女の神ごと

11月15日は「女天下の日」。この日は男性が台所に入って炊事をし、女性は上座に座ってゆっくりします。この日は「油祝い」といって油気のものを食べる習慣があり、主に野菜のたくさん入ったけんちん汁を作ります。大鍋に大量に作ったけんちん汁を囲炉裏にかけ、「霜先の薬喰い」といいながら熱々を食べます。この実だくさんのけんちん汁は、秋を通して収穫などで重労働が続き、弱った肉体に栄養補給をして新たな生命力を補給すると同時に、寒さが本格化する前に滋養をつけておくという暮らしの知恵から生まれた行事食です。

けんちん汁(女の神ごと)

けんちん汁(女の神ごと)
11月15日は油気のあるものを食べ、これからやって来る本格的な冬の寒さに備えるために、体の中から温まる具だくさんのけんちん汁を作ります。収穫の終わった時期であり、畑で取れた野菜を豊富に入れて作ります。豆腐をたっぷりの油で炒めることで良質な脂質を、野菜類でビタミン・ミネラル・食物繊維を取り、疲れた体に栄養を補給します。保存しておいた山菜類を加えると、食物繊維やミネラルをより一層豊富に取り入れることができます。11月15日に行われていた「油祝い」は、寒い冬を乗り切る先人たちの知恵から生まれた行事です。