灌仏会(かんぶつえ)花祭り

お釈迦様が生まれた日で、もともとはインドの仏事です。この仏事が日本の年中行事になったのは奈良時代で、最初に灌仏会が行われたのは606年(推古14年)、あるいは840年(承和7年)と伝えられています。538年に百済の聖明王(せいめいおう)から仏像と経典が贈られたのが日本への仏教伝来とされており(一部別の説もあり)、仏教とともに釈迦尊の誕生を祝う仏事が広まり、やがて寺院の年中行事になりました。釈迦尊の誕生時に花びらとともに、天の竜王が産湯代わりに「甘露の雨」を降らせという言い伝えに従い、花で飾った花御堂(はなみどう)に誕生仏を置き、その体に甘茶をかけて祝います。甘茶は霊水とされ、参拝者は誕生仏に甘茶を灌いでから持ち帰り、家族で飲むことで息災延命を祈願します。灌仏会は「仏生会(ぶっしょうえ)」、「降誕会(ごうたんえ)」、「花会式(はなえしき)」などたくさんの別名があり、日本では広く一般に「花祭り」と呼ばれていますが、甘茶を灌(そそ)ぐ行事からきているので「灌仏会」との呼び方が正式といわれています。釈迦尊が悟りを開いた12月8日は「成道会(じょうどうえ)」と呼ばれ、命日は「涅槃会(ねはんえ)」と呼ばれ、2月15日に行われます。

草団子

草団子
よもぎは全国の山野に自生し、葉のみならず茎・根・花(花穂)のすべてを食すことが可能な野草です。特有の香気を持ち、カルシウムや鉄などのミネラルを多く含み、中医学では「艾葉(がいよう)」と呼ばれ食欲増進、殺菌、整腸、高血圧予防などの症状に利用されています。やわらかな新芽を摘み、熱湯に通してから冷水でアク抜きし冷凍保存をしておくと、いつでも香り豊かな草団子を作ることができます。

甘茶

甘茶
甘茶は日本原産のユキノシタ科の落葉低木ヤマアジサイ(山紫陽花)やガクアジサイの変種で、別名「小甘茶(こあまちゃ)」とも呼ばれています。葉は乾燥されると甘味成分のフィロズルチンとイソズルチンを生成し、その甘さは砂糖の約200倍ともいわれています。そのため砂糖を制限されている糖尿病の代用食品として利用され、生葉は歯周病にも効果があると利用されています。甘み成分のフィロズルチンは長時間煮詰めると苦み成分のタンニンが多く出て苦みを感じるので、茶葉は好みの味になったら取り出します。