小麦粉たんぱく質のグルテンからつくられ、少量しか取れないため、江戸時代には貴重な高級食材でした。唐でつくられた麺筋(グルテン)が日本に伝わり精進料理などで使われたのが始まりといわれ、つくられるようになった時期は奈良・平安時代説と鎌倉時代説があります。蒸してつくる「生麩」、焼いてつくる「焼麩」、油で揚げてつくる「油麩」などがあります。

小麦粉

1万年以上も前から食されていたといわれる歴史の古い食物です。雑草同然に野に自生していたものが、多くの実をつけさらに気候や土壌に順応しやすいことから栽培されるようになりました。約6千年前のメソポタミアで、小麦をつぶして粉にし、水でこねて焼いたものがパンのルーツといわれています。日本には3世紀ごろ、朝鮮半島から渡来しました。
●小麦粉中のたんぱく質含量により、以下のように分類されます。
強力粉:たんぱく質含量11.5~13.5%。
中力粉:たんぱく質含量8.5~10.5%。
薄力粉:たんぱく質含量7.0~8.5%。

きび

赤褐色の種子を食用するイネ科の一年生草本です。原産はインドといわれ、遊牧民が栽培していたものが広がり、日本には縄文晩期に朝鮮から伝来したといわれています。生育期間が短く乾燥に強い作物なので、世界各地で栽培されています。うるち種ともち種があり、きびだんごはもち種でつくられます。あわよりも大きな粒で、卵のようなコクがあります。

キヌア

古代インカ帝国の穀物で、標高の高いアンデスの伝統食であり主食です。秋田県特産の「とんぶり」やほうれん草と同じアカザ科の一年草で、あわやひえに似た種子で、「キンワ」「キアノ」とも呼ばれています。穀類の中でも際立った栄養価を持ち、NASAでは宇宙食として認定しているといわれています。プチプチした食感を持っています。

大麦

原産地は西アジアから中央アジアの乾燥地帯で、古代エジプトのツタンカーメン王の墓からも発見されており、世界最古の穀物のひとつといわれています。日本には3~4世紀に中国・朝鮮経由で伝来し、奈良時代に栽培が広がり、米と混ぜて食べられるようになったといわれています。寒さや乾燥に強いイネ科の越年草で、世界各地で栽培されています。

オートミール

イネ科の一・二年草。原産は中央アジアといわれカラスムギなどの雑草を原種とする栽培品種で、数百種類あるといわれています。やせた土地でも栽培ができ、生産量はロシアがトップです。日本にはヨーロッパを経て明治時代に伝来しました。オートミールに加工されるほか、家畜飼料としてとくに馬の育成に利用されています。欧米では朝食に食べられる穀類です。

東南アジアを原産地とするイネ科の植物で、有史以前から栽培されていた穀物です。日本では稲の伝来よりも早く、縄文時代から栽培されていたといわれています。生育期間が3~5カ月と短いため救済作物としても用いられ、温暖な乾燥した土地で栽培できる穀物です。黄色の種子を食用とし、うるち種ともち種があり、食味はもち種の方が優れています。

アマランサス

メキシコからアンデス山脈を原産とするヒユ科の植物で、紀元前5千年ごろにはすでに栽培されていたといわれ、とうもろこしや豆類に匹敵する作物でした。直径1mmくらいの褐色または淡褐色の種子を食用とする穀物で、プチプチした食感が特徴。小粒ですが栄養バランスが高く、アメリカ航空宇宙局(NASA)が「21世紀の栄養食品」と評価しています。

ローズマリー

シソ科の常緑低木で、原産は地中海沿岸で広く分布しています。ラテン語の「ロスマリヌス=海のしずく」が名前の由来といわれ、古くから食用以外の目的でも多用されてきました。エジプトファラオの墓から副葬品として小枝が発見されており、古代ローマでは香りに悪魔祓いの力があると信じられ儀式に使われていました。日本に伝来したのは1820年前後です。

はっかく

シキミ科の常緑低木で、原産は中国南部やベトナム。八角形の形からこの名がつきましたが、トウシキミ、スターアニスなどとも呼ばれています。中国の香辛料「五香粉」の一味であり、甘い香りを持つ東洋のスパイスです。日本に自生する近縁のシキミは仏事に使われるためよく植えられていますが、猛毒成分のアニサチンを含んでいるので注意が必要です。