鏡開き

この日には鏡餅(正月などのハレの日に神仏に供える丸く平に作った餅)を下ろし、お汁粉や雑煮にして食べます。「開き」とは「切る・割る」という意味ですが、鏡開きは武家社会の行事だったため、縁起のよい「開き」という言葉が使われました。古くは「二十日(はつか)⇒刀柄(はつか)」につながることから、1月20日に執り行われる行事でしたが、三代将軍徳川家光が1月20日に亡くなったため、この日を避け、11日に行われるようになりました。

お汁粉

お汁粉
小豆に含まれるビタミンB1の含有量は玄米に匹敵するといわれています。ビタミンB1は糖質をエネルギーに換える働きに優れているため、疲労回復や筋肉痛などに効果を発揮します。豊富な食物繊維が腸内環境を整え、皮などに含まれるアク成分のサポニンが血中コレステロール低下や利尿作用に働きます。小豆は吸水性が高いので洗ったらすぐに煮ます。かつては「渋切り」といって沸騰させてから一度湯を茹でこぼしていましたが、体に有用なサポニンなどを流してしまうので渋切りはしないようにしましょう。

かぼちゃ汁粉

かぼちゃ汁粉
北海道帯広の郷土料理で、昔、もち米の取れなかったこの地域では、冬至に餅の代わりにかぼちゃを使ってお汁粉を作っていました。甘みのあるお汁粉は寒い時期のごちそうで、体を温め体調を整えて体力を強化するお汁粉でした。茹でたかぼちゃをそのまま入れることもあったと伝えられています。

くるみ味噌餅

くるみ味噌餅
くるみは良質な脂質・たんぱく質・ビタミン類を豊富に含んでいる種実です。脂質含有量は種実の中で最も多く、不飽和脂肪酸のリノール酸のため動脈硬化の予防が期待できる食べ物です。大豆の成分を持つ味噌は、発酵過程で多くのビタミン類を生成し、新陳代謝を高めます。くるみと味噌は共に長寿食といわれる健康食品で、ごまを加えることで老化防止効果がさらに高まります。白玉粉とくるみが体を温め、冷え性予防にも有効です。

根菜たっぷりの雑煮

根菜たっぷりの雑煮
カロテン、食物繊維、カリウムと野菜のビタミン類やミネラル類が豊富に含まれ、腸の働きが高まるお雑煮です。

ブリ・大根・ほうれん草の雑煮

ブリ・大根・ほうれん草の雑煮
ビタミンAとEが豊富なブリは目に栄養を与え老化防止に働きます。ほうれん草のビタミンCが風邪予防に働き、美肌を作ります。

鮭・かぶ・にんじんの雑煮

鮭・かぶ・にんじんの雑煮
鮭もかぶもともに胃腸を温め、体力を強化する食材で、さらに抗がん物質を含有しています。にんじんのβ―カロテンがプラスされ、がん予防効果が高まります。