乾燥肌
乾燥肌を予防する栄養素と食べ物
乾燥肌とは①角質層の水分が少なくなる②皮脂の分泌が少なくなる などで、皮膚の表面が乾燥した状態をいいます。空気中の湿度が30%を切ると肌の水分は蒸発しやすくなるといわれており、湿度が低くなり空気が乾燥する秋から冬の季節には、湿度が30%を切る日も多々あり、肌から水分が蒸発しやすい環境に置かれます。
肌の乾燥を防ぐには、角質層からの水分蒸発を防いで肌を潤す栄養成分をしっかり取ることが大切です。バランスのよい食生活を基本に、セラミドやビタミンA(レチノール、カロテン)、肌のかさつきを予防する脂質、新陳代謝を高める唐辛子・しょうが・カレーなどを日常的に取り入れ、乾燥肌を予防しましょう。
セラミド
皮膚の角質層に存在する脂質で、皮膚を外部の刺激から守り、角質層の水分を保持する働きを持っている。幾重にも重なった角質細胞の隙間をビッシリ埋めて皮膚のバリア機能を司っている。セラミドが不足すると角質細胞の隙間が埋まらず、皮脂膜も形成されにくくなり、角質細胞に保持されている水分が蒸発して、角質細胞間は隙間だらけとなっていく。セラミドは30代後半から減少するので、積極的に食べ物で補っていくとよい。
セラミドを多く含む食品:
大豆、生芋こんにゃく、米(胚芽部分を含んでいるもの)、小麦、ヨーグルト、ほうれん草など
ビタミンA(レチノール・カロテン)
皮膚や粘膜の潤いを維持し、新陳代謝を促す働きを持っている脂溶性のビタミン。レチノール類の形で自然界に存在し、植物ではβ‐カロテンの形で存在する。不足すると皮膚表面の細胞がダメージを受けやすくなり、皮膚がカサカサになってくる。脂溶性なので油と一緒に取ると吸収されやすくなる。
ビタミンA(レチノール・カロテン)を多く含む食品:
レチノール : レバー(鶏、豚など)、肝油、乳製品(牛乳・チーズ・バターなど)、卵、ホタルイカ、ウナギ、アナゴ、アユの内臓など
カロテン : 緑黄色野菜(にんじん、かぼちゃ、しその葉、パセリ、にら、ほうれん草、小松菜、春菊、明日葉など)、海苔、ワカメ、緑茶など
● 緑黄色野菜とは100g中に600μg以上のβ‐カロテンを含む野菜で、現在56種類が緑黄色野菜と位置付けられている(トマトやピーマンなど、600μg以下でも1回に食べる量や頻度が高い色の濃い野菜も、緑黄色野菜と位置付けられ含まれている)
脂質
脂質不足は皮膚のカサツキの原因となる。三大栄養素のひとつで大部分を占めるのが脂肪酸。脂肪酸はエネルギー源となると同時に細胞や血管を作る働きを持っており、肉・卵・乳製品など動物性食品に含まれる飽和脂肪酸と、植物油や魚介類に多く含まれる不飽和脂肪酸がある。
脂質を多く含む食品:
飽和脂肪酸 : 肉類、卵、乳製品など
不飽和脂肪酸 : 植物油(紅花油、コーン油、ひまわり油、大豆油など)、DHA・EPA(特に青魚)、ごま、ナッツ類(松の実、ピーナッツ、アーモンドなど)、凍み豆腐など
たんぱく質
皮膚の角質細胞はたんぱく質で形成されているので、皮膚のバリア機能を守るためには良質なたんぱく質が必要。肉類には良質なたんぱく質が豊富だが、血中コレステロールを高める飽和脂肪酸も多いので、肉類の取り過ぎには注意する。
たんぱく質を多く含む食品:
肉類、魚類(特にEPAやDHAを含む青魚)、卵、大豆、大豆製品、牛乳、乳製品など
乾燥肌を予防する生活習慣
秋から冬にかけて大気が乾燥してくると、老若男女関係なく肌は乾燥してきます。私たちの肌に最適な湿度は60~65%と言われており、大気中の湿度が30%以下になると肌の水分は蒸発しやすくなります。冬場には湿度が30%以下になる日もあり、肌の水分が蒸発しやすくなり、肌はカサカサになってかゆみを引き起こします。
乾燥肌は湿度と密接な係りを持っているので、肌に適した湿度を保つなど、日常の生活を見直すことで肌を乾燥から守りましょう。
暖房に気をつけ、適正湿度を心がける
肌にとって適した湿度は60~65%。暖房のかけ過ぎは室内の湿度を減少させるので気をつけましょう。以前は暖房による冬場の室内が乾燥肌の要因でしたが、現在は夏場の冷房のかけ過ぎも室内の空気を乾燥させるため、乾燥肌の要因になっています。
熱いお風呂の長時間入浴は避ける
熱いお湯の長風呂は要注意。表皮の皮脂が溶かされ、角質層の水分量が減少するため、乾燥肌になりやすくなります。お風呂の温度は40℃以下が理想です。入浴後はクリームなど保湿剤を塗り、肌の乾燥を防ぎましょう。
遅くとも夜12時前には寝る
肌のターンオーバー(肌が生まれ変わること)はPM10:00~AM2:00が最も活発になるといわれています。成長ホルモンは寝てから30分後に分泌が始まり、その後約1時間が最も分泌が盛んになるので、遅くとも12時までには寝るようにしましょう。
適度な運動をする
適度な運動をして汗をかくと、肌に適度な水分が補われ、皮脂膜も正常に作られます。血流もよくなり、栄養成分が肌に行き渡り、角質層の正常な形成に働きます。
過剰な洗顔や化粧品に気をつける
洗浄力の強い洗浄剤で洗顔し過ぎると、肌から皮脂膜が奪い取られ、乾燥肌の原因になるので気をつけましょう。化粧品も同様で、合成界面活性剤の使用は極力避けましょう。
乾燥肌を予防する栄養成分を十分取る
セラミドは皮膚角質層に存在する脂質で、幾重にも重なって構成されている角質層の隙間を隙間なく埋めて角質層の水分を保持し、皮脂膜の形成にも関係しています。セラミドは30代を過ぎる頃から減少していくので、セラミドを含んだ食べ物を積極的に取り、肌の乾燥を予防しましょう。
乾燥肌を予防するレシピ
健康な肌は潤っている状態。いつも肌に潤いを持たせるためには、肌を潤す食べ物を積極的に取ることが大切です。特に空気が乾燥する季節には、バリア機能を持つ角質層の水分保持に気をつけましょう。
肌を潤すビタミンA(レチノールとβ‐カロテン)、角質層の水分を守るセラミド、肌のかさつきを予防する良質な脂質を中心に、アミノ酸バランスに優れたたんぱく質をしっかり取り、肌を乾燥から守りましょう。