小豆粥

15日は小正月とか女正月と呼ばれ、早朝に一家そろい、無病息災を願って小豆粥を食べます。早朝に食べることから「あかつき粥」、小豆の色合いから「紅調(うんじょう)粥」「さくら粥」とも呼ばれています。
小豆の赤い色には邪気を祓う力があると考えられ、小豆粥はもともとは五穀豊穣や子孫繁栄を祈った農耕神事として食べられていました。この日の小豆粥に入れる餅は11日の鏡開きをした餅で、固いものを食べると歯が丈夫になるという「歯固め」の風習の名残とされています。
塩味をつけないで食べるのが基本ですが、江戸時代には塩や砂糖で味をつけて食べていたことが文書に残っています。『守貞謾稿(もりさだまんこう)』という江戸時代の書には江戸では砂糖を入れ、京阪は塩を入れて食べていたと書かれています。
地域によっては、小豆粥の前に大根おろしをひとつまみ食べる習慣もあり、ススキの箸で食べる風習も残っています。
小豆はビタミンB群を豊富に含み、特にB1を多く含んでいるため疲労回復に優れ、食物繊維やサポニンが利尿作用やむくみを取る効能を持っています。この時期に多い風邪予防にも有効なお粥だったと考えられます。

小豆粥(福茶粥)

小豆粥(福茶粥)
小豆粥は疲労回復力や体内を解毒する働きに優れたお粥です。炭水化物含有の高い小豆を米と一緒に炊くと、双方のたんぱく質に含まれるアミノ酸のスコアが満点となり、力の出るエネルギー食となります。小豆粥は消化に優れ、利尿作用も高く、むくみを取り去り水分代謝をよくする働きを持っています。赤い色は水溶性の色素のアントシアニンで、強い抗酸化力を持ち老化防止に優れています。

ウナギ入り小豆粥

ウナギ入り小豆粥
小豆はビタミンB1・カリウム・食物繊維を、ウナギはビタミンA・B1・Eを豊富に含んでいる食材です。ともに含まれるビタミンB1が糖質を分解してエネルギーに変えるため、小豆とウナギを一緒に取ると優れた疲労回復力を発揮する食べ合わせになります。良質な糖質・たんぱく質・脂質も豊富なため、体力が強化され、熱中症の予防にも有効です。

冬瓜と小豆のはと麦入りお粥

冬瓜と小豆のはと麦入りお粥
冬瓜・小豆・はと麦は、利尿作用に優れ、腎機能低下によるむくみ予防に有効な食べ合わせです。小豆とはと麦は体内の新陳代謝を活発にして美肌を作り、豊富な食物繊維が腸の働きを整えてコレステロール値低下に働きます。

大麦入り小豆粥

大麦入り小豆粥
月の始めと半ばに小豆粥を食べる習慣は、小豆でたんぱく質やビタミン類を取り体調を整えた先人たちの食の知恵です。小豆粥に、たんぱく質・脂質・ミネラル類・ビタミン類を豊富に含んだ大麦をプラスして、滋養強壮を高めます。小豆と大麦に豊富に含まれる食物繊維が、コレステロール低下や便秘予防に働きます。

おおばこと小豆の梅干し粥

おおばこと小豆の梅干し粥
小豆はビタミンB1と食物繊維を豊富に含んでいる豆です。主成分は糖質とたんぱく質でカリウムとサポニン含有にも優れ、疲労回復や利尿作用を発揮します。小豆はおおばこのコリンや食物繊維の働きと一緒に高血圧や糖尿病予防に有効な食べ合わせになります。梅干しとおおばこの有機酸は胃の中で胃酸の役割を果たして食欲を増進させ、胃腸の働きを整えます。豆と米を一緒に取るとアミノ酸バランスが満点の食べ合わせになります。