肉やにんにく、季節の野菜で作る味噌仕立ての僧兵鍋は、伝教大師が建立したといわれる天台宗山岳寺の僧兵たちが力をつけるために食べたスタミナ食です。山岳寺は戦国時代に武家の侵略に対して戦った寺として有名で、一時は数百人の僧兵がいたといわれています。かつてはイノシシ・シカ・山鳥などの肉で鍋が作られていましたが、今では豚肉や鶏肉が使われています。味噌仕立ての鍋は、寒い時期には体の中から温まる栄養満点の鍋料理です。
秋田県雄勝町(現湯沢市)で、冬に町内で行われる内神様のお祭りや、観音祭りに作られる伝統的な郷土料理です。内神様のお祭りでは「梅なます」と一緒に、生ものが使われない観音祭りでは「神様へのおもてなし料理」として供される料理です。いもがらはさといもの葉柄を干したもので、「干しずいき」とも呼ばれています。特に冬の長い地方で多く生産され、雪深い季節の貴重な保存食品として利用されている食べ物です。