せり

旬の時期
  • 1月~4月

セリ科の多年草。東アジアに広く分布し、『古事記』や『神大記』にも登場する日本原産の野菜で、その効能から春の七草で筆頭に挙げられています。新苗が競り合って密生するためにこの名がついたといわれています。田の畦に自生する野ぜり、水中に育つ水ぜり、水田で栽培する田ぜりがあり、田ぜりは冬の貴重な野菜であり、水ぜりは秋田名物きりたんぽ鍋で有名です。

レタス

旬の時期
  • 11~2月

キク科の一年生、二年生で、原産はヨーロッパと推測され、古くからサラダ用に栽培されていたといわれています。日本ではすでに平安時代に食用され、「ちしゃ」という和名は、切ると白い乳液を出すため「乳草」から「ちさ」に転じ命名されたといわれています。鎮静、催眠効果があり、イギリスの絵本「ピーターラビット」でレタスを食べたウサギが眠ってしまう話は有名です。

ほうれん草

旬の時期
  • 11月下旬~5月
  • 11月下旬~2月 (東洋種)
  • 3~5月 (西洋種)

原産地は西アジア、コーカサス地方。江戸時代に中国から渡来したため、唐菜(からな)とも呼ばれています。大きく分けると葉に鋸のような切れ込みの入った東洋種と、切れ込みが少なく丸く大ぶりの西洋種があります。東洋種は晩秋から冬に出回り、西洋種は春から初夏に出回ります。冷涼な気候を好み、霜にあたると甘みが増し、栄養価も高まります。

白菜

旬の時期
  • 11~2月

栽培種は中国北部の青島(チンタオ)との説もあり、今や東洋を代表する野菜のひとつです。日本には明治時代に渡来しましたが、普及は昭和になってからです。甘みが増してくる冬場のものが美味で、ビタミン類は外葉の方に多く含まれています。精進料理では大根・豆腐とともに「養生三宝」と呼ばれ、古来より体によい野菜として食べられてきました。

ねぎ

旬の時期
  • 11~12月

原産地は中央アジアのパミール高原で、日本には10世紀以前に朝鮮半島から渡来したといわれています。古くから「ひきはじめの風邪」の特効薬として愛用され、『日本書紀』にも登場する野菜です。白い部分と緑の部分では栄養素が異なり、薬効効果は白い部分の方が優れています。白根は漢方では「葱白(そうはく)」と呼ばれ珍重されています。

春菊

旬の時期
  • 11~3月

原産地は地中海沿岸地方で、500年ほど前に中国から渡来した野菜です。春に花を咲かせることからこの名前がつき、特有の香りを持っています。関西では「菊菜」とも呼ばれています。食用しているのは日本や中国などで、欧米では鑑賞用として栽培されています。漢方の世界では古くからその効能が尊ばれ、「食べる風邪薬」と珍重されています。

小松菜

旬の時期
  • 12~3月

江戸時代、中国から渡来したかぶを改良してつくられた野菜で、東京都小松川近辺で栽培されたことから、8代将軍吉宗が命名したといわれています。現在はハウス栽培も盛んで周年出回っていますが、葉が大きく色の濃い葉肉の厚い冬場のものが美味です。寒さに強いため、かつては冬場の貴重な緑黄色野菜で、冬菜、雪菜の名称でも呼ばれています。

キャベツ

旬の時期
  • 12月~4月
  • 3月中旬~4月 (春キャベツ)
  • 12月~3月上旬 (冬キャベツ)

古代ギリシャやローマ時代に薬や保健食として食べられていた歴史の古い野菜です。江戸時代に渡来しましたが、球にならない葉キャベツのため鑑賞用とされ、本格的に食用として栽培されたのは明治時代。アブラナ科の植物で原産地は地中海沿岸からアジアと推定され、フランス語のカボシュ(頭でっかちをからかう古語)が名前の由来といわれています。

やまのいも

旬の時期
  • 11~1月

縄文時代から食されていたと推測されるやまのいもは、米よりも古い歴史を持っています。里で栽培されるさといもに対し、山野で自生することからこの名がつけられ、現在では自然種と栽培種に分けられています。いもの中では唯一生食できるのが特徴で、どんなに食べ続けても害はなく、精のつくことから、別名「山うなぎ」とも呼ばれています。

ブロッコリー

旬の時期
  • 11~2月

2世紀頃からローマ人に栽培されていたとの記録のある歴史の古い植物です。原産地は地中海沿岸で、ビタミン・ミネラル類が豊富なため「栄養宝石の王冠」と呼ばれています。明治初年に渡来しましたが、消費が増えたのは1965年ごろで、緑色種がポピュラーです。カリフラワーの原型で、イタリア語の「萌芽(brocco)」が名の由来といわれています。