大黒様の年取り・大黒様の嫁迎え

12月の9日前後には「大黒様の年とり」「大黒様の嫁迎え」と称した大黒様を祭る行事が各地で行われます。大黒様はもともとヒンドゥー教の神様ですが、日本の大国主命と神仏習合してできた神道の神様となり、また七福神の一人でもある神様です。この日には大雪が降ると言い伝えられており、多くの地域で大黒様の黒に因んで「黒豆なます」が食べられます。また、二股になった大根を「嫁ご大根」といい供える風習もあります。これは大黒様が餅をご馳走になって腹痛を起こした時に、村の女性から二股大根の片方をもらって食べた所治ったという言い伝えによるものです。大根を食べて腹痛が治ったことから、それ以来、餅には大根がつきものになったと伝えられています。

黒豆なます

黒豆なます
大国様を祭るこの日には、大黒様の「黒」に因んで黒豆料理を食べます。この頃には大雪が降ることが多いことから、「黒豆の煮汁を大根おろしにかけて食べる」「白い豆腐を焼いて焼き豆腐にする」など、白(雪)を黒で克服するという料理が各地に登場します。黒豆は良質のたんぱく質と脂質を豊富に含んでいる栄養価の高い食品で、黒い色は抗酸化力の高いポリフェノールの一種であるアントシアニン。活性酸素を除去して生活習慣病を予防し、視力回復にも働きます。なますにすると、大根の消化酵素や酢の働きにより、栄養成分が無駄なく吸収されます。