桃の節句(雛祭り)

「雛祭り」とか「女の節句」とも呼ばれ、雛人形を飾り、ひし形にした餅を飾ります。古代中国の上巳節(じょうしせつ:3月最初の巳の日に厄払いをする行事)が起源とされ、3月3日に制定(691年の文献にある)されたことと、平安時代のお姫様の遊びの「ひいな遊び」が合わさり、誕生した行事といわれています。雛人形が飾られるようになる前は、自然の霊気に触れるために山や海に出かけ、山遊びでは桃の花の下で白酒を飲み、磯遊びでは貝拾いをするなどして、一日中遊ぶという集落の行事でした。やがて雛人形の誕生を機に、雛壇に桃の花や白酒を飾り、その前で行事が行われるようになりました。飾られる菱餅は通常は下から緑・白・赤の順に重ねて作られますが、白・緑・赤の順に重ねて作る所もあります。赤は桃の花、白は雪あるいは白酒、緑は雪解け後の芽吹きと解釈されています。色付けにはくちなし(赤)やよもぎ(緑)が使われ、ともに邪気を祓い薬効が高い植物です。餅の形がひし形になったのは江戸時代といわれ、ひし形は「心臓」あるいは「女性の性器」を表しているともいわれています。いずれも邪気を払い娘の成長を願う心情の現われと考えられます。

ちらし寿司

ちらし寿司
雛祭りに登場する定番のちらし寿司。具に山のものや海のものをバランスよく入れて栄養バランスを整えます。すし飯の酢にはカルシウムの吸収を高める・疲れを取る・食欲を増進させる・防腐作用などの優れた効能があり、栄養成分の吸収を高める働きにも優れています。米の糖質、卵とエビのたんぱく質と脂質、野菜のビタミン・ミネラル・食物繊維が元気な細胞を作り、若さ維持に働きます。

ハマグリのお吸い物

ハマグリのお吸い物
雛祭りに作られるハマグリのお吸い物は、「二枚貝は他の貝とは絶対に合わさらない」という教示からの風習ですが、ハマグリは実に栄養価の高い貝です。鉄・カルシウム・リンなどのミネラルや、ビタミンB群やタウリンを多く含み、鉄やリンが貧血に、カルシウムが精神安定に、タウリンが血中コレステロール低下に働きます。つがいの貝に身ふたつが慣わしといわれています。