抜け毛・白髪

抜け毛・白髪を予防する食べ物

髪に必要な栄養は血液によって運ばれます。そのため、健康な髪の毛を維持するためには①髪に必要な栄養をしっかり取る ②健康な血液と血管を作る ことが大切です。
髪の毛は皮膚の一部が変化してできたものなので、健康な髪の毛は健康な肌なくして成り立たず、健康な肌は健康な体なくしてありえないのです。
バランスのよい食生活を基本に、たんぱく質やビタミンAなど、抜け毛や白髪を予防する食べ物を日常的に取り入れ、美髪維持を心がけましょう 。

たんぱく質

髪の毛の主成分はケラチンというたんぱく質なので、良質なたんぱく質を取ることが髪の毛には一番大切。肉類には良質なたんぱく質が豊富だが、血中コレステロールを高める飽和脂肪酸も多いので、肉類の取り過ぎには注意する。

たんぱく質を多く含む食品:
肉類、魚類(特にEPAやDHAを含む青魚)、卵、大豆、大豆製品、牛乳、乳製品など

ビタミンA(レチノール・カロテン)

角質の表面を緻密にする働きがある。特にβカロテンは腸内で油脂と胆汁の助けを借りてビタミンAに変わり、毛細血管で毛母細胞に栄養が届けられる仕組みになっている。ビタミンAが不足して毛母細胞に届かなくなると、毛母細胞は角化(かたくなる)し始め細胞分裂ができなくなり、新しい毛が生まれずに薄毛になっていく。

ビタミンA(レチノール・カロテン)を多く含む食品:
レチノール : 肝油、乳製品(牛乳・チーズ・バターなど)、卵、ウナギ、アナゴなど
カロテン : 緑黄色野菜(にんじん、かぼちゃ、しその葉、パセリ、にら、ほうれん草、小松菜、春菊、明日葉など

ビタミンB群

髪の毛にはシスチンというアミノ酸が多く含まれている。シスチンを髪や頭皮に作りかえる時にエネルギー源として炭水化物が必要で、この炭水化物の代謝にビタミンB群が欠かせない。また、ビタミンB1やB2が不足すると、メラノサイト(色素合成細胞)がメラニン色素を作れなくなり、白髪になる。

ビタミンB群を多く含む食品:
ビタミンB1 : 肉類(豚・牛・鶏など)、胚芽、豆類(大豆・小豆など)、全粒粉パン、牛乳、緑黄色野菜、しいたけ、落花生など
ビタミンB2 : 肝(ウナギ・牛レバーなど)、酵母、卵黄、胚芽、肉類(豚・牛・鶏など)、ウナギ、ドジョウ、緑黄色野菜、納豆、干ししいたけ、海苔など
ビタミンB6 : 酵母、小麦胚芽、肉類(豚・牛・鶏など)、魚介類、卵、豆類、にんにく、牛乳など

ビタミンE

不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ働きがある。血中の悪玉コレステロール(LDL)を減らす働きをする不飽和脂肪酸の酸化を防ぐので、動脈硬化の予防に有効。血流をよくして毛母細胞にしっかり栄養を送り、髪の毛の新陳代謝に働く。

ビタミンEを多く含む食品:
ナッツ類(くるみ・落花生・松の実など)、ごま、玄米、胚芽米、小麦胚芽油、紅花油など

ビタミンP

ビタミンPと呼ばれるルチンやアセチルコリンは毛細血管を強化する働きがある。髪の毛に必要な栄養素を表皮母細胞や毛母細胞に栄養を届け、極細の毛細血管の細胞壁から血液を浸出させるのに大きな効果がある。

ビタミンPを多く含む食品:
緑茶、そば、そば茶、レモンやオレンジなど柑橘類の内皮など

葉緑素(クロロフィル)

植物の体の中に含まれる緑色の色素で、人間の血液の血液素(真っ赤な色素)であるヘムと化学構造がほとんど同じ。「緑の血液」とも呼ばれ、健康な血液を作り、増血に働く。健康で豊かな血液が、毛母細胞に栄養を届け、新しい髪の毛を誕生させる。

葉緑素(クロロフィル)を多く含む食品:
青野菜(小松菜・ほうれん草・ピーマン・春菊など)

抜け毛・白髪を予防する生活習慣

髪の毛は皮膚の一部が変化してできたもので、皮膚同様に必要な栄養は毛細血管によって運ばれます。食べ物で取り入れた栄養は、まず内臓、脳、筋肉などの重要な器官に先に回り、皮膚や毛根には最後に回ってくる仕組みになっています。そのため年齢などにより代謝エネルギーが減少すると、栄養が回ってこない皮膚や髪の毛は栄養不足となり、シミやシワ、抜け毛や白髪などが現れてきます。
髪に必要な栄養をしっかり取ると同時に、血液の流れをよくして、毛細血管の先まで血液が流れるような生活をすることが大切です。

タバコは要注意

タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる働きを持っています。タバコを吸うと煙と一緒にニコチンも体内に取り込まれ、肺に入ります。肺に入ったニコチンは水分に溶け出し、毛細血管で全身に運ばれ、血管の収縮を招きます。血管が収縮すると血液が毛母細胞に届かず、髪の発育に影響を及ぼします。また血管の収縮は、体温の低下・咳・痰、息切れなどの症状を引き起こすので注意が必要です。

アルコールは適量で

適量のアルコールは頭皮の血流をよくする働きがありますが、一定量を越えると血流が悪くなるので飲み過ぎに気をつけましょう。

ストレスに注意

ストレスを感じ過ぎると頭皮の血行が悪くなります。ストレスは溜めずに適度に発散させていきましょう。適度なアルコールはストレス解消に働きます。

適度な運動をする

適度な運動は全身の血液の流れをよくします。血液の流れがよくなると、毛母細胞までしっかり栄養が運ばれます。

紫外線に気をつける

頭皮や髪の毛もメラニン色素を含んでいるので、紫外線を浴びると日焼けを起こします。その結果、新陳代謝が低下して老化が進み、髪の生育にダメージを与えます。秋になって抜け毛が増える要因は、紫外線の浴び過ぎといっても過言ではありません。紫外線から髪を保護するために、日傘や帽子を利用しましょう。

十分な睡眠を取る

PM11:00~AM2:00は新陳代謝が最も活発な時間帯です。古くなった細胞が新しく再生される時間帯なので、髪の毛もこの時間帯に成長します。この時間帯に起きていると、血液が別の組織に回され、毛母細胞まで届かないため髪の発育に影響を及ぼします。

緑黄色野菜と植物油のサラダ

緑黄色野菜とは100g中に600μg以上のβカロテンを含む野菜で、現在56種類が緑黄色野菜と位置付けられています(トマトやピーマンなど、600μg以下でも1回に食べる量や頻度が高い色の濃い野菜も、緑黄色野菜と位置付けられ含まれています)。
緑黄色野菜に含まれるβカロテンは、腸内で油脂と胆汁の力を借りてビタミンAに変化し、変化したビタミンAは毛細血管を通り、毛母細胞に行き渡り、毛母細胞が娘細胞を生み続けるのに最適な環境提供に働きます。
しかし、ビタミンAが不足すると毛母細胞は娘細胞を生んだ瞬間に角化(かたくなること)し始め、以降娘細胞を生むことができなくなり、結果薄毛になっていきます。
毛髪の新陳代謝を促し丈夫な頭皮を作るには、緑黄色野菜と植物油がベストコンビ。緑黄色野菜で作るサラダは最も手軽で効果的な健康毛髪メニューです。サラダはノンオイルドレッシングよりも油脂の入ったドレッシングがおススメです。

ブロッコリー・パプリカ・モッツァレラのサラダ

ブロッコリー・パプリカ・モッツァレラのサラダ
ブロッコリーとパプリカのβ-カロテンと、モッツァレラチーズの良質なたんぱく質が、髪の毛を丈夫にして抜け毛予防に働きます。抗酸化力も高く、抗がん効果も期待できます。

にんじん・パセリ・レーズンのサラダ

にんじん・パセリ・レーズンのサラダ
にんじんとパセリはβ‐カロテンを豊富に含む緑黄色野菜です。β‐カロテンは体内でビタミンAの働きをして丈夫な頭皮を作り、レーズンに含まれるビタミンEが体内の酸化予防に働きます。にんじん・パセリ・レーズンの食べ合わせは抜け毛を予防し、毛細血管強化に働きます。

ほうれん草とトマトのサラダ

ほうれん草とトマトのサラダ
ほうれん草とトマトはともに優れた緑黄色野菜で、粘膜を強化して毛母細胞の新陳代謝を促し、抜毛予防に働きます。ビタミンCやミネラルも豊富に含まれており、美肌や血管強化も期待できるサラダです。

小松菜・大豆・菊の花のサラダ

小松菜・大豆・菊の花のサラダ
小松菜はビタミンやミネラルを豊富に含む緑黄色野菜で、大豆は良質なたんぱく質と脂質、菊花はビタミンEを豊富に含んでいます。小松菜・大豆・菊花を一緒に取ると毛母細胞の分裂を促して新しい髪の毛誕生に働く食べ合わせになります。血管の動脈硬化予防にも有効です。

緑黄色野菜サラダ

緑黄色野菜サラダ
にんじん・かぼちゃ・さつまいもはβ‐カロテンを豊富に含む緑黄色野菜で、特に肺がん予防野菜のベスト3とも呼ばれています。β‐カロテンと同時にビタミンCも豊富に含み、抜け毛を予防すると同時に美肌効果も期待できるサラダです。

抜け毛・白髪を予防するレシピ

髪の毛の主成分はケラチンというたんぱく質でできています。そのためたんぱく質が不足すると髪の毛は細くなって抜けやすくなります。また、夏の紫外線を浴びた髪の毛は、頭皮の新陳代謝が低下するため抜け毛の原因になりがちです。
健康な髪の毛を作り、抜け毛や白髪を予防するには良質なたんぱく質を中心に、丈夫な頭皮を作るビタミンA、皮脂分泌をよくするビタミンB群などを十分に取ることが大切です。また、髪の毛に栄養を運ぶのは血液なので、豊富な血液と丈夫な血管を作る鉄や葉緑素やビタミンPもしっかり取りましょう。

大豆・かぼちゃ・切り干し大根の煮物

大豆・かぼちゃ・切り干し大根の煮物
大豆・かぼちゃ・切り干し大根は、大豆の良質なたんぱく質が髪の毛のケラチンを作り、かぼちゃのβ-カロテンが毛母細胞の新陳代謝を活発にし、切り干し大根の食物繊維が血中コレステロール低下に働くため、髪の毛の新陳代謝が活発になり抜毛を予防し美髪を作る食べ合わせです。ビタミンB群も豊富で、白髪予防も期待できます。

納豆とオクラの冷やしそば

納豆とオクラの冷やしそば
そばに含まれるビタミンPの一種であるルチンは、毛細血管を強化し、毛細血管の細胞壁から血液を浸出させる働きに優れています。その働きで毛母細胞に栄養が十分に届き、新陳代謝が活発になり、健康な髪の毛作りに働きます。納豆とオクラでたんぱく質・脂質・βカロテン・ビタミンE・ビタミンCを補給し、生活習慣病予防にも有効な一品です。

アサリ・トマト・チーズのスパゲッティ

アサリ・トマト・チーズのスパゲッティ
アサリは良質なたんぱく質と同時に、鉄分を豊富に含んでいる貝類です。鉄分はたんぱく質やビタミンCと一緒に取ると吸収率がアップするので、アサリ・トマト・チーズを一緒に取ると、増血に優れた食べ合わせになります。豊かな血液が髪の毛に十分な栄養を与えて抜け毛を予防し、にんにくや松の実の抗酸化力が細胞の酸化を防ぎます。

かぼちゃとチーズの全粒粉ホットサンド

かぼちゃとチーズの全粒粉ホットサンド
かぼちゃと青じそのβ-カロテン、チーズのたんぱく質、全粒粉パンのビタミンB群は、毛母細胞に十分な栄養素を送り届け、抜け毛を予防し丈夫な髪の毛を作る食べ合わせです。付け合せにビタミンCが豊富な野菜サラダをプラスすることで、美髪効果が更に高まります。整腸作用も高く、美肌効果も期待できます。

豆腐のマリネ

豆腐のマリネ
豆腐は良質な植物性たんぱく質・脂質・ビタミンB1やB2・不飽和脂肪酸の酸化を防ぐビタミンEなどを豊富に含んでいます。豆腐・パプリカ・ホールコーンを一緒に取ると、パプリカのβ‐カロテンとビタミンCやホールコーンのビタミンEが丈夫な頭皮と毛髪作りに働く食べ合わせになります。食物繊維も豊富に取れ、コレステロール低下や便秘予防にも有効です。

調味浸け鶏手羽先の黒ごまがけ

調味浸け鶏手羽先の黒ごまがけ
鶏手羽先はたんぱく質の一種であるコラーゲンと良質な不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。ごまに含まれるビタミンEは不飽和脂肪酸の酸化を防ぐ働きに優れており、鶏手羽先と食べ合わせると血液中の悪玉コレステロールを減らして血管の動脈硬化予防に働きます。血液の栄養成分が滞りなく毛母細胞に届くため、抜け毛が予防され健康な髪の毛が維持されます。

しいたけと青じその豚肉巻き

しいたけと青じその豚肉巻き
豚肉はアミノ酸バランスに優れたたんぱく質、ビタミンA、ビタミンB1を豊富に含んでいます。ビタミンAは青じそのβ-カロテンと共に毛母細胞の角化を防ぎ、髪の毛の新陳代謝に働きます。ビタミンB1はしいたけのビタミンB2と一緒に皮脂分泌を正常に保ちます。体や脳を若々しく保つ働きにも優れた一品です

ウナギ白焼きとじゃがいもの抹茶かき揚げ

ウナギ白焼きとじゃがいもの抹茶かき揚げ
良質なたんぱく質と脂質を持つウナギ・ビタミンC含有の高いじゃがいもと抹茶を一緒に取ると、髪の毛に栄養を与え毛母細胞の新陳代謝を活発にする食べ合わせになります。抹茶は茶葉の栄養素が丸ごと取れる食品なので、料理にどんどん応用しましょう。良質な脂質、コラーゲン、ビタミンCが美肌作りにも有効に働きます。

にらとサンマのぬた

にらとサンマのぬた
にらと青じそはβ‐カロテンを豊富に含む緑黄色野菜です。にら・青じそ・良質なたんぱく質と脂質を含むサンマを一緒に取ると、体内でビタミンAに変わるβ‐カロテンとたんぱく質が健康な毛髪を作り、抜け毛予防に働く食べ合わせになります。サンマの脂質がβ‐カロテンの吸収率を高めます。

サバ・ピーマン・ナッツの春巻き

サバ・ピーマン・ナッツの春巻き
サバは良質なたんぱく質と脂質を含み、脂質のEPA(イコサペンタエン酸)は血管の詰まりを予防する働きに優れています。β-カロテンを含むピーマンとビタミンEが豊富なナッツ類をプラスすることで、毛母細胞の新陳代謝が高まり、抜け毛が予防され健康な髪の毛を作る食べ合わせになります。揚げ油にオリーブ油を使うと血中のLDL(悪玉コレステロール)低下に有効です。