イワシ

旬の時期
  • 9~10月 (真イワシ)

「イワシは海のにんじん」という諺があるように、豊富な栄養成分を含んでいるイワシは、『源氏物語』で有名な紫式部の大好物で歌にも詠まれています。海面近くを群れで泳ぐ回遊魚で、かつては漁獲量の多い庶民の魚でしたが、近年は漁獲量が減少傾向です。通常イワシというと「真イワシ」を指し、ビタミンA効力の高いウルメイワシは干物にされます。

イカ

旬の時期
  • 7~11月n (スルメイカ)
  • 4~6月 (ホタルイカ)

全世界の漁獲量の40~50%を消費する日本人は無類のイカ好きです。世界中に分布し、種類は約460種。日本ではその内近海にすむ約30種を食用としています。料理に多く使われるのはスルメイカで、函館名物の「イカソーメン」が有名です。塩辛に代表されるように、ワタやスミの部分にも薬効がたくさん含まれているので、無駄なく利用しましょう。

ホタテ貝

旬の時期
  • 11~3月

舟の帆に似た貝殻が、殻を立てて海面を移動するという俗信からこの名がついたといわれています。キリスト教では聖大ヤコブの象徴として扱われています。青森から北海道にかけての波の静かな寒海に住み、特有の香りとあま味を持っています。干したものは「干貝(カンペイ)」と呼ばれ、あわび、いりこ、ふかひれとともに中華料理の「四大珍味」です。

アサリ

旬の時期
  • 12月~3月

日本各地の淡水の混じる河口や砂泥質の浅海に生息しています。昔から滋養によいとされ、シジミやハマグリと一緒に好まれ食されてきた貝です。一年中出回っていますが、冬から春が旬です。夏場のアサリは産卵期に入り、生殖巣に毒を持つことがあるので注意。B1を破壊するアノイリナーゼを含んでいますが、加熱で失われるので生食をしなければ心配ありません。

カレイ

旬の時期
  • 12~2月 (真カレイ)
  • 6~9月 (マコカレイ)

平たい体で目は片側により、目のある部分を上にして砂泥底で生息します。種類が多く世界中で約100種、日本近海は生活環境が適していることから20種位が生息しています。味が淡白で消化がよく、産卵期の子持ちカレイが美味。姿の似ているヒラメと区別する時には「左ヒラメの右カレイ」といわれています。京都では雛祭りにカレイを食べる風習が残っています。

カニ

旬の時期
  • 1~2月 (タラバガニ)
  • 12~2月 (毛ガニ)

海で取れる海産と淡水で取れる淡水産の両方があり、日本近海には約1000種が生息しているといわれています。食用とされるのはタラバガニ、毛ガニ、ズワイガニ、花咲きガニ、沢ガニなど。『古事記』には応神天皇がカニに呼びかける歌が記されています。漢方では「補陰作用」といって老化を防ぎ筋肉や骨を丈夫にする働きがあるといわれています。

エビ

旬の時期
  • 11~2月 (伊勢エビ)

種類が多く、世界には約3000種生息し、日本産は約700種といわれ、日本は世界一のエビ消費国です。遊泳類と歩行類に大別され、遊泳類はクルマエビ類やコエビ類など、歩行類はイセエビ類やザリガニ類などがいます。ひげが長く腰を曲げて進む姿を長寿のお年寄りになぞらえお祝い事には欠かせない縁起ものの食材です。殻やミソ、卵にも優れた薬効があります。

ブリ

旬の時期
  • 12~1月

日本全土の沿岸に広く分布し、スズキやボラとともに出世魚といわれ、成長に伴い名が変わる回遊魚です。晩秋から春にかけて北海道から南下してくるものは「寒ブリ」と呼ばれ、産卵に備えてよく太り脂も乗って美味。養殖した4kg前後のものはハマチと呼ばれ、天然ものに比べて脂が多く白っぽい色をしています。栄養価は天然ものの方が豊富です。

タラ

旬の時期
  • 12~2月 (真ダラ)

日本近海には真ダラ、スケトウダラ、コマイなど約90種類が生息しています。生命力が強く、平均寿命は13~14年と長生き。大食漢なので、「たら腹食う」から転じてこの名がついたといわれています。エサの種類を選ばず何でも食べ、100種類もの魚介類が胃から出てきた例もあります。タラコはスケトウダラの卵巣を塩漬けにしたものです。

カキ

旬の時期
  • 11~2月

「海のミルク」と呼ばれるほど栄養価の優れた貝で、世界中に広く分布しています。養殖が盛んな貝で、養殖の歴史はヨーロッパで古く、紀元前1世紀まで遡ります。日本の養殖は1673年広島でスタートし、大正時代に全国に普及。5~8月のカキは身が痩せてまずく、西洋には「Rのつかない月(5~8月)にはカキは食べるな」という諺があります。