豚の角煮

豚の角煮

角煮はもともと中国料理で、宋代の有名な詩人、蘇東波(そとうば)が好んだとされているため「東波肉(トンポウロウ)」とも呼ばれています。長崎の家庭に馴染んだ料理のため、家庭ごとに「我が家流」があり、おふくろの味として親しまれています。主客ともに同じ食卓を囲む「卓袱料理」の中心になる料理で、箸で切れるほどのやわらかさになるまでコトコト煮るのがポイントです。

トロロ飯

トロロ飯

麦飯に山の芋のすりおろしをかけたトロロ飯は、広重の「東海道五十三次」や、芭蕉の句などにも登場する東海道丸子宿の郷土料理です。粘りの強い山の芋をのばすだし汁は、熱すぎると山の芋の消化酵素の働きが弱まり、低すぎる酵素が働かず粘りが出にくいので、温度に気をつけることが大切です。40~50℃がベスト。消化酵素は細胞をできるだけ細かくすると働きがよくなるので、トロロはしっかりすりおろします。

おきりこみ(御切り込み)

おきりこみ(御切り込み)

手打ちのぶつ切りうどんを直接煮汁で煮る料理がおきりこみで、麺を茹でる時間も惜しい農家で作り始めたと伝えられている群馬県を代表する郷土料理です。特に身体を心から温めてくれるこの郷土料理は、寒い冬に欠かすことができないお袋の味と言われ、うどんが手打ちであった群馬県では、うどんが上手に打てれば一人前の嫁といわれたと伝えられています。 おきりこみの麺には塩を入れないで作り、煮込まれる麺から出るトロミがおきりこみ独特の味です。切り込み、おっきりこみなどとも呼ばれています

煮ごめ汁

煮ごめ汁

煮込みがなまって「煮ごめ」と呼ばれる実だくさんの汁物です。材料はどれも小豆よりも少し大きめのサイコロ状に切り、小豆と野菜で作る精進の汁物です。広島県の真言信徒は親鸞聖人の命日の前夜から三日間、煮ごめ汁を食べて寺参りをするといわれています。同様の料理は群馬県にもあり、正月には切り餅を加えることもあります。

ずんだばっと

ずんだばっと

「ずんだ」は茹でた枝豆をすり鉢でつぶしたもので、「じんだ」「じんだん」などと呼ぶ地方もあります。「はっと」は小麦粉で作る薄くのばしたすいとんのようなもので、米の代用品として古くから親しまれている食品です。ずんだをはっとでからめたものが「ずんだばっと」で、餅でからめたものが「ずんだ餅」です。

ミヌダル(豚肉の黒ごま蒸し)

ミヌダル(豚肉の黒ごま蒸し)

沖縄県の郷土料理で、首里独特の御殿料理だったといわれています。黒ごまを使っているので出来上がりが真っ黒になるため、「黒肉(くろじし)」とも呼ばれています。沖縄県では豚肉が多種多様な料理に使われ、このミヌダルは前菜や酒の肴に供されます。

かぼちゃ汁粉

かぼちゃ汁粉

北海道帯広の郷土料理で、昔、もち米の取れなかったこの地域では、冬至に餅の代わりにかぼちゃを使ってお汁粉を作っていました。甘みのあるお汁粉は寒い時期のごちそうで、体を温め体調を整えて体力を強化するお汁粉でした。茹でたかぼちゃをそのまま入れることもあったと伝えられています。

ヒジキ・小豆・れんこんの煮物

ヒジキ・小豆・れんこんの煮物

ヒジキ・小豆・れんこんは、豊富に含まれる食物繊維がコレステロール吸収を妨げるため、血液中の脂質濃度低下に有効な食べ合わせです。小豆のビタミンB1は糖質を分解し中性脂肪低下に働き、サポニンは血液中の脂肪を洗い流して血流をスムーズにします。糖尿病や疲労回復も期待できます。

じゃがいも皮の蒸しぎょうざ

じゃがいも皮の蒸しぎょうざ

じゃがいもはビタミン類を豊富に含み、特に含有量が高いビタミンCは加熱に強い優れものです。片栗粉を混ぜて蒸すと喉ごしがよくなり、喉が痛い時でも食べることができます。豚ひき肉のビタミンB1が疲れや食欲不振を予防し、ビタミンAが粘膜強化に働きます。

ウナギ入り小豆粥

ウナギ入り小豆粥

小豆はビタミンB1・カリウム・食物繊維を、ウナギはビタミンA・B1・Eを豊富に含んでいる食材です。ともに含まれるビタミンB1が糖質を分解してエネルギーに変えるため、小豆とウナギを一緒に取ると優れた疲労回復力を発揮する食べ合わせになります。良質な糖質・たんぱく質・脂質も豊富なため、体力が強化され、熱中症の予防にも有効です。