原産地は西アジアといわれ、エジプトの王、ツタンカーメンの墓から副葬品と一緒に発見されたという歴史の古い豆です。日本には遣唐使によって伝えられたといわれ、『倭名類聚抄』に「乃良末女(のらまめ)」と記されています。本格的な栽培は江戸時代になってからで、明治後半には輸出用として多く栽培されていましたが、今はほとんどが輸入です。緑色の青えんどうと、茶褐色の赤えんどうがあります。
野菜として食べられるえんどう豆の種類
● 豆苗(トウミオウ):えんどう豆の新芽の部分で、中国では古くから野菜として食べていた。
● さやえんどう:えんどう豆が若いうちに取ってサヤのまま野菜として食べる。別名「絹さや」。名前の由来は、鮮度がいいとサヤの表面が絹づれに似た音がするからといわれている。
● スナックえんどう:アメリカから導入された品種で、グリンピースをさやごと野菜として食べられるように改良したもの。豆が大きくサヤがやわらかい。
● グリンピース:成熟しないうちにサヤから取り出した豆。
1654年、中国明からの帰化僧、隠元によって持ち帰えられ広められたと伝えられており、名前もそれに由来しています。原産は南米で、メキシコのテワカン渓谷の洞窟で紀元前5千年頃のものと考えられるいんげん豆が発見されています。コロンブスの新大陸発見によって世界中に広まり、色も形も多用で、世界中には1千種類以上あるといわれています。
いんげん豆の種類
●手忙(てぼう):白色、やや小粒。白あんの材料などに使われる。
●白いんげん豆:白色、やや平らな大粒。大福豆とも呼ばれ、煮豆や甘納豆などに。
●とら豆:半分が褐色のまだら、もう半分は白色。うずら豆を改良した高級品種。
● うずら豆:淡い褐色に茶色のまだらでウズラの卵に似ている。皮は厚めで煮豆に向く。
● 金時豆:赤紫色で煮豆や甘納豆に利用される。北海道十勝地方の旧大正村(現在帯広市大正)に由来する「大正金時」が有名。
● 黒いんげん豆(ブラックビーン):日本ではあまり見ないが南米ではポピュラーな豆。ブラジルではフェイジョアーダという黒い煮込み料理がある。
● キドニービーン:金時豆とほぼ同じ種類で「チリビーンズ」「チリコンカルネ」などの料理によく使われる。