ピクルス

ピクルスとは

ピクルスはヨーロッパを代表する漬物

ピクルスはザワークラウトと並ぶヨーロッパを代表する漬物です。ピクルスとは英語で「漬物」という意味で、ヨーロッパでは古代から野菜の保存法として塩漬け、酢漬け、発酵を利用した漬物が作られていました。ピクルスで使われる野菜はきゅうりがポピュラーですが、中世ヨーロッパではキャベツ、玉ねぎ、にんじん、にんにくなどの野菜も使われ、15世紀後半にアメリカ大陸からじゃがいも、いんげん豆、トマト、とうもろこしなどが伝わり、さまざまな種類のピクルスが作られるようになりました。
家庭で作られていた保存漬物だったピクルスですが、19世紀、ナポレオンの指示によりフランスで瓶詰や缶詰が考案され、それ以降、家庭の保存食品であったピクルスは、瓶詰として売られるようになりました。

1世紀には作られていた「きゅうりの塩漬け」

ピクルスで使われる代表的な野菜のきゅうりは、原産地のインドやチベットなどのヒマラヤ山麓から古代エジプトやメソポタミアへと伝わったと言われています。
広くきゅうりが食され、きゅうりで作るピクルスがいつ頃誕生したのかは定かではありませんが、1世紀の古代ローマの博物学者・大プリニウスが『博物誌』で、きゅうりについて「塩汁に使って保存する」と記載しています。このことから、この当時以前にすでに塩漬けきゅうりが作られていたことが考えられ、この塩漬けきゅうりが自然に乳酸発酵して「ピクルス誕生」につながったと推測されています。

二通りの作り方があるピクルス

ピクルスには「発酵させて作るもの」と「ピックル液という調味液に浸けこんで作るもの」の二通りの作り方があります。
乳酸発酵させて作るピクルスはヨーロッパタイプ、調味液に漬け込んで作るピクルスはアメリカタイプと分類されています。どちらも酸味が強く、さまざまな香辛料を使って作られるのが特徴です。ピクルス特有の酸味はパンやチーズとの相性がよく、肉が中心のヨーロッパの食生活で肉(あるいはハムやベーコンなどの加工食品)の味を引き立てる名脇役として、食生活に必ず登場する食品となっています。

発酵ピクルス

野菜を乳酸発酵させて、酸味と特有の風味をつけたのが発酵ピクルスです。乳酸発酵すると、乳酸菌が野菜の中の糖分を食べて乳酸や有機酸を生み出し、乳酸が野菜に酸味を、有機酸が香りや味をつけます。その結果、単に野菜を塩漬けや酢漬けにしたものや、ピックル液に漬け込んだ野菜とは少し違った味わいのピクルスとなります。乳酸発酵により誕生した深みのある味わいと同時に、微生物の働きが生み出すさまざまな効能を取り入れることができます。

酢漬けピクルス

ピックル液に漬け込んで作るピクルスは、ワインビネガーなどの酢に、塩や砂糖、ディルやローリエなどのハーブ、こしょう、にんにくなどを混ぜて作った調味液につけて作るピクルスです。調味液に漬ける前にまず野菜を塩漬けし、それから調味液で本漬け。約4日間でできるため、発酵ピクルスよりも手軽に作れることが人気で、広く家庭に広まっていきました。酢はそれ自体が発酵食品であり、酢を使用することで保存性が高まると同時に、材料の栄養分が体内に吸収されやすくなるなどのプラス面を持っています。

ピクルスの種類

ピクルスの種類として、ディルピクルス、スイートピクルス、ピカリリなどがあります。ディルピクルスはハーブのディルを使った古くから伝わる甘みのないピクルスです。夏場に作られるディルピクルスは、かつては野菜の不足する冬場の貴重な栄養源としてどこの家庭でも作られていたもので、今なお、ヨーロッパの夏の風物詩ともなっています。
スイートピクルスは原料を甘酢液に漬けたもので、ピカリリは数種類の刻んだ野菜を酢・マスタード・香辛料の漬け汁に漬け込んで作られ、起源は東インドで、インディアンピクルスとも呼ばれています。

日本のきゅうりとは違うヨーロッパのきゅうり

ピクルス

ピクルスに使用されるきゅうりですが、ヨーロッパのきゅうりは日本の種類と異なり、小さくて寸詰まり、「ピックル型」きゅうりと呼ばれる品種の物です。また、ガーキンと呼ばれるきゅうりに近い野菜でピクルスが作られることも多くあります。これらは日本では入手が困難なので、日本できゅうりのピクルスを作る時には小型のきゅうりを使うとよいでしょう。

ピクルスに含まれる主な成分

ピクルス(Pickles)は英語で漬物のことです。きゅうりがポピュラーですが、玉ねぎ、にんじん、カリフラワー、ピーマン、オリーブ、ビーツなど好みでいろいろな野菜で作ることができます。作り方は、乳酸発酵で作るものと、酢を使った調味液に漬けて作るものの2種類があり、どちらもさまざまな香辛料を使い、酸味の強いのが特徴です。

植物性乳酸菌が豊富な「乳酸発酵のピクルス」

乳酸発酵で作るピクルスは、野菜の中のブドウ糖や果糖などの糖類を分解して乳酸や酢酸を作り出す「植物性乳酸菌」が豊富に含まれています。
植物性乳酸菌は動物性乳酸菌(ヨーグルトやチーズなどの乳製品で働く乳酸菌)に比べて胃酸などに強く、生きたまま腸に届く割合が高いため、腸の働きや免疫力を高める働きに優れていると指摘されています。発酵することで増えた乳酸菌は腸内で大腸菌などの悪玉菌と戦い、腸内をキレイにして体の免疫力強化に働きます。便秘や肌荒れ予防に有効で、また胃がんや慢性胃炎の一因と考えられているピロリ菌に対する抗菌作用や、花粉症などのアレルギー症状の緩和などの作用があることも報告されています。

酢の効能が活躍する「調味液に漬けて作るピクルス」

乳酸発酵させないでピックル液に漬けて作るピクルスは、乳酸発酵のピクルスに比べて味がまろやかです。乳酸発酵により減少するビタミンAやCの損失がないため、野菜の持つビタミンやミネラルなどの栄養成分を損なうことなく取り入れることができ、健康肌や整腸作用などが期待できます。また、酢の持つ疲労回復や食欲増進などの効能を取り入れることができるため、血圧の正常化、動脈硬化の予防、コレステロール低下などの効能が報告されています。

豊富な食物繊維が体内を掃除する

野菜が主原料のピクルスには食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は体内では消化できない炭水化物でエネルギー源にはなりませんが、体の掃除係として腸内の老廃物を排泄するため、「第6の栄養素」とも呼ばれています。食物繊維は老廃物を排泄して腸内の善玉菌の増加を助けるため、便秘解消やコレステロール値低下、肌荒れ予防、美肌作りに効能を発揮します。

酸味のクエン酸はビタミンB群と一緒に取ると効果が高まる

ピクルスの酸味にはクエン酸が含まれています。ピクルスの持つ疲労回復効果はこのクエン酸の働きによるもので、その効能はビタミンB群を一緒に取ると倍増します。また、クエン酸は、吸収の悪いカルシウムやマグネシウムなどのミネラルの吸収を促進する働きにも優れています。

ピクルスレシピ

ピクルスは野菜で作る西洋の漬物です。使われる野菜はきゅうりがポピュラーですが、その他玉ねぎ、にんじん、カリフラワー、ピーマン、オリーブ、ビーツなどほとんどの野菜で作ることができます。特有の酸味は肉料理や脂っこい料理に合うため、ヨーロッパやアメリカではオードブル、カレーの薬味、サンドイッチ、サラダなどに日常的に利用されている食品です。
乳酸発酵で作るものと、酢を使った調味液に漬けて作るものの2種類があり、どちらもさまざまな香辛料を使って作られるのが特徴です。乳酸発酵のピクルスには植物性乳酸菌が豊富に含まれ、酢の調味液に漬けて作るピクルスには乳酸発酵のピクルスよりもビタミンやミネラルが豊富に含まれています。食物繊維も多く含まれ、特有の酸味が食欲増進に働きます。
強い酸味が苦手な方も、和食と組み合わせると驚くほど美味になります。高い整腸作用やコレステロール値低下が期待でき、生活習慣病予防効果にも優れているピクルスを、ぜひ日々の食卓に取り入れ、豊かな食生活を演出してください。

ピクルスとクリームチーズのれんこんはさみ揚げ

ピクルスとクリームチーズのれんこんはさみ揚げ
クリームチーズは、生クリーム(あるいはクリーム)と牛乳の混合物から製造した非熟成の軟質チーズです。酸味のある穏やかな風味とバターのような滑らかな食感を持っており、アミノ酸組成に優れたたんぱく質とビタミンA・E・Kを豊富に含んでいます。ピクルス・れんこん・クリームチーズを一緒に取ると、ピクルスのビタミンやミネラル、れんこんの炭水化物に、クリームチーズのたんぱく質と脂質が補われる栄養バランスに優れたエネルギーに溢れた食べ合わせになります。豊富な食物繊維と植物性乳酸菌が腸内に善玉菌を増やして腸の働きを整え、コレステロール値低下や美肌効果に有効に働きます。付け合せのサラダでビタミンCを補います。

ピクルスと鶏モモ肉の天ぷら

ピクルスと鶏モモ肉の天ぷら
鶏肉のたんぱく質は消化に優れ、特に必須アミノ酸で肝臓に脂肪が溜まる脂肪肝の予防に効果的なメチオニンを豊富に含んでいます。脂質はコレステロールを減らす不飽和脂肪酸を多く含有し、モモ肉には増血作用のある鉄分が豊富に含まれています。ビタミン・ミネラル・食物繊維を豊富に含むピクルスと一緒に取ると、脂質異常や動脈硬化の予防に優れた食べ合わせになります。栄養価にも優れ、ヘルシーメなダイエットメニューとしておススメです。

ピクルスと甘辛豚ひき肉の混ぜ寿司

ピクルスと甘辛豚ひき肉の混ぜ寿司
豚肉はアミノ酸バランスに優れたたんぱく質とビタミンB1を豊富に含んでいます。ビタミンB1は別名「疲労回復のビタミン」とも呼ばれ、疲れのもとが体に溜まるのを防いで体や脳の働きをスムーズにしてくれる栄養成分です。ピクルスの酸味であるクエン酸はビタミンB1と一緒に取ると、クエン酸回路が活性化して疲労回復力が高まります。豚肉、肝機能障害や増毛に有効なメチオニンを含む鶏卵、腸内環境を整えて免疫力を高めるピクルスを一緒に取ると、体力強化、知能や記憶力が向上する食べ合わせになります。

ピクルスと生鮭の南蛮漬け

ピクルスと生鮭の南蛮漬け
鮭は血小板の凝集を抑えて血を固まりにくくするEPA(イコサペンタエン酸)を豊富に含んでいる赤身魚です。身の赤い色はアスタキサンチンという抗酸化力の高いカロチノイド色素で、鮭に含有されるビタミンAと一緒に、眼に栄養を与えて皮膚や粘膜を健康にする働きに優れています。ごぼうの食物繊維は胃や腸をキレイにする働きに優れ、ピクルスの食物性乳酸菌と一緒に腸内の悪玉菌繁殖を防ぎます。ピクルス・ごぼう・鮭を一緒に取ると、コレステロール値低下、糖尿病や高血圧の予防、免疫力の強化に有効な食べ合わせになります。

ピクルスと牛肉の冷やしうどん

ピクルスと牛肉の冷やしうどん
牛肉は肉類の中でもっとも栄養価が高く、胃腸を丈夫にして消化吸収をよくする働きに優れている肉です。良質なたんぱく質が骨や筋肉などの体のもとを作り、豊富に含まれる鉄分が貧血や冷え性予防に働きます。ピクルスと牛肉を一緒に取ると、牛肉のコレステロールをピクルスの食物性乳酸菌や食物繊維がからめ取り、牛肉の鉄分はピクルスやトマトのビタミンCによって吸収が促進され、脂質異常や貧血予防に働きます。