きなこ

大豆を煎ってからひき、粉にしたきな粉は、大豆栽培が盛んになり始めた奈良時代から食されていたといわれています。香りがよく、粉状なので消化のよいのが特徴です。使われる大豆によって黄色と青色があり、黄色い色が一般的です。色が黄色いので「黄なる粉」から「きな粉」と呼ばれるようになりました。きな粉にはたんぱく質含有の高い国内産や中国産の大豆が適しています。

おから

別名卯の花、きらず、雪花菜とも呼ばれ、和食に欠かせない食品として今なお人気のある食材です。豆腐の残りなので切らないで調理できるのから「きらず」、純白でサラサラしているから「雪花菜」。2003年朝日新聞が実施した「21世紀に残したいお惣菜」のナンバーワンに選ばれています。固形分の50%以上が食物センイで、整腸効果の高い食品です。

油揚げ

油揚げは豆腐を薄く切って水切りし食用油で揚げたもので、薄揚げとかいなり揚げとも呼ばれています。室町時代の精進料理から誕生したという説や、江戸時代に流行した天ぷらの揚げ物として考案されたという説があります。油揚げを使った「いなりずし」の発祥は、豊川稲荷(愛知県豊川市)門前で天保の大飢饉のころに考案されたといわれています。

もずく

もずくの名前の由来は、天然のもずくが海藻に付いて生育するところから「藻に付く」が、やがて「もづく」「もずく」と呼ばれるようになったといわれています。歴史に関する文献はほとんどなく、海に囲まれた日本では古来より食されていたと想像されています。養殖技術が進んだことで消費が大幅に増え、全国消費量の約95%を沖縄県が生産しています。

昆布

褐藻類。古来日本では昆布を「広布(ひろめ)」と呼び、長い姿が縁起よいと考えられ、武士の社会では「勝って喜ぶ」と縁起を担ぎ、出陣式には必ず昆布が飾られました。豊富な栄養素を含んでおり、秦の始皇帝が不老長寿の薬を探しに東方に使者を遣わした目的は、実は昆布であったといわれています。チェルノブイリの原子炉爆発事故の時には放射能汚染の解毒に大活躍をしました。

かんてん

主原料は天草で、原型は「ところてん」。ところてんは遣唐使によって中国から伝来し、日本では「心太(こころふと)」と呼ばれていました。製造方法が発明されたのは江戸時代の初期で、ところてんの食べ残しを寒い戸外に置いていた所、寒さで凍り乾物状になったため、これをヒントに誕生したといわれています。

落花生

原産地は南米で、ペルー北部のリマ地方で紀元前850年頃といわれる遺跡から落花生の種子が発見されています。大航海時代には貴重な航海食で、世界に広めたのはコロンブスといわれています。日本には江戸初期に伝来、当時の医学書『大和本草』に「落花生」の名が記されています。花が落ちた場所に実を結ぶ習性が、名の由来といわれています。

松の実

聖書に記載のある古い栽培の歴史を持つ種実で、松かさの鱗片の内側にある胚乳を食します。中国では古くから仙人の霊薬とされ、「長生果」と呼ばれ、英語では「パインナッツ」、イタリアでは「ピニョリ」と呼ばれています。濃厚で独特の風味を持ち、日本に出回っている物のほとんどは中国産です。1日20粒常食すると老化防止に有効といわれています。

ヘーゼルナッツ

カバノキ科の落葉低木の実で、西洋ハシバミとも呼ばれています。原産地はヨーロッパ、北アフリカ、西アジア一帯で、ヨーロッパでは古くからお菓子の原料として珍重され、また冬場の貴重な栄養源でもありました。イギリスのクリスマス菓子には欠かせない種実です。生産に適した気候を持つトルコが、世界の総生産量の約70~75%を占めています。

ピーカンナッツ

クルミ科カリア属の木の実で、原産地はアメリカミシシッピー川の沿岸といわれています。先住民のインディアンが古くから食べていた木の実で、木は高く成長し、「手で割れないほどかたいナッツ」という意味を持っています。日本には明治時代の終わりに伝来しましたが、当時は普及せず、近年、栄養価も含め人気の出てきたナッツです。アーモンドと同様に一年おきに豊作と不作を繰り返す性質があります。