毎月月末に江戸の商人が縁起物(そばの細くて長い形状のように、身代が長く栄えるように)としてそばを食していたことに由来し、日本麺業団体連合会が制定しました。特に12月月末の「年越しそば」は全国的な行事となっています。江戸時代の金箔を扱う職人が散らばった金箔を集めるのにそば粉を練って使ったことから、商人だけでなく、庶民も財が集まることを祈願し、そばが食べられるようになったといわれています。毎月末のそばの日とは別に、10月17日は「沖縄そばの日」と制定されています。
そばは胃腸を丈夫にして消化を促進する働きがあるため、胃もたれや下痢に効果があります。卵黄と一緒に取ると、良質な動物性たんぱく質や脂質が取れるため、血や肉が作られ体力が強化される食べ合わせになります。卵黄に豊富に含まれるレシチンが脳細胞の活性化に働き、そばに含まれるルチンが毛細血管を強化して止血に働くため、脳卒中の予防が期待できます。
そばの主成分であるでんぷんは消化のよいのが特徴で、即エネルギー源となる優れものです。たんぱく質は良質でビタミンB1やB2が豊富に含まれているため、疲れを取り去りエネルギー源となります。白菜やアサリと一緒に取ると、白菜のビタミンCやカリウム、アサリのタウリンやビタミンB12の働きで、高血圧・脂質異常・初期の糖尿病の予防に有効な食べ合わせになります。
そばで作るカルボナーラはうつ症状を緩和する料理です。生クリームやチーズなどの乳製品にはトリプトファンが豊富に含まれており、そばやベーコンをプラスすることで、さらに神経の安定が保たれます。卵黄に含まれるレシチンが集中力の向上に働きます。
そば米はそばの種実を軽く茹でて自然乾燥させ、その後に殻を取り除いたそばの粒のことです。米の代用として使われていたため、「そばごめ」「むきそば」とも呼ばれています。このそば米を使って作られる雑炊はそばの名産地・徳島県租谷(いや)の郷土料理で、この地方に隠れ住んだ平家の落ち武者一族から伝わったといわれています。すまし汁仕立てのため「そば米清まし」との呼び名もあり、今でも行事の時には必ず作られる料理です。
イカは高たんぱくで低脂質な低カロリー食品です。豊富に含まれるアミノ酸の一種であるタウリンが血圧を正常に保ち、動脈硬化や糖尿病の予防に有効に働きます。そばのルチンと海苔のカルシウムやカリウムが血管強化に、チーズのたんぱく質やカルシウムが血圧安定に働きます。
いちじくとそばの糖質は、即効性の高いエネルギー源として、疲れを癒す力に優れています。いちじくのたんぱく質分解酵素がイカのたんぱく質の消化を高め、食物繊維が便通を整えます。いちじくのカリウム・イカのタウリン・そばのナイアシンが血中コレステロール低下に働き、高血圧や動脈硬化の予防に有効に働きます。低カロリーでダイエットにもおススメです。
海苔はミネラル・ビタミン・食物繊維を豊富に含み、カロテンやビタミンCの含有量は高く、1日一枚食べるとシミやソバカスを防ぐといわれています。海苔とそばを一緒に取ると、海苔の葉緑素とそばのナイアシンがコレステロール値低下に働く食べ合わせになります。卵で良質なたんぱく質と脂質を補い、栄養バランスを整えます。