1979年(昭和54年)、全国和菓子協会が制定しました。記念日の6月16日は平安中期(848年)、時の仁明天皇が全国に蔓延した疫病祈願の折に16個の菓子や餅を神前に供えたことに由来します。和菓子に多く使われる小豆は、古来よりその赤い色が悪魔祓いとして信じられ、また疲労を回復し、利尿・利水効果に優れていることが知られています。高温多湿の風土で暮らす日本人は、体内に水分を溜め込みやすく、古来より人々は小豆の利尿作用が健康維持に欠かせないことを知っていたのでしょう。小豆の赤い色はポリフェノールのアントシアニンで、優れた抗酸化力を持っており、生活習慣病の原因となる活性酸素を除去する働きに優れています。
小麦粉と小豆あんで作るシンプルなゆでまんじゅうです。小麦の主成分は糖質で、気力を増す働きを持ち、常食すると胃腸を丈夫にして体力強化に働きます。小豆のビタミンB1と一緒に取ることで、体力が高まると同時に、水分代謝をよくして体のほてりやむくみ緩和に働きます。冷たくなったら焼いて食べると美味しいです。
小豆の主成分は糖質とたんぱく質で、ビタミン・ミネラル・食物繊維などが豊富に含まれ、そのため小豆は昔から体調を整えて健康を維持する食品として定期的に食卓に登場しました。食物繊維が豊富な寒天と一緒に取ると、腸内の老廃物やコレステロールの排出能力が高まり、便秘予防に有効です。
くるみは良質な脂質・たんぱく質・ビタミン類を豊富に含んでいる種実です。脂質含有量は種実の中で最も多く、不飽和脂肪酸のリノール酸のため動脈硬化の予防が期待できる食べ物です。大豆の成分を持つ味噌は、発酵過程で多くのビタミン類を生成し、新陳代謝を高めます。くるみと味噌は共に長寿食といわれる健康食品で、ごまを加えることで老化防止効果がさらに高まります。白玉粉とくるみが体を温め、冷え性予防にも有効です。
椿餅は道明寺粉で作った生地で餡を包み、椿の葉2枚ではさんで作る餅で、柏餅や桜餅の元になった和菓子といわれています。ここでは椿の花に似せた椿餅を作りましょう。生地に使われる上新粉と白玉粉は、ともにでんぷん・たんぱく質が豊富に含まれ、胃腸を丈夫にする働きに優れています。食べ続けることで体力がつき、白玉粉は体を温める作用に優れています。
茶葉を粉末にした抹茶は、茶葉の持つ栄養成分を無駄なく取り入れることができ、特有の苦みは砂糖と相性がよいためお菓子をはじめとする様ざまな食品に利用されています。茶葉に含まれる脂溶性ビタミンのAやEは、お茶として飲む時よりも丸ごと摂取できる抹茶の方が無駄なく取り入れることができます。粘膜強化や老化防止の働きに優れています。抹茶・小麦粉・小豆を一緒に取ると、老化防止や体力強化、疲労回復効果が期待できます。
水無月とは、ういろうに小豆をのせた和菓子です。白いういろうは氷をイメージしており、氷が貴重品だった昔、氷の代わりに食べることで夏バテを予防し、夏を元気に乗り切れると言い伝えられてきました。白玉粉や上新粉に含まれる豊富な糖質やたんぱく質が消化器系全般を丈夫にして体力を強化し、小豆のビタミンB1が疲れや肩こりの予防に働きます。
この日に作られる酒まんじゅうは、本来は米麹で作ります。米麹を使うことで冬場の餅の代わりにしたものですが、現在では酒かすや日本酒を利用して作られるのが一般的です。ここではやまのいもを加えて新陳代謝を高め、体力強化や免疫力を高める酒まんじゅうを作りましょう。しっかりした生地にしたい時は薄力粉の量を増やしてください。