灌仏会(かんぶつえ)花祭り
お釈迦様が生まれた日で、もともとはインドの仏事です。この仏事が日本の年中行事になったのは奈良時代で、最初に灌仏会が行われたのは606年(推古14年)、あるいは840年(承和7年)と伝えられています。538年に百済の聖明王(せいめいおう)から仏像と経典が贈られたのが日本への仏教伝来とされており(一部別の説もあり)、仏教とともに釈迦尊の誕生を祝う仏事が広まり、やがて寺院の年中行事になりました。釈迦尊の誕生時に花びらとともに、天の竜王が産湯代わりに「甘露の雨」を降らせという言い伝えに従い、花で飾った花御堂(はなみどう)に誕生仏を置き、その体に甘茶をかけて祝います。甘茶は霊水とされ、参拝者は誕生仏に甘茶を灌いでから持ち帰り、家族で飲むことで息災延命を祈願します。灌仏会は「仏生会(ぶっしょうえ)」、「降誕会(ごうたんえ)」、「花会式(はなえしき)」などたくさんの別名があり、日本では広く一般に「花祭り」と呼ばれていますが、甘茶を灌(そそ)ぐ行事からきているので「灌仏会」との呼び方が正式といわれています。釈迦尊が悟りを開いた12月8日は「成道会(じょうどうえ)」と呼ばれ、命日は「涅槃会(ねはんえ)」と呼ばれ、2月15日に行われます。