鴨はガンカモ科に属するカモ類の総称で、種類が多く、極地を除く世界中に分布しています。古くから食用とされてきた歴史があり、通常鴨肉というと合鴨(アオクビアヒルとマガモを交配させたもの)を指し、現在は食用として飼育されているため四季を通して食すことができます。野性の鴨を家畜化したのがアヒルで、アヒルの肉も鴨肉として扱われています。

レンズ豆

マメ科の一年草で、別名ヒラマメともいわれています。西アジア原産で、『旧約聖書』に「レンズ豆」のスープが登場するほど古い歴史を持ち、人類最初の栽培種の一つです。種子を食用とし、スープ、サラダ、肉の代用食などに用いられています。小粒で茶色のものが多く、一般に見られるオレンジ色(あるいはピンク色)のものは皮をむいたものです。

緑豆

マメ科の一年草で小豆の近縁。原産は東洋で3千年以上の歴史を持つ豆です。小豆よりも小粒で、ヤエナリとか青小豆とも呼ばれています。日本では春雨やもやしの材料として利用されますが、中国やインドでは料理に使用し、乾燥物はアオアズキの名で売られています。諸葛孔明が南征北伐で風土の異なる地に遠征する際に、兵の病に対して使用したと伝えられている豆です。

紅花いんげん豆

原産地は中央アメリカから南アメリカの高原地帯。花が赤いために「紅花いんげん」と呼ばれ、いんげん豆と遠い親戚関係にあり、日本には江戸時代末期に伝来したといわれています。最初は鑑賞用として栽培されたため「花豆」とも呼ばれ、結実が10%と花落ちが多く収穫の少ない大粒な豆です。国内主産地は北海道で、長野県、群馬県が続きます。
●紫花豆:おもに長野県で栽培。
●白花豆:おもに北海道で栽培。

ひよこ豆

原産は西アジアといいわれ、豆粒は1cmくらいでヒヨコの頭に似た形をしていることからこの名がつけられました。日本では豆の色が白や肌色が一般的ですが、もっとも栽培が多いインドでは、黒、茶、赤などいろいろな色をしたやや小粒の「デシ(desi)型」が多く生産されています。引き割りのダールとしてスープやカレーに使われる重要な食べ物です。

大豆

マメ科ダイズ属の一年生草本で、5千年前から栽培されていたと推定されており、古くから「五穀」として扱われ、良質なアミノ酸を含有し「畑の肉」と呼ばれています。原産は中国で日本には縄文時代の後期から弥生時代の初期にかけて渡来したといわれています。和食に欠かせない加工食品の原料で、種子の色によって黄豆、青豆、黒豆に分類されています。
大豆の種類
●黄豆:味噌やしょうゆの原料となる。その他豆腐、納豆、ゆば、きな粉などの加工にも使われる。
●青豆:打ち豆にして汁の中に入れたり、浸し豆やうぐいす色のきな粉にする。
●黒豆:煮豆や煎り豆にする。お正月のおせちに欠かせない豆。

ささげ

マメ科の1年草。小豆との区別は丸いヘソの形(小豆は縦長)で見分けます。原産はアフリカ。中国経由で日本に伝来し、栽培は平安時代に始まり、『延喜式』に中国名の大角豆が記されています。祝い事の赤飯に小豆の代わりに利用されますが、これは種皮が破れやすい小豆は「切腹に通じる」と武士に忌み嫌われたためです。色は白、黄、赤と多彩です

えんどう豆

原産地は西アジアといわれ、エジプトの王、ツタンカーメンの墓から副葬品と一緒に発見されたという歴史の古い豆です。日本には遣唐使によって伝えられたといわれ、『倭名類聚抄』に「乃良末女(のらまめ)」と記されています。本格的な栽培は江戸時代になってからで、明治後半には輸出用として多く栽培されていましたが、今はほとんどが輸入です。緑色の青えんどうと、茶褐色の赤えんどうがあります。
野菜として食べられるえんどう豆の種類
● 豆苗(トウミオウ):えんどう豆の新芽の部分で、中国では古くから野菜として食べていた。
● さやえんどう:えんどう豆が若いうちに取ってサヤのまま野菜として食べる。別名「絹さや」。名前の由来は、鮮度がいいとサヤの表面が絹づれに似た音がするからといわれている。
● スナックえんどう:アメリカから導入された品種で、グリンピースをさやごと野菜として食べられるように改良したもの。豆が大きくサヤがやわらかい。
● グリンピース:成熟しないうちにサヤから取り出した豆。

いんげん豆

1654年、中国明からの帰化僧、隠元によって持ち帰えられ広められたと伝えられており、名前もそれに由来しています。原産は南米で、メキシコのテワカン渓谷の洞窟で紀元前5千年頃のものと考えられるいんげん豆が発見されています。コロンブスの新大陸発見によって世界中に広まり、色も形も多用で、世界中には1千種類以上あるといわれています。
いんげん豆の種類
●手忙(てぼう):白色、やや小粒。白あんの材料などに使われる。
●白いんげん豆:白色、やや平らな大粒。大福豆とも呼ばれ、煮豆や甘納豆などに。
●とら豆:半分が褐色のまだら、もう半分は白色。うずら豆を改良した高級品種。
● うずら豆:淡い褐色に茶色のまだらでウズラの卵に似ている。皮は厚めで煮豆に向く。
● 金時豆:赤紫色で煮豆や甘納豆に利用される。北海道十勝地方の旧大正村(現在帯広市大正)に由来する「大正金時」が有名。
● 黒いんげん豆(ブラックビーン):日本ではあまり見ないが南米ではポピュラーな豆。ブラジルではフェイジョアーダという黒い煮込み料理がある。
● キドニービーン:金時豆とほぼ同じ種類で「チリビーンズ」「チリコンカルネ」などの料理によく使われる。

小豆

マメ科ササゲ属の一年生草本で、原産地は温帯アジアといわれる栽培歴史の古い豆です。日本には3~8世紀の間に中国から伝来したと考えられています。大豆より小粒で、色は赤、白など種類が多く主な品種は大納言、普通小豆、中納言、小納言、白小豆。昔は月のはじめと15日に小豆ごはんを食べて胃腸を整え、疲れを取る習慣がありました。