アーモンド

バラ科の落葉高木で、原産地は西南アジア。旧約聖書にも登場しています。高さ6mくらいまで成長し、花の姿も香りも桜に似ています。核果の中の仁を食用し、仁はその風味でビター(苦み)とスイート(甘み)に分類されています。スイートは食用で、ビターは薬用として用いられ、1日1個を生食すると抗がん作用が期待できるといわれています。

ライ麦

イネ科の一・二年草。寒冷地でも収穫できるため、小麦が取れない寒冷地域の主食として活躍してきました。古くから北欧諸国やロシアで食される黒パンの原料で、独特の酸味はライ麦だけではグルテンが形成されないため、別につくった酸性生地が加えられているためです。粒は小麦よりもかたくて小さく、ウイスキーやウオッカの原料にも使われています。

ひえ

イネ科の一年生草本で、原産地はインド。あわ同様、縄文時代に朝鮮から渡来したといわれています。五穀のひとつに数えられ、灰色がかった白い実で、白米に混ぜて食べられていました。湿地や寒冷地、干ばつなどの環境でも短い生育期間で栽培でき、肥料はイネの半分でOK。うるち種ともち種がありますが、現在はうるち種だけが栽培されています。

はと麦

イネ科の一年草で、雑穀の中でもっとも粒の大きいのが特徴です。古くから薬効の高い食材として知られ、楊貴妃も美容食として愛食したと記されています。原産地は中国南部からインドシナ半島といわれ、日本伝来はハッキリしませんが、江戸中期には広く伝わっています。名前の由来は多く収穫できることから「八斗麦」と名付けられたという説もあります。

道明寺粉

もち米を水に漬け、蒸してから乾燥し、粉にしたものが道明寺粉です。大阪・藤井寺市の尼寺、道明寺でつくられたため、この名がつけられました。道明寺の糒(ほしい)は有名で、その糒を砕いたものが道明寺粉。当初は携帯食や非常食として利用されたと『古事記』に記されています。現在では、粒の大きさもさまざまで、煎って焼色をつけたものもつくられています。

たかきび

もろこしと呼ばれるイネ科の一年草で、起源地はアフリカ。中国名はコーリャンで、きび(黍)とはまったく違う作物です。その名の通り生育すると3m以上に育つものもあり、耐干に強く、現在もアフリカやインドでの重要な穀物です。日本で食されているのはもち種の赤高きびで、ほのかな甘みを持っており、アレルゲンが少ないため、アレルギー代替食品として利用されています。

蕎麦粉

「登呂遺跡」跡からそばが発見されていることから、石器時代からそばを食していたと考えられています。やせ地や寒冷地でも短期間で収穫できるため、飢饉対応の作物として栽培されていたということが、『続日本紀』に記されています。漢字で「蕎麦」と書きますが、麦とは関係なく、現在のような加工したそばの形が確立したのは江戸時代中期から後期にかけてといわれています。

白玉粉

もち米を一晩水に漬け、水洗いの後すりつぶし、沈殿したものを乾燥させてつくります。寒中につくられるので、別名「寒ざらし粉」とも呼ばれています。室町時代から食されていたといわれ、寒い冬に凍てた米を細かく砕き、だんごの原料として使ったのが始まりといわれています。粒状の乾物食品なので虫がつきにくく、長期保存が可能です。

古代米

古代米とは、稲の原種で野生稲の特徴を受けついでいる米(稲)をいいます。色が赤、黒、緑などの有色米が多く、実りの頃、籾がひとりでにこぼれ落ちます。背丈が高いため倒伏しやすく、品種改良された現代の米に比べて収量が半分以下。糠の部分に赤い色素(タンニン)を含んでいる赤米、紫黒の色素(アントシアニン)を含んでいる黒米、緑の色素を含んでいる緑米があります。

東南アジアが原産地といわれ、日本では縄文晩期から栽培が始まったと考えられています。イネ科の一年草で、種子が米と呼ばれ、収穫後のもみを取った状態のものを玄米と呼びます。玄米のぬか層(果皮、種皮、糊粉層)や胚芽部分を取り除いたものが精白米。粒の形でジャポニカ米(丸みのある日本型)とインディカ米(細長いインド型)に大別されます。