紫外線

紫外線とは

紫外線はUV(Ultra Violet ray)と呼ばれ、地表に届く光の中でもっとも波長が短いものをいいます。目に見えない太陽光の一部で、季節・時刻・天候などでその量は変化します。

紫外線の種類

紫外線は波長の長さによって、A・B・Cの3種類に分けられ、それぞれUV-A、UV-B、UV-Cと呼ばれています。
UV-C=オゾンなどの大気層で吸収されるため地表には届かない紫外線
UV-B=ほとんどは大気層で吸収されるが、一部が地表に到達する。オゾン層の変化に影響される。日焼けを起こし、皮膚や眼に有害に働く
UV-A=大気層ではほとんど吸収されず、地表に到達する。UV-Bほど有害ではないが、長時間浴びると健康に影響が出ることもある。

オゾン層の変化に影響されるUV-B

地球の周りはオゾン層で取り囲まれています。このオゾン層があるため、太陽からの紫外線は地球の外側に反射され、私たち地球上の動・植物は安全に生きていくことができています。しかし、近年の大量のフロンガスによってこのオゾン層に穴が開き(オゾンホールと呼ばれている)、紫外線は反射されず、地表に到達するような現象が発生しています。オゾン層の破壊により、特にUV-Bの増加が見られ、皮膚がんや白内障多発などを引き起こし、その危険性が問題視されています。

紫外線の反射率

紫外線は地表面の種類によって反射率が異なってくるので気をつけましょう。反射率は新雪=80%、砂丘=10~25%、コンクリート・アスファルト=10%、水面=10~20%、草地・芝・土=10%以下といわれています。スキーシーズンの冬場は紫外線が弱まる時期ですが、反射率が高いため紫外線被曝が高く、注意が必要です。

紫外線の強さ

太陽が真上に来るほど強い紫外線が地表に届きます。一日のうちでは正午をはさむ数時間、一年の内では春から初秋にかけての時期で、日本では6~8月が最も強くなります。また、標高が高いと空気が薄いため、紫外線は強くなり、砂丘も反射が強いため紫外線が強くなります。

紫外線と活性酸素

紫外線を無防備に浴びると活性酸素が発生する

紫外線を無防備に浴び続けていると、体内に「活性酸素」という不安定で攻撃的な酸素が発生します。活性酸素は体を酸化(=サビること)させ、老化や様々な病気を発生させる原因となります。シミやシワを作り、白内障、がん、糖尿病や脂質異常などの生活習慣病を発生させ、病気の原因の約90%が活性酸素によるといわれています。

活性酸素は細胞を酸化させていく…

空気中には約21%の酸素が含まれ、私たち生き物はその酸素を吸って生きています。酸素は生物とって生きていく上で必要不可欠のものですが、その酸素の一部が体内で活性酸素という有害な物質に変化し、細胞を酸化させて体を老化させていきます。元気で若々しく生きていくためには活性酸素の増加を食い止めることが大切なのですが、紫外線を浴び過ぎてしまうと、活性酸素が増加するのです。
活性酸素増加の原因は紫外線だけではありません。「喫煙」「排気ガス」「電磁波」「放射線」「環境ホルモン」「農薬」「殺虫剤」なども活性酸素発生の原因となり、偏った栄養やストレスも活性酸素の増加原因と考えられています。

生まれながらに体内に備わっている「酸化防止システム」

しかし、生物とはよくできたもので、私たちは体内に生まれながらに「酸化防止システム」を持っています。その酸化防止システムが、活性酸素が発生したらすぐに消し、体内を酸化から守り、細胞を若さや病気から守っています。しかし、このシステムにも限界があります。40歳を過ぎる頃からシステムが衰え、発生した活性酸素を消すことが徐々にできなくなり、体は老化し様々な病気を引き起こしていきます。

抗酸化力のある食べ物を食べる

体内に備わっていた「酸化防止システム」が衰えてきたら、体内で抗酸化物質がたくさん作られるような食べ物を取り入れ、活性酸素を発生させない生活をすることが大切です。抗酸化作用のある食べ物を積極的に取り、紫外線を始めとする活性酸素増加原因となるものを、生活に取り入れないよう努力しましょう。

活性酸素をやっつける抗酸化力のある成分

年齢と共に体内の酸化防止システムは低下していきますが、活性酸素はお構いなしに発生します。活性酸素を発生させない生活は、体内で抗酸化物質をたくさん作る食生活をすることです。抗酸化作用の高い栄養素を積極的に取り入れ、体の中の若さを維持しましょう。

ビタミンE

「若返りのビタミン」と呼ばれるビタミンEは、体内で脂肪の酸化を予防し血管を丈夫にする働きがある。活性酸素を抑え込む働きを持ち、活性酸素に与えた電子をビタミンCによって再び手に入れることができるため、抗酸化力を高めるにはビタミンCが欠かせない。

ビタミンEを多く含む食品:
アーモンド・落花生・くるみ・松の実などのナッツ類、ウナギ、タラコ、ごま油、アボカド、大豆、カツオなど

ビタミンC

活性酸素を抑え、抗酸化力がある。水溶性なので特に血液中など水分の多い場所で抗酸化力を発揮する。毛細血管や骨、軟骨や結合組織を丈夫にする。

ビタミンCを多く含む食品:
グレープフルーツ・いちご・レモン・キウイ・オレンジなどの果物類、キャベツ・パセリ・ピーマン・ブロッコリー・ほうれん草などの野菜類

ビタミンA・カロテン

眼に栄養を与え、皮膚や粘膜を丈夫にする働きを持ち、免疫防御系に作用する。カロテンは抗酸化性が強く、発がん抑制作用に優れている。

ビタミンA・カロテンを多く含む食品:
ウナギ、卵黄、レバー、にんじん、かぼちゃ、春菊、にら、青しそなど

セレン

抗酸化力のあるミネラルで、ビタミンEの働きを助ける(1957年に判明)。細胞の酸化を予防する働きを持つが、サプリメントなどの過剰摂取に注意。魚介類や穀類に含まれているので、きちんとした食生活をしていれば不足することはない。

セレンを多く含む食品:
ワカサギ・イワシ・ホタテなどの魚介類、玉ねぎ、ねぎ、穀類など

ビタミンB2

「発育のビタミン」と呼ばれ、脂肪の代謝を助け、成長を促す。ビタミンEの抗酸化作用を高める働きをする。

ビタミンB2を多く含む食品:
レバー、牛乳、卵、チーズ、納豆など

ポリフェノール

ほとんどの植物に含まれ、光合成によってできた色素や苦み成分で、約5千種以上あるといわれている。種類ごとにそれぞれ効能を持っているが、共通して持っているのは強い抗酸化作用で、活性酸素を除去する。

ポリフェノールを多く含む食品:
赤ワイン(プロアントシアニジン)、ウコン(クルクミン)、大豆(イソフラボン)、コーヒー(クロロゲン酸)、玉ねぎ(ケルセチン)、お茶(カテキン)、そば(ルチン)など

紫外線の活性酸素から肌を守るレシピ

紫外線を浴び続けていると、シミやシワの原因となる、白内障や発がんを引き起こすなどの健康被害の引き金になるといわれています。その理由として、紫外線が体内の酸素を「活性酸素」という不安定で攻撃的な酸素に変身させてしまうことが大きな要因となっています。
体内で発生した活性酸素は、「細胞を酸化」させていきます。酸化とは「錆び」のことで、細胞が錆びていけば、シミやシワが発生するのは当然のこと。これを予防するには活性酸素を発生させない生活をすることと同時に、体内で活性酸素発生を予防する抗酸化力のある物質をたくさん取るような食生活をすることです。
抗酸化活性作用の成分には、ビタミンE、ビタミンC、カロテン、ビタミンB2などのビタミン類や、セレンやポリフェノールなどがあります。
紫外線を浴びやすいこれからの季節には、抗酸化力の高い食べ物を積極的に取り、活性酸素をやっつけて肌や眼を守りましょう。

ピーマン・大豆・ミニトマトの味噌ナッツ漬け

ピーマン・大豆・ミニトマトの味噌ナッツ漬け
ビタミンE含有の高いナッツ、β-カロテンやビタミンCが豊富なピーマン、リコピンやビタミンCを含むトマトは、抗酸化力に優れ、老化や生活習慣病の予防に効果の高い食べ合わせです。味噌をプラスして、抗酸化力をさらに高めます。美肌効果や免疫力強化に優れた一品です。

落花生と果物のサンドイッチ

落花生と果物のサンドイッチ
落花生はビタミンEが豊富な種実です。抗酸化力に優れ、体内の脂肪酸化を予防して若さ維持に働きます。落花生とビタミンCが豊富ないちご・キウイフルーツを一緒に取ると、活性酸素抑制力が高まり、シミやシワを予防して美肌を作る食べ合わせになります。レタスはビタミンCの補給源になると同時に、サンドイッチの周りに添えることでパンの乾燥を防ぎます。

豆腐の味噌松の実焼き

豆腐の味噌松の実焼き
松の実・豆腐・味噌はビタミンEを豊富に含む食品で、体内での過酸化脂質増加を防ぎ、血液中の悪玉コレステロールを減らし、動脈硬化の予防に働きます。高い抗酸化力が活性酸素を抑えて細胞の老化を予防し、ハリのある肌を作ります。消化吸収にも優れているため、ダイエットにも有効な一品です。

揚げくるみのキムチ炊き込みごはん

揚げくるみのキムチ炊き込みごはん
ビタミンEが豊富で抗酸化力の高いくるみと、抗酸化力に優れたキムチを一緒に取ると、体内の抗酸化力が高まり活性酸素を抑える働きが高まる食べ合わせになります。しそのカロテンやビタミンCが活性酸素抑制に働き、キムチを加えることで高血圧や動脈硬化の予防にも有効です。

にんじん・チーズ・アーモンドのサラダ

にんじん・チーズ・アーモンドのサラダ
にんじんのβーカロテン、アーモンドのビタミンE、チーズのビタミンB1は、活性酸素発生を抑えて抗酸化力を高める食べ合わせです。ポリフェノールの豊富なレーズンをプラスして、抗酸化力をより一層高め、体の中から若さを維持します。

かぼちゃ・にんじん・にらの味噌煮

かぼちゃ・にんじん・にらの味噌煮
かぼちゃ・にんじん・にらはβ‐カロテン含有の高い野菜です。β‐カロテンは高い抗酸化力を持ち、特にかぼちゃとにんじんは肺がん予防効果の高い野菜として有名です。良質なたんぱく質を含み消化吸収に優れた味噌は、含有するビタミンE・レシチン・イソフラボンなどが抗酸化力を発揮して細胞の酸化を予防し、老化防止に働きます。

アボカドのタコスライス

アボカドのタコスライス
アボカド・鶏肉・レタスは、抗酸化力に優れ、活性酸素を抑えて美肌を作る食べ合わせです。アボカドに豊富に含まれるビタミンEは活性酸素を抑え込む働きを持っており、レタスのビタミンCを一緒に取ることで、その働きはより一層高まります。チーズのビタミンB2をプラスして、抗酸化力を高めます。

アボカドティップ

アボカドティップ
アボカド・アーモンド・タラコは、ビタミンEを豊富に含んでいる食材です。ビタミンEは体内の過酸化脂質を抑えて細胞の老化防止に働き、シミやシワ・動脈硬化などを防ぐ働きに優れています。たまねぎとトマトを加えて抗酸化力を高め、ビタミンCが豊富な野菜を一緒に食べ合わせると、活性酸素の発生を抑えて老化防止に働きます。

アボカド・グレープフルーツ・サーモンの生春巻

アボカド・グレープフルーツ・サーモンの生春巻
アボカドとグレープフルーツは、アボカドのビタミンEの働きをグレープフルーツのビタミンCが高め、高い抗酸化力が活性酸素を抑えて若さ維持に働く食べ合わせになります。サーモンのアスタキサンチンと、ブロッコリースプラウトのスルフォラファンをプラスして、抗酸化力をより一層高めます。若々しい肌を作り、抗がん作用も期待できます。

ウナギとほうれん草のカレー

ウナギとほうれん草のカレー
カレー粉の主成分であるウコンのクルクミンは、代表的なポリフェノールで優れた抗酸化力を持っています。にんにく・しょうが・たまねぎを加えると、たまねぎのケルセチン・しょうがのジンゲロン・にんにくのアリシンなどの高い抗酸化力が、免疫力を強化して抗がん作用を高めます。ほうれん草のビタミンCがウナギのビタミンE効力を高め、若さ維持に働きます。

ウナギとパセリのトマトスパゲッティ

ウナギとパセリのトマトスパゲッティ
ウナギ・パセリ・トマト・にんにくで作るスパゲッティは、体内で抗酸化物質がたくさん作られる食べ合わせです。体内に発生した活性酸素をやっつけ、シミやシワを予防して若さを維持し、がん抑制効力にも優れています。パセリは最後に加えて加熱を抑え、ビタミンCを有効に取り入れましょう。

ウナギのカレー焼きと細切りキャベツのどんぶり

ウナギのカレー焼きと細切りキャベツのどんぶり
ウナギには抗酸化力の高いビタミンE・A・セレンが豊富に含まれています。ウナギとカレー粉を一緒に取るとカレー粉のポリフェノールがプラスされ、抗酸化力が高まり活性酸素予防に働く食べ合わせになります。キャベツのビタミンCがウナギのビタミンEの効力を強化し、免疫力強化や若さ維持に働きます。

活性酸素予防に効く飲み物

オゾン層の破壊による紫外線被害、排気ガスや電磁波、環境ホルモンなど、現代人は体内に活性酸素を発生させやすい環境で暮らしています。活性酸素はシミやシワなどの美容を始め、がん・動脈硬化・糖尿病などの生活習慣病の要因となる危険な酸素です。体内で発生した活性酸素を、抗酸化力の高い食べ物で消し去りましょう。
抗酸化力の高い食べ物で作るジュースは、活性酸素を除去する手軽な予防食。体内酸化を防ぎ、若さ維持のために、抗酸化力の高いジュースを作り、飲む習慣をつけましょう。

にんじんとトマトのパセリジュース

にんじんとトマトのパセリジュース
にんじんのβ‐カロテン、トマトのリコピン、パセリのビタミンCで作るジュースは、抗酸化力に優れ、美肌・免疫力・がん抑制効果に優れています。にんじんに含まれるビタミンC破壊酵素は加熱すると失活するので、にんじんはさっと加熱して調理しましょう。トマトやパセリのビタミンCは損なわずに摂取できます。

グレープフルーツとキャベツのきな粉ジュース

グレープフルーツとキャベツのきな粉ジュース
グレープフルーツ・キャベツ・きな粉で作るジュースは、グレープフルーツとキャベツのビタミンCと、きな粉のビタミンEが活性酸素を抑さえ込み、高い抗酸化力を発揮します。食物繊維も豊富に取れ、コレステロール値低下や整腸作用に優れています。

アボカドのコーヒーミルク

アボカドのコーヒーミルク
アボカドは「森のミルク」と呼ばれるように良質なたんぱく質や不飽和脂肪酸を豊富に含む果物です。アボカド・コーヒー・牛乳で作るジュースは、牛乳のビタミンB2が肌に潤いを与え、コーヒーのクロロゲン酸が抗酸化力を高め、体力強化・老化防止・免疫力アップの食べ合わせになります。