菜種御供大祭

3月25日は九州の大宰府に左遷されその地で亡くなった菅原道真の命日。九州へ向かう途中で道明寺(大阪府)に居る伯母の覚寿尼(かくじゅに)を訪ねた折、心中を察した覚寿尼が、道真の好きな梅の実をかたどり、春の訪れを感じさせる菜種(菜の花)の黄色い色をした団子を作ったことが由来であるといわれています。菜種の色に染めるのは、道真の霊をなだめることが、「なたね(菜種)=なだめ(宥め)」に通じるためと伝えられています。団子を染める黄色にはくちなしの実が使われ、一緒に菜の花と梅の花が供えられます。病気平癒やその年の豊穣を祈願する日ともなっています。

菜種御供(菜の花団子)

菜種御供(菜の花団子)
菜種御供(なたねごく)は、菜種御供大祭で参拝者にふるまわれるくちなしの実で黄色く色づけした団子です。くちなしの乾果は中医学では「山梔子(サンシシ)」と呼ばれ、胆汁分泌の促進や止血、鎮痛などに利用されています。もち米で作られる白玉粉は体力を強化して体を温める働きに優れ、冷え性改善に有効に働きます。菜種御供は雑煮や粥など好みのものに入れていただきます。