オレガノ

シソ科の多年草で、原産はヨーロッパ、西南アジア。特有な香りと苦みを持ち、メキシコ料理のチリ・コン・カーンには欠かせない香辛料です。トマトやチーズとの相性がよく、ピザスパイスの主原料です。美の神ビーナスが海の水からつくったと伝えられ、ギリシャでは婚礼の時にオレガノの冠をかぶります。また、死後の幸福を約束すると考えられ、墓地に植えられています。耐寒性のある丈夫な植物です。

ウコン

ショウガ科の多年草で、世界に50種類以上あり、インドを中心とする熱帯アジアが原産です。5千年の歴史を持つインドの伝承医学「アーユルヴェーダ」や、中国明の時代の『本草網目』でも記述があるほど、古くから珍重されていました。日本では江戸時代の初期に、幕府が創設した薬草園「麻布御薬園」で、琉球王朝から伝わったウコンを栽培していたと記録されています。

レモン

原産地はインドで、寒さに弱く、降雨量の少ない温暖地で栽培されます。イタリアのシシリー島とアメリカのカルフォルニアが世界の二大産地です。新大陸を発見したコロンブスはレモンからビタミンCを取り航海を続けたといわれています。日本には明治の初めにアメリカから導入されましたが、広く栽培が始まったのは大正初期。香りや酸味が強いユーレカ種が主流です。

バナナ

原産地はマレー半島で、紀元前5千年以上前から栽培されてといわれる歴史の古い果物です。日本には台湾を経て20世紀初期に伝来しました。果実用と料理用に大別され、料理用はでんぷんを多量に含み、熱帯地方では主食とされています。生産量はぶどう、柑橘類に次ぐ第3位。日本では沖縄や小笠原などで少量栽培されていますが、ほとんどは輸入しています。

パイナップル

原産はブラジル南部といわれ、形が松かさ(PINE)、味がりんご(APPLE)に似ていることからパイナップルと名付けられたといわれています。新大陸発見後に広く世界に広がり、現在世界中で栽培されているスムースカイエン種は、多汁で甘くセンイが少ない優良品種です。日本での主産地は沖縄で、フィリッピンと台湾からも輸入しています。

グレープフルーツ

原産地は西インド諸島のバルバドス島で、果実が数個、ぶどうの房のようにまとまって実ることからこの名がつけられました。アメリカフロリダが主生産地で、オレンジ、レモンに次いで生産量の多い柑橘類で、別名アメリカンフルーツと呼ばれるほどアメリカ人が好む果物です。日本では輸入が自由化された1971年以降から庶民の果物として親しまれるようになりました。

キウイフルーツ

中国南部原産でマタタビ科のシナサルナシが、ニュージーランドで品種改良されて誕生した果物です。ミュージーランドの国鳥キウイに似ていることからその名がつけられました。日本には1964年に導入され、多汁質で甘みと淡い酸味が好まれ、国内栽培も盛んです。近年、ゴールデンキウイという甘みが強く、黄色い果肉の新種が出回り人気です。

梅干

梅干は梅の実を塩漬けにし、天日で干し乾燥させた食品です。奈良時代に中国から「烏梅(うばい)=梅の実を燻製にしたもの」の形で伝来したといわれ、『医心方(いしんほう)』の中でもさまざまな効能が挙げられており、古くから薬として利用されていました。常備食品として一般庶民の食卓に登場するのは江戸後期、この頃にしその葉を使ってつくる赤い梅干しが誕生しました。

クランベリー

ツツジ科に属するつる性常緑多年性で、原産は北アメリカの北東部。ネイティブ・アメリカンによって生薬・保存食・染料など多様に利用されていたクランベリーは、1621年、メイフラワー号で入植した清教徒に伝えられ、今や感謝祭やクリスマスの七面鳥に添えるソースに利用されるなど、欠かせない食材となっています。花の蕾が「Crane=鶴」の頭部に似ていることからこの名で呼ばれています。

アプリコット

バラ科の落葉高木で、原産地は中国北部。紀元前から栽培され、旧約聖書の禁断の実は熟したあんずという説もあるほど古い歴史を持ち、種子は漢方薬として利用されています。日本には遣唐使によって伝わり、日本最古の事典『和名抄(わみょうしょう)』に唐桃(からもも)と記されています。カリフォルニアが主産地で、日本では東北地方や長野・山梨県で生産されています。