カニ

crab

解説

海で取れる海産と淡水で取れる淡水産の両方があり、日本近海には約1000種が生息しているといわれています。食用とされるのはタラバガニ、毛ガニ、ズワイガニ、花咲きガニ、沢ガニなど。『古事記』には応神天皇がカニに呼びかける歌が記されています。漢方では「補陰作用」といって老化を防ぎ筋肉や骨を丈夫にする働きがあるといわれています。

成分

たんぱく質が豊富で脂肪は少ない。独特のうまみはベタイン、グリシン、アルギニンなど。遊離アミノ酸のタウリンが豊富に含まれている。カリウム、カルシウム、鉄分、亜鉛などのミネラル類やビタミンB1、B2を含有。殻にキチン質を含む。

調理ポイント

カニの内臓には酸素が多く、酸素群が肉を融解するため細菌が付着しやすくなり腐敗が早い。しょうがなどの抗酸化の強いものと一緒に食べると食中毒を防げる。
加熱すると味がよくなる。
酢で食べると薬効が高まる。
タウリンは汁に溶けているので、かに缶は汁も使うとよい。
殻にはキチン質が含まれているので、から揚げなどで食べるとよい。

レシピ

カニと鮭のオイスタースープ

高たんぱくで低脂肪のカニ、良質なたんぱく質と脂質を持つ鮭に抗酸化力の高いしいたけを加えると、免疫力が高まり、滋養強壮に優れた食べ合わせになります。カニのタウリンがコレステロールを下げ、鮭のEPA(イコサペンタエン酸)が血流をよくするため、動脈硬化や血栓予防に有効に働きます。春雨を加えて炭水化物を補います。

菜の花とカニの辛子和え

菜の花のほのかな苦みと辛子の辛みがマッチした一品です。ビタミン類やミネラル類が豊富な菜の花に、カニで良質なたんぱく質、松の実で不飽和脂肪酸を補い、栄養バランスを整えます。抗酸化力に優れた菜の花と松の実が、細胞を酸化から守り、抗がん作用に働きます。菜の花のβ‐カロテンは松の実の脂質によって吸収力が高められ、風邪の予防や美肌作りに有効に働きます。

カニ・しいたけ・セロリの薄焼き卵蒸し

カニは高たんぱくで低脂肪なダイエット食品です。コレステロールを下げるタウリンを豊富に含んでいるため、動脈硬化を防いで脳梗塞予防に働きます。セロリと食べ合わせると高血圧改善に、しいたけと食べ合わせるとがん予防に有効です。カニ詰を使う場合は、汁にタウリンが溶け出ているので汁ごと使うとよいでしょう。

カニあんかけ豆腐花(トウフファー)風

豆腐花は豆乳とにがりで作る中国のデザートです。ここでは絹ごし豆腐で代用し、ポン酢をかけていただきます。カニのタウリンはコレステロールを下げる働きがあり、しいたけのレンチシンと一緒に動脈硬化の予防に有効です。豆腐のサポニンやリノール酸にもコレステロールを下げる働きがあるため、血液をサラサラにして生活習慣病の予防に働きます。

カニの押しずし

脂質が少なく高たんぱくのカニは肥満を気にせずに食すことができる食材です。足の早いカニは食中毒を予防するためにもしょうがと組み合わせると効果的です。カニのタウリンと卵のビタミンAはともに視力の向上に有効で、暗視能力を高めます。卵に足りないビタミンCと食物繊維を海苔が補い、米の炭水化物がプラスされた栄養バランスに優れた一品です。

カニとブロッコリーのポテトサラダ

カニのたんぱく質・じゃがいもの炭水化物・マヨネーズの脂質を一緒に取ると、エネルギーが高まり体力がつく食べ合わせになります。ブロッコリーのβ‐カロテンはマヨネーズの脂質で吸収率が高まり、抗がん作用が高まり皮膚や粘膜を丈夫にします。カニが含有するタウリンは血中コレステロールを下げて動脈硬化を防ぐ働きがあり、ジャガイモのカリウムが体内の塩分を排出するので高血圧の予防に有効です。