打ち豆汁

脂質異常や動脈硬化が期待できる
打ち豆汁
30
132
1.7
1人分

材料

打ち豆50g 
じゃがいも1個
しいたけ2個
芋がら1/2本
豆腐1/4丁
油揚げ1/2枚
だし汁5カップ
味噌60g
刻みねぎ適量

効能

脂質異常、動脈硬化、コレステロール低下、便秘

作り方

① じゃがいもは皮をむき、大き目の角切りにする。
② しいたけは石づきを取り、ひとつを四等分に切る。
③ 芋がらは水で戻し、食べやすい長さに切る。
④ 油揚げは熱湯を回しかけて油抜きし、短冊切りにする。
⑤ 鍋にだし汁、打ち豆、じゃがいも、芋がら、しいたけを入れ煮る。煮立ったら弱火で約10分煮る。
⑥ 豆腐、油揚げ、味噌を溶かし入れ、ひと煮立ちさせる。
⑦ 器に盛り、ねぎを飾る。

解説

打ち豆と野菜で作る「打ち豆汁」は、滋賀県の冬の郷土料理です。特に琵琶湖の湖北地方や伊香郡などの積雪地帯では寒い冬場に欠かせない汁物です。打ち豆を入れた汁ものは、打ち豆を多く使っている福井県などでも郷土料理になっており、古くから報恩講の行事食として振舞われています。栄養価の高い打ち豆は貴重な栄養源として積雪地帯の人々の健康を支える貴重な食品でした。

コメント

打ち豆は大豆をぬるま湯に浸した後、木槌などで平たく潰して乾燥させた大豆の保存食品です。大豆はたんぱく質と脂質を豊富に含み、脂質はコレステロール値を下げる働きのある不飽和脂肪酸のリノール酸です。酸化を防ぐビタミンEやサポニンや、記憶力を高めてコレステロールを洗い流すレシチンなども含まれているため、高脂質異常や動脈硬化が期待できます。豆腐や油揚げがその効能をさらに高め、野菜に含まれる豊富な食物繊維が腸内環境を整えて体内をスッキリさせます。

●「打ち豆」
打ち豆は大豆を2時間ほどぬるま湯に漬けた後、石臼などの上にのせて木槌で打って潰し乾燥させたものです。丸ごとの大豆を加熱して潰してあるので、栄養価も高く早く煮えるなど使い勝手に優れた食品です。地域によって使われ方は様々ですが、味噌汁・酢の物・煮物に入れたり、野菜や油揚げと一緒に炊き込みごはんなどに利用されています。本来は冬の保存食品であり、報温講などに使われていた食材で、福井県、滋賀県、福島県、山形県などでは古くから伝統的な食品として日常の食生活に用いられていました。打ち豆の原材料の大豆は「畑の肉」と呼ばれるように、肉や魚に劣らない良質のたんぱく質と脂質を豊富に含んでいます。たんぱく質はアミノ酸配合に優れ、脂質はコレステロール値を下げるリノール酸です。ビタミンB群、ビタミンE、食物繊維、カルシウム、レシチン、サポニンといった栄養成分を含んでおり、生活習慣病の予防に有効な食材です。
打ち豆汁

●「いもがら」
いもがらはさといもの葉柄(ようへい)を乾燥させたもので、「干しずいき」とも呼ばれています。冬の長い地域で多く生産される保存食品で、熱湯に10分ほど漬けて戻し、煮物・汁の実・五目飯などに利用します。赤柄の方がえぐみが少なく、えぐみを抜くには、唐辛子1~2本を入れた湯で茹でるとよいといわれています。脂肪をほとんど含まず、骨や歯を強化するカルシウム、血圧を下げるカリウム、腸内環境を整えコレステロール上昇を抑える食物繊維などを豊富に含んでいます。
打ち豆汁
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