事の日

「事」とは祭事のことで、事の神は「田の神・農神」を指します。この日は農事を始める日で、代表的な農作物で作る「おこと汁」を食べ、豊作を祈願します。おこと汁の具はさといも、大根、にんじん、ごぼう、小豆、こんにゃく、くわいなど、土から取れるものなら何でもOKで、味噌味で仕上げます。また、この日は「針供養」の日でもあります。折れた針を供養したり、やわらかい豆腐やこんにゃくに針を刺して休ませ、裁縫の上達を祈願します。

お事汁

お事汁
お事汁は野菜たっぷりの味噌汁です。野菜のビタミン・ミネラル・食物繊維と、味噌の良質なたんぱく質を一緒に取ることで、腸内の環境が整い免疫力に優れた食べ合わせになります。味噌のたんぱく質は発酵過程の酵素の働きで消化吸収が高まり、新陳代謝を活発にするため、野菜たっぷりの味噌汁は健康長寿食です。六質汁(むしつじる)とも呼ばれ、芋、大根、ごぼう、小豆など6種類の具を入れて作るやり方もありますが、農作物ならどんどん入れて構いません。

あしたばと里芋の味噌汁

あしたばと里芋の味噌汁
β‐カロテンやフラノボイド類が豊富なあしたば、ヌメリ成分を持つさといも、抗酸化力の高い味噌としょうがを加えた味噌汁は、がん予防の効果が期待できる料理です。さといものヌメリは色々な効果を期待できるので必要以上に落とさないようにしましょう。また、生味噌には有効な微生物が多く生息しているので、高温で加熱しないよう気をつけると有効な成分を取り入れることができます。

トロロと春菊の味噌汁

トロロと春菊の味噌汁
春菊は常食すると胃腸が丈夫になり、豊富に含まれるβ‐カロテンや薬効は加熱することで含有量が高まります。長いもが含有するコンドロイチンが潤滑油の働きをして軟骨の弾力を維持し、味噌の不飽和脂肪酸がその働きをさらに高めます。