わらびを食べると「笑う=福笑い」の縁起から、お正月の三が日に食べる習慣となったと伝えられています。わらびを調味液に漬けて作られる酢の物は、お正月のみならず酒の肴としてハレの日に登場することの多い食べ物でした。酢には脂肪を分解して燃焼しやすくする、たんぱく質の消化をよくする、殺菌効果がある…などの効能があるため、ご馳走が並ぶハレの日には必ず添えられる一皿です。また、かつて1月といえば寒の中。酢の物の材料となる野菜は、春に採ったわらびを塩漬けしたものくらいしかなかったというのも、わらびの酢の物誕生の理由のひとつと考えられています。
保存技術の進んだ昨今、わらびは水煮で入手することができます。かつてのように一晩かけて塩抜きする必要もないので、もっと手軽に作ってみてはいかがでしょうか。
わらびはカロテン、カリウム、食物繊維などを豊富に含む山菜で、干して乾燥させると栄養価がグンとアップします。カリウムが血圧を安定させ、食物繊維が体内の老廃物排出に働くため、寒さで体を動かすことが少なく血圧も上昇しやすい冬場には、ぜひとも取りたい食品です。生わらびにはビタミンB1分解酵素のアノイリナーゼが含まれていますが、加熱することでその効力は失われます。
松前漬けは昆布が産地の北海道やその一部地域の郷土料理で、昆布を使った漬物です。昆布にはヨードや食物繊維が豊富に含まれ、ヨードはホルモンを生成し、食物繊維は便通をよくする・余分な塩分を体外に排出する・免疫力を高めて抗がん作用に働くなどの効能を持っています。わらびとスルメのカリウムが体内の塩分を排出して血圧を安定させ、わらび・スルメ・昆布の食物繊維がコレステロール値低下に働きます。スルメのうまみはベタイン・グリシン・タウリンなどのアミノ酸で、松前漬けはよく噛むため、脳の働きが高められ、老化防止に有効と言われています。
油揚げは大豆から作られる豆腐と同様の栄養素を持っています。主成分は良質なたんぱく質と脂質で、豊富なリノール酸は血中コレステロール値低下の働きを持っています。わらび、油揚げ、昆布に含まれる食物繊維には血中コレステロール値低下、腸内の有害物質排出などの働きがあり、わらびと油揚げの煮物は脂質異常や便秘予防に有効な食べ合わせです。うずらの卵は5個で鶏卵の1個分の栄養価に値する優れものです。
ナムルはもやしなどの野菜やわらびなどの山菜をゆでた後に調味料とごま油で和えた韓国の家庭料理です。食物繊維・カリウム・カロテン・ビタミンCなどの栄養素が豊富に含まれ、食物繊維が血中コレステロール低下や腸内環境を整え、カリウムが体内の余分なナトリウムを排出して血圧を正常化。カロテンとビタミンCが風邪予防や美肌作りに働きます。ごはんで十分な糖質を補い、ごまの脂質が老化を防止し若さを維持します。