しもつかれ
栃木県人が郷土料理の代表に挙げる料理ですが、関東一円で作られ、「すみつかれ」「しみづかり」「すむつかり」「つむちかれ」など各地各様の呼び名を持っています。商家で初午か、二の午の日に屋敷内のお稲荷さんに赤飯と一緒に供え、食べると中風にかからないと言い伝えられています。鎌倉時代から作られている料理で、地域により調理法は異なりますが、正月の新巻き鮭の頭と節分で余った炒り大豆が主役で、「鬼おろし」という目の粗いおろしでおろした大根とにんじん、酒粕などを煮込んで作ります。名の由来として①大豆の表面のシワが赤ん坊のむずかる顔に似ている②下野の国の祝い料理「下野嘉例(しもつかれい)」が転訛した③酢の酸味が強烈でむつかる などといわれています。
けの汁
青森県の郷土料理で、「きやの汁」とも呼ばれています。小正月(1月16日)を祝う七草粥のようなもので、米が貴重だった昔、山菜や野菜を細かく刻んで米に見立てたといわれています。小正月は「女正月」とも呼ばれるように、嫁いだ女性が実家で骨休めをする里帰りの日で、その際、残した家族が食べるものに困らないように大鍋いっぱいに「けの汁」を作ったといわれています。精進料理のひとつであったため、使われる食材は根菜、山菜、焼き豆腐、油揚げ、こんにゃくなどの精進物で、具材を弱火で煮込み味噌で調味し最後にずんだを加えて仕上げます。山の芋やいんげん豆を入れる地域もあり、おいしさのコツは大量に作ることで、何日も温めなおして食べます。