旧暦の6月16日は16個の餅あるいは菓子を神様に供え、後におろしてから家族揃って食べ、招福・厄除けを願う「嘉定喰い」の日です。「嘉定」とは「おめでたいしるし」の意味で、一家の無病息災が何よりの宝という意味合いが込められています。
カテゴリー: 行事食
日本には四季折々の年中行事があります。本来、年中行事は「神様を呼び、ご馳走を捧げる日」で、「ハレの日」とも呼ばれ、食卓には普段にはないご馳走が並ぶ日でした。
農耕民族であった日本人にとって季節の変化は稲作を中心とする農耕手順の目安になるもの。その目安となる日に行事を行い、収穫に感謝してきました。
また、季節の変わり目は体調を崩しやすく、そのため季節の変わり目に「ハレの日」というご馳走を食べる日を設け、体に栄養と休息を与えてきました。
行事食は体調を崩しやすい季節の変わり目を、賢く乗り切る「食の知恵」でもあったのです。
現代は飽食の時代と呼ばれるように、毎日が「ハレの日」のような食生活です。しかし、疾病が増え続けている現状を考えると、豊かな食は必ずしも健康を約束してはくれません。行事食は、自然の恵みに感謝しながら食生活を営んできた先人たちが生み出した食事。飽食を戒め、今一度その食の知恵を見直してみましょう。