ヒマワリの種

キク科の一年草で、小さな花が集まって構成され、最も進化した植物といわれています。北アメリカの中・西部で誕生し、古代インカ帝国では「太陽の花」と尊ばれていました。中国から日本に伝来したのは17世紀の中頃。当時は「丈菊(じょうぎく)」と呼ばれひまわりと呼ばれるようになったのは、元禄時代といわれています。鑑賞用はもちろんのこと、タネは食用され油も採取されます。

蓮の実

スイレン科多年草の蓮の実で、「蓮肉(れんにく)」「蓮子(れんし)」とも呼ばれています。古来より蓮は天国をイメージする清浄な花で、その実の栄養価は高く、非常食として珍重されていました。古代ギリシャの叙事詩オデッセイアでは「今日も蓮の実を食べて飢えをしのいだ」と書かれています。弥生時代の蓮の種子が見事に開花したように生命力の高い植物です。

すいかの種

ウリ科つる性の一年草のすいかのタネで、原産地はアフリカ。種子は西瓜子仁と呼ばれ、中華料理の前菜によく使われ、食用種子を取るすいかが栽培されています。タネ、果皮ともに、漢方では珍重されています。弥生時代の遺跡から炭化した種子が大量に発見され、備蓄食料として利用されていたと推測されています。すいかのタネは大きさにかかわらず、一玉に約400~600粒といわれています。

ごま

仏教とともに伝えられ、奈良時代にごま油が料理に使われていたと記されており、肉食が禁じられていた僧侶たちの貴重な栄養源でした。貴重品として扱われ一般に普及したのは栽培が可能になった江戸時代。原産地はアフリカのサバンナ地方といわれ、古代エジプトでは食用のほかに、ミイラの仕上にごま油を防腐剤として使用していたといわれています。

けしの実

ケシ科の一・二年草けしの種子で、原産地は地中海沿岸や西アジアといわれています。未熟な果実の乳液からアヘンがつくられるため、日本では一般の栽培は禁止されています。ヨーロッパではけしの赤い花は、戦場で倒れた戦士たちの血の色といわれ、英雄たちのシンボルとされていました。日本生まれの香辛料「七味唐辛子」の原料のひとつに使われ有名です。

くるみ

紀元前7千年前から食されていたナッツで、代表的なペルシャグルミは2千年前から栽培されていたと推測されています。日本では縄文時代から食べられていた種実で、実がクルクル転がることからこの名がつけられたといわれています。東北地方では飢饉に備えて「命の木」として大切に育ててきたといわれています。古いものほど殻の色が濃くなります。

クコの実

ナス科の落葉低木で、中国、朝鮮半島、日本に広く分布しており、日本では川の土手やほとりに自生しています。晩秋に真っ赤な実をつけ、古代から実のみならず、若芽、根茎とすべてが霊薬・薬用とされ、3千年以上の食用の歴史を持っています。赤い色は抗酸化力の高いβ―カロテンで、老化を予防する若返りの食べ物として珍重されています。

ぎんなん

いちょうはイチョウ科の落葉針葉樹で原産地は中国。銀杏はいちょうの実の仁(胚乳)の部分で、日本への渡来は古く、長い食用の歴史を持っています。外種皮は多肉性で黄熟し、肉質の部分にはかぶれを起こす悪臭があるため、素手で振れるとアレルギーを起こします。一億五千年前から生息していたと推測され、「生きた化石」と呼ばれる強い生命力を持っています。

かぼちゃの種

かぼちゃはウリ科の一年生草で、紀元前7千~5千500年前と思われるメキシコの洞窟の地層からタネが発見されています。原産地は中央アメリカ~南アメリカですが、中国で多く食用とされています。かぼちゃのタネを乾燥させ塩煎りした物は「瓜子(グワズー)」呼ばれ、殻を割って中の仁を食します。身に負けない栄養素を持ち、中華料理では酒の肴や月餅のあんなどに利用されています。

カシューナッツ

ウルシ科の常緑高木カシューの果実で、原産地はブラジル北東部の熱帯地方。16世紀末にポルトガル人によってインドや東アフリカに伝えられ、防風林として熱帯地方に広がったといわれています。花の後になる実はカシューアップルと呼ばれ、その先端の飛び出ている殻の中にある白い仁がカシューナッツと呼ばれています。特有の甘みを持ち、中華料理によく使われます。