海苔の佃煮

海苔の佃煮

「海の緑黄色野菜」と呼ばれる海苔で作る佃煮は、濃口しょう油を生み出した江戸生まれの佃煮です。海苔にはミネラル・ビタミン・食物繊維が豊富に含まれ、体のもとを作るたんぱく質は大豆に匹敵する量を含有しています。さらに豊富に含まれる食物繊維が便通を整え、コレステロールを除去して動脈硬化の予防に働きます。また食物繊維は発がん物質を排泄し、体内でビタミンAに変わるβ―カロテンの酸化予防の働きと一緒に、がんを予防する効果が期待できます。低カロリーのためダイエット食品として肥満予防にも有効です。

漬けすし

漬けすし

しょう油には防腐効果や殺菌作用があり、生魚を漬けると魚の持つ生臭さが取れ、味もアップして美味になります。酒・しょうが・わさびをプラスすることで、抗酸化力がさらに高まり、細胞の酸化が予防され、抗がん作用が高まります。すし飯の酢が保存性をより高め、魚や米の持つ栄養成分が体内に吸収されやすくなります。良質な脂質を含む魚は、生食することで有効成分を無駄なく取り入れることができます。

基本のみぞれ酢

基本のみぞれ酢

大根おろしと酢で作る「みぞれ酢」は、大根に含まれるビタミンCや消化酵素が無駄なく取り入れることができる合わせ酢です。大根が昔から消化がよいといわれるのは、でんぷんを分解するジアスターゼやアミラーゼ、たんぱく質を分解するセテラーゼなどの消化酵素を多量に含んでいるからです。酵素類には解毒作用もあり、食物繊維のリグニンにはがん細胞の発生を抑制する働きもあります。カキ、イクラ、なめこ、柿などの食材にもよく合う合わせ酢です。

梅酢味噌

梅酢味噌

梅酢は梅の実を塩漬けにして押しをかけた後に、実から浸み出した酸味の強い液で、古くから調味料や隠し味として利用されてきました。味噌とグラニュー糖で作る梅酢味噌は、梅の塩漬け・押しはかけられていませんが、砂糖の保水性により、梅からエキスが染み出て梅酢が誕生します。梅酢にはポリフェノールやクエン酸などの梅の薬効成分が溶け出ており、味噌の薬効成分と一緒に高い抗酸化力を発揮して活性酸素除去に働きます。カルシウムの豊富な食材と一緒に取ると、脂肪の蓄積が抑えられ肥満予防に有効な食べ合わせになります。刺身・野菜・肉の万能味噌として、またドレッシングや合わせ酢など、幅広く利用できます。漬け込んだ梅はエキス類が抜け出ているため、食用には不向きです。

漬けて1日目
漬けて1日目
漬けて1週間目
漬けて1週間目

アジと大根・きゅうりのぬた

アジと大根・きゅうりのぬた

アジはたんぱく質、脂質、ビタミンB群、うまみ成分のグリシンやグルタミン酸などを豊富に含んでいる青魚です。脂質は特に血中コレステロールを下げるEPA(イコサペンタエン酸)が多く含まれ、新鮮なほど酸化されずに効果を発揮します。味噌とアジを一緒に取ると、抗酸化力が高まり、がんや血栓予防に有効な食べ合わせになります。きゅうりの苦み成分であるククルビタシンや大根のリグニンが、がん細胞抑制に働き、抗がん作用をさらに高めます。味噌には魚の生臭さを消す効果もあり、アジの代わりにイワシやサバでも美味しくできます。

こんにゃくと大根のねぎ味噌

こんにゃくと大根のねぎ味噌

こんにゃくはグルコマンナンという水溶性の食物繊維を多く含み、腸内の老廃物・血液中や肝臓内のコレステロールの上昇を抑える働きを持っています。大根はがん細胞の発生を抑制するリグニンと呼ばれる食物繊維を多く含み、加熱すると胃腸を温めて消化吸収が高まります。味噌に含まれる多種多様の微生物が体内で免疫力強化に働き、こんにゃくや大根と一緒に取ると、抗酸化力が高まり健康体を作る食べ合わせになります。長ねぎのビタミンAとCがプラスされることで、抗がん作用がさらに高まります。

がね

がね

出来上がりの形がカニに似ていることから「がね」と呼ばれるようになった都城地方の代表的な郷土料理です。精進料理として不祝儀の席に必ず登場し、お惣菜としても売られているポピュラーな料理です。さつまいもやごぼう、にんじんの他、その時どきの旬の野菜が使われ、お袋の味として日常の食卓に登場する揚げ物です。

五平餅

五平餅

五平餅は長野県南部の木曾や下伊那地方に伝わる名物の郷土料理で、今では妻篭宿などで一年中売られていますが、新米やくるみの採れる頃がもっとも美味しいといわれています。五平というきこりが弁当に持参した味噌をつけた平らな握り飯を、焼いて食べていたことから五平餅と呼ばれるようになったと伝えられています。太くて長い竹の串に刺すものと、薄い板や割り箸に貼り付ける五平餅があり、たれも味噌、しょう油、両方を混ぜるなどの秘伝があります。

おきりこみ(御切り込み)

おきりこみ(御切り込み)

手打ちのぶつ切りうどんを直接煮汁で煮る料理がおきりこみで、麺を茹でる時間も惜しい農家で作り始めたと伝えられている群馬県を代表する郷土料理です。特に身体を心から温めてくれるこの郷土料理は、寒い冬に欠かすことができないお袋の味と言われ、うどんが手打ちであった群馬県では、うどんが上手に打てれば一人前の嫁といわれたと伝えられています。 おきりこみの麺には塩を入れないで作り、煮込まれる麺から出るトロミがおきりこみ独特の味です。切り込み、おっきりこみなどとも呼ばれています

がめ煮

がめ煮

鶏肉と野菜を炒めてから煮詰める「がめ煮」は福岡県の郷土料理です。筑前炊き、筑前煮とも呼ばれ、1592年(文禄1年)、朝鮮出兵の豊臣秀吉軍が博多に幕営した折、付近の入り江に多いスッポンを捕まえて野菜と一緒に煮て食べたのが始まりという説があるように、古くは鶏肉ではなくスッポンを使って作られたといわれています。名の由来として、①この地方ではスッポンを「がめ」と呼ぶ ②博多弁の「かき集める」を「がめ繰り込む」というなど、諸説あります。春はたけのこ、夏はじゃがいも、冬は里芋やれんこんなど季節のものが使われます。