麦飯にトロロ汁をかけて食べる日で、西日本に多い行事です。「麦の正月」とも呼ばれています。麦は五穀のひとつで、米に次ぐ重要な主食となるもの。米以外の作物の豊穣を祈願する意味合いも含んでいたといわれています。
また、正月料理を残さずにキレイに食べる日でもあり、「骨の正月」「骨くずし」「かしら正月」などとも呼ばれています。関西ではブリの頭や骨を、大根・大豆・昆布・ごぼう・酒かすなどと一緒に煮込んで食べます。
15日を「女正月」と呼ぶことから、1日は「男正月」、20日は「奴正月」「こじき正月」などとも呼ばれています。この日を境にハレの日気分は終わりということで、お供えも飾りも豪華なものから質素なものに変わるため、このような呼び名で呼ばれています。
トロロとはすりおろした状態でネバリのある食べ物の総称ですが、一般的には強い粘性を持つすりおろしたやまのいもを指す言葉として使われています。でんぷん分解酵素のアミラーゼを豊富に含むやまのいもと、ビタミンやミネラル含有が高い麦飯を一緒に取ると、サラッとした食感と胃もたれしない消化のよさが特徴の滋養に溢れた食べ合わせになります。消化吸収や整腸作用に優れた味噌をプラスすることで体力が強化され、特に体力の落ちた時におススメです。
春菊は常食すると胃腸が丈夫になり、豊富に含まれるβ‐カロテンや薬効は加熱することで含有量が高まります。長いもが含有するコンドロイチンが潤滑油の働きをして軟骨の弾力を維持し、味噌の不飽和脂肪酸がその働きをさらに高めます。
モロヘイヤとマグロは鉄分とビタミンB1を豊富に含み、貧血予防や疲労回復に有効な食べ合わせです。モロヘイヤのネバリ成分にはコレステロール除去の働きがあり、マグロのEPAと一緒に脂質異常や動脈硬化の予防に働きます。マグロの脂質DHAは記憶力や集中力を高めます。
やまのいもはでんぷんを分解する消化酵素を多量に含んでいるため、胃腸が弱っている時でも安心して食べることができる食材です。ヌメリ成分は、たんぱく質の吸収を促進する働きに優れています。ごまに豊富に含まれるオレイン酸やリノール酸が血中コレステロール値の低下に働き、やまのいもと一緒に取ると動脈硬化や高血圧などの生活習慣病の予防が期待できます。ビタミンB群が豊富に取れる食べ合わせです。
発酵食品である味噌は、熟成の過程で原料である大豆にはほとんど含まれていないビタミン類が生成され、新陳代謝を活発にして健康体を作ります。消化酵素ジアスターゼや活性酸素解毒に働くカタラーゼなどを含むやまのいもと一緒に取ると、より滋養に優れ、老化や糖尿病の予防が高まる食べ合わせになります。