らっかせい油

ラッカセイの種子を圧搾してつくられる油で、ブラジルで野生種が発見されたことから、原産地を南米とする説が有力です。落花生の用途は広く、中国では炒め物に欠かせない油として重宝されています。独自の風味があるため、芳香を楽しむ香辛料的に使われることが多くなっています。ヨーロッパでは搾油しサラダ油などの食用油に利用し、搾りカスは家畜の飼料にしています。

ひまわり油

ヒマワリの種子から採取される油で、主産地はロシア、アルゼンチン、ルーマニアなど。ひまわりの原産地は北アメリカで、とうもろこしよりも前に栽培されていたと推測されています。ひまわりのタネは、ネイティブアメリカンの間でさまざまに食され、パンを焼く時にタネから搾った油を使っていたともいわれています。最近はオレイン酸のひまわり油が健康面から人気が出ています。

パーム油

アブラヤシ(オイルパーム)の核から採取される油です。主産地はマレーシアやインドネシアを始めとする熱帯地ですが、原産地はアフリカ西海岸といわれています。単位栽培面積から取れる油の量は、大豆の15倍、菜種の10倍と収穫の効率が高く、さらに価格が安く天候の影響を受けないため、1970年代以降、急速に栽培が拡大しました。大豆アレルギーの代替食品としても利用されています。

なたね油

アブラナ科に属するナタネの種子から採取される油です。主産地は中国やカナダ、ヨーロッパなどで、世界では大豆油、パーム油についで第3位の生産量を持っています。日本では安土桃山時代から使われていた植物油で、生産量はトップ。クセがなくあっさりしているため、消費の伸びている油です。キャノーラはカナダで改良された品種の名前で、オレイン酸を多く含んでいるのが特徴です。

とうもろこし油

とうもろこしの胚芽から採取した油で、精製していないものをとうもろこし油と呼びます。別名コーン油とも呼ばれ、生産も消費もアメリカがトップです。淡黄色をした独特の風味を持つ油で、サラダ油として高い評価を得ています。

だいず油

大豆の種子から採油した油です。採油した時点では臭いがあるため、食用には精製されサラダ油やマーガリン、ショートニングに加工され、工業用にはペンキや印刷インキ、石けんなどをつくる時に使われます。主産地はアメリカ、ブラジル、中国など。日本では1918年、清水港から初めて大豆油を輸出したという記録が残っています。採油後の脱脂大豆は家畜の貴重なたんぱく原料となります。

サフラワー油

キク科に属するベニバナの種子から採油した油で、主産地はアメリカ。紅花の原産地はエチオピアで、世界各地で色素を取るために栽培されていましたが、近年アメリカで採油用に改良されました。日本にはシルクロードを経て6世紀ごろに伝来し、紅花産地の山形では15世紀半ばから栽培が始まったといわれています。末摘花(すえつむはな)とも呼ばれ、乾燥した花は染料や口紅の材料に使われています。

ごま油

ごまの種子から圧搾抽出してつくられる油です。ごまの原産地はアフリカといわれ、古代より食用や薬用として利用されていたことがエジプトの象形文字で書かれ、残っています。日本では奈良時代にごま油がつくられ利用されていたと推測され、平安時代の『延喜式』にはごま油の使用についての記載が残っています。上質の墨にはごま油を燃やして取れる細かいススが使われています。

オリーブオイル

完熟オリーブの果肉から採油される油です。主産地は地中海沿岸やアメリカで、オリーブの歴史はイタリアボローニャ郊外で100万年前の化石が発見されたことから、それ以前にオリーブの木が存在していたと推測されています。紀元前3千年ころには中近東一帯で栽培・採油されていました。日本には1908年小豆島に伝わり、以降、香川県の県木とされ親しまれています。

えごま油

えごまはシソ科の一年草で、山野に自生する青じそに似た葉を持つ植物で、その種子から取れる油がえごま油です。食用として古代から利用されていた油ですが、搾油が始まったのは9世紀ごろ。京都大山崎の社司が神の啓示を受けて「長木(ちょうぎ)」という搾油器を開発し、えごまを栽培して搾油したと伝えられています。食べると10年長生きするといわれ、別名「じゅうねん」と呼ばれています。