味です。だから、朝はしっかり水分を取ることが大切。そんな朝に水分補給と同時に栄養も補給できるジュースはいかがでしょうか。ジュースの主役はビタミンやミネラルが豊富な果物や野菜たち。食材に含まれる栄養素を知り、その時の体調に合わせたオリジナルジュースを作りましょう。朝一杯の習慣が、知らず知らずの内に、あなたを健康へと導いてくれます。

ブルーベリーとバナナのミックスジュース

ブルーベリーとバナナのミックスジュース
ブルーベリーとグレープフルーツを一緒に取ると、ブルーベリーのアントシアニンとグレープフルーツのビタミンCが、眼の疲れを取り眼の水晶体を透明に保つ作用に働くため、眼を健康に保つ食べ合わせになります。牛乳のビタミンAをプラスして、視力低下を防ぎます。豊富なビタミンCが美肌を作り、食物繊維がコレステロール低下に働きます。

小松菜とパプリカのトマトジュース

小松菜とパプリカのトマトジュース
緑黄色野菜である小松菜とパプリカには、β‐カロテンが豊富に含まれ、視神経の働きを高めて眼精疲労の予防に有効に働きます。トマトのリコピンがその効果をさらに高めます。パプリカのビタミンB2が角膜炎などの眼病予防に働き、レモンのビタミンCが眼の疲れを緩和します。豊富なビタミンCとβ‐カロテンが美肌を作り、食物繊維がコレステロール値低下に働きます。

ブロッコリーとオレンジのきな粉ジュース

ブロッコリーとオレンジのきな粉ジュース
ブロッコリーにはβ-カロテンとビタミンCが豊富に含まれ、カロチノイドの一種であるルティンが含まれています。ルティンは紫外線に対してバリア効果を発揮し眼の病気に有効に働きます。オレンジのビタミンCときな粉のビタミンB群を一緒に取ることで眼精疲労の予防効果が高まります。豊富なビタミンCが美肌を作ります。

ブルーベリーとにんじんの豆乳ジュース

ブルーベリーとにんじんの豆乳ジュース
ブルーベリーに含まれる色素には眼の働きを高めるアントシアニンが含まれ、にんじんには眼に栄養を与え、眼の感光色素の生成を促すβ‐カロテンが含有されています。ブルーベリーのビタミンCと牛乳・ヨーグルトのビタミンB群が眼精疲労の緩和に働くため、ブルーベリー・にんじん・牛乳・ヨーグルトは眼の働きを高める食べ合わせです。アントシアニンもβ‐カロテンも高い抗酸化力を持ち、細胞の酸化予防に有効です。

パセリとオレンジの豆乳ジュース

パセリとオレンジの豆乳ジュース
パセリは鉄分やβ‐カロテンを豊富に含み、オレンジのビタミンCと一緒に取ると鉄分の吸収率が高まり、貧血予防効果が高まる食べ合わせになります。豆乳には良質の植物性たんぱく質が豊富に含まれているので、パセリ・オレンジ・豆乳は貧血気味の人におススメです。豊富なビタミンCが美肌を作り、はちみつには増血作用があります。

干しぶどうとグレープフルーツのミルクジュース

干しぶどうとグレープフルーツのミルクジュース
干しぶどうは生果のぶどうに比べて鉄分やカルシウムの含有量が倍増し、さらに皮の部分に含まれているポリフェノールを一緒に取ることができるため、細胞の酸化を防ぎ老化予防に優れた食材です。ビタミンCを豊富に含むグレープフルーツを一緒に取ることで鉄分の吸収率が高まり、牛乳の良質なたんぱく質が貧血予防効果をさらに高めます。

プルーンとキウイフルーツのジュース

プルーンとキウイフルーツのジュース
プルーンはドライにすると、水分が抜け鉄分の含有量が倍増します。ビタミンCを豊富に含むキウイフルーツとレモンを一緒に取ることで、プルーンの鉄分吸収率が高まり貧血予防の効果がアップします。プルーンは「ミラクルフルーツ(奇跡の果物)」と呼ばれるほど栄養価の高い果物で、常食すると貧血が治るといわれています。腸内環境が整えられ、美肌も期待できます。

ほうれん草ときな粉のミルクジュース

ほうれん草ときな粉のミルクジュース
ほうれん草は鉄分・葉酸・マンガンなどの増血作用のある成分を豊富に含み、さらに鉄分吸収を高めるビタミンCも含有しているため、貧血予防効果トップの野菜といわれています。貧血気味の場合は良質なたんぱく質が必要不可欠。牛乳で動物性たんぱく質を、きな粉で植物性たんぱく質をプラスして貧血予防効果を高めます。カルシウムも豊富なので骨粗鬆症予防にも有効です。

パセリとキャベツのヨーグルトジュース

パセリとキャベツのヨーグルトジュース
パセリとキャベツはビタミンCと食物繊維を豊富に含む野菜で、ビタミンCが胃腸の働きを活発にし、食物繊維が腸内環境を整えます。キャベツは整腸作用を高める働きを持ち、乳酸菌を含有したヨーグルトと一緒に取ると、腸の環境が整えられ便秘解消に優れた効果を発揮します。パセリ独特の香り成分アピオールには腸内の有害細菌の繁殖を抑える働きがあるため、整腸効果がさらに高まります。

バナナとオレンジのミルクヨーグルトジュース

バナナとオレンジのミルクヨーグルトジュース
バナナとオレンジに含まれる不溶性の食物繊維は、腸内の老廃物を絡め取って体外に排出し便秘予防に働きます。ヨーグルトの乳酸菌は腸内でビフィズス菌などの善玉菌を増やしてその働きを活発にする働きを持っています。食物繊維を含んだ果物とヨーグルトを一緒に取ると、腸をキレイにして美肌を作る食べ合わせになります。牛乳のたんぱく質が栄養価を高めます。

キウイフルーツとりんごの白菜入り豆乳ジュース

キウイフルーツとりんごの白菜入り豆乳ジュース
キウイフルーツの食物繊維は不溶性のペクチンで、腸の働きを整え便秘解消に効果を発揮し、りんごに含まれるペクチンと一緒に腸内善玉細菌の乳酸菌を増やします。キウイフルーツと白菜のビタミンCも腸内の善玉菌増加に働き、りんごの酸味が食欲を増進させるため疲労回復効果も期待できます。豆乳には整腸作用がありコレステロール値低下にも優れています。

いちじくとりんごのジュース

いちじくとりんごのジュース
いちじくに含まれる食物繊維のペクチンは、腸の働きを活発にして便通を整える働きを持っています。同様にりんごにもペクチンが多く含まれているので、いちじくとりんごの食べ合わせは、腸の働きを活発にして、腸内の有害物質や不要な物質を体外に出す働きに優れています。いちじくの未熟な果実の絞り汁は、イボ取りに効果があるといわれています。

バナナと卵黄のジュース

バナナと卵黄のジュース
バナナに豊富に含まれる糖質は即効性のあるエネルギー源として働き、完熟したものは果糖やブドウ糖が豊富に含まれ消化に優れています。バナナ・卵黄・小麦胚芽・牛乳は、栄養バランスに優れた体力増強のジュースです。食物繊維も豊富に含まれ、腸内環境が整えられ便秘解消にも有効に働きます。

枝豆とキャベツのミルクヨーグルトジュース

枝豆とキャベツのミルクヨーグルトジュース
枝豆は親の大豆には含まれていないカロテンとビタミンCを含んでおり、ビタミンCはサヤで保護されているために加熱に強いのが特徴です。枝豆の植物性たんぱく質と牛乳の動物性たんぱく質を一緒に取ると体力が強化され、免疫力が高まります。ヨーグルトのビタミンB群やクエン酸が疲れを取り、キャベツが胃腸の働きを整えるため、より高い体力強化が期待できます。

じゃがいもとレタスのミルクジュース

じゃがいもとレタスのミルクジュース
じゃがいもはビタミン類を豊富に含む野菜で、特に加熱に強いビタミンCを豊富に含有しています。レタスと牛乳を一緒に取ると、レタスのビタミンCに牛乳のたんぱく質や脂質などの栄養素がプラスされ、体力が強化され免疫力が高まる食べ合わせになります。じゃがいもの皮に含まれるクロロゲン酸には細胞の突然変異を予防する働きがあるので、皮ごと利用すると栄養成分を無駄なく取り入れることができます。