十八粥

この日は15日に作った小豆粥を取って置いたものに、餅花(小正月に小さく切った餅やだんごを木にさして飾ったもの)やだんごを入れて粥を作り、朝に食べます。だんごを入れるため「だんご粥」、15日の小豆粥を取り置き、温めて食べるので「あたため粥」とも呼ばれています。
十八粥を食べると蛇やムカデの害から逃れることができると伝えられ、また、果樹の豊作を願って木に傷をつけ、小豆粥を塗る地域もあります。
七草粥と小豆粥が松の内の行事に対し、18日は松が取れているため普段着で行われます。

十八粥(団子粥)

十八粥(団子粥)
15日に作った小豆粥を残しておき、再度餅を入れて食べるのが十八粥です。食材も作り方も小豆粥と一緒で、当然、効能も同様です。疲労回復、利尿作用、老化防止、抗酸化力に優れています。

小豆粥(福茶粥)

小豆粥(福茶粥)
小豆粥は疲労回復力や体内を解毒する働きに優れたお粥です。炭水化物含有の高い小豆を米と一緒に炊くと、双方のたんぱく質に含まれるアミノ酸のスコアが満点となり、力の出るエネルギー食となります。小豆粥は消化に優れ、利尿作用も高く、むくみを取り去り水分代謝をよくする働きを持っています。赤い色は水溶性の色素のアントシアニンで、強い抗酸化力を持ち老化防止に優れています。

青菜粥

青菜粥
春菊、ほうれん草、かぶの葉などの青菜は、β‐カロテンやビタミンC、食物繊維などを豊富に含む緑黄色野菜です。春菊とかぶの葉は胃腸を丈夫にする働きを持ち、ほうれん草は鉄分や葉酸などの増血作用の高い成分を多く含んでいます。栄養価の高い青菜のお粥は、食欲不振時のエネルギー源として最適です。

黒ごま粥

黒ごま粥
この日に食べる「尾花粥」や「黒ごま粥」は、暑さ疲れの妙薬として、室町時代から続く風習といわれています。ここでは黒ごまをたっぷり使った「黒ごま粥」を作ってみましょう。不飽和脂肪酸やビタミンEが豊富なごまは、常食すると血管がしなやかになり、細胞の老化を遅らせることができるため、古来より不老長寿の妙薬といわれています。ごまは外皮がかたいので、消化をよくするためにも、香ばしく煎り、しっかりすることが大切です。黒ごま粥は味をつけずに炊き、味噌を添えていただきます。消化吸収の高い発酵食品の味噌を添えることで、老化防止がさらに高まります。

臘八粥(ろうはちがゆ)温糟粥(うんぞうがゆ)

臘八粥(ろうはちがゆ)温糟粥(うんぞうがゆ)
悟りを開いた釈迦が、その過酷な修業からの体力回復に口にしたのが粥であるという言い伝えにより、この日には滋養に溢れたお粥を食べます。米にさまざまな具材を入れて作りますが、具材は時代と共に変化し、それぞれの禅家に備えられていた具材で作られました。ここでは米・粟・黍・小豆・串柿(干し柿)・栗・青葉を入れ、味噌と酒かすを加えて作りましょう。体を温め、消化吸収に優れた甘みのあるお粥です。

大麦入り小豆粥

大麦入り小豆粥
月の始めと半ばに小豆粥を食べる習慣は、小豆でたんぱく質やビタミン類を取り体調を整えた先人たちの食の知恵です。小豆粥に、たんぱく質・脂質・ミネラル類・ビタミン類を豊富に含んだ大麦をプラスして、滋養強壮を高めます。小豆と大麦に豊富に含まれる食物繊維が、コレステロール低下や便秘予防に働きます。

冬瓜と小豆のはと麦入りお粥

冬瓜と小豆のはと麦入りお粥
冬瓜・小豆・はと麦は、利尿作用に優れ、腎機能低下によるむくみ予防に有効な食べ合わせです。小豆とはと麦は体内の新陳代謝を活発にして美肌を作り、豊富な食物繊維が腸の働きを整えてコレステロール値低下に働きます。