十六団子(十日夜)

山へ帰っていく神様にお供えする十六団子は、うるち米を乾燥させてから粉にした上新粉で作ります。うるち米はもち米に比べてアミロースが多い分、ネバリが少なく歯ごたえのある食感になります。胃腸を始めとする消化器系全般を丈夫にする働きに優れ、体に力をつけてくれます。

亥の子餅

亥の子餅

亥の子餅はその年に収穫された新米で作る餅で、亥の子はイノシシの子ども(通称うり坊)のことです。亥の月(10月)の最初の亥の日に餅をつき、亥の刻(午後9~11時)に食べると万病を除くことができるという中国から伝わった行事で、また、イノシシは多産であるということから、子孫繁栄も同時に祈願されました。亥の子餅は、新米と一緒にその秋にとれたばかりの大豆・小豆・ささげ・ごま・栗・柿・糖の7種の粉を混ぜて作られたと文献に残っています。糖質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルがバランスよく配合された体力が強化する餅です。ここでは豆類は固ゆでしてから弱火で十分煎って水分を飛ばし、餅に混ぜ込んで作りましょう。水あめの代わりに砂糖を、大豆の代わりにきな粉を使っても構いません。

くるみ豆腐

くるみ豆腐

くるみと豆乳はともに良質で吸収に優れたたんぱく質を持っており、一緒に取ると体力が強化されて疲労回復に優れた食べ合わせになります。ビタミンEやレシチンも豊富に含まれているため、老化防止や健脳も期待できます。くず粉は葛の根から得られるでんぷんで、消化のよいエネルギー源として働くため、より一層の体力強化が期待できます。わさびの辛み成分が抗酸化力と同時に食欲増進に働きます。

くるみ味噌

くるみ味噌

くるみは良質な脂質・たんぱく質・ビタミンなどを含んでいるため、昔から体力増強や若返り食品として利用されてきた種実です。脂質含有量は種実の中ではトップクラス。脂質は良質な不飽和脂肪酸のリノール酸のため、血管壁にこびりついたコレステロールを取り除く働きに優れています。味噌に含まれるレシチンの働きが加わることで、脳の働きが活性化され、健脳効果が高まります。

キウイと豚シャブのキウイソース和え

キウイと豚シャブのキウイソース和え

キウイフルーツと豚肉は、キウイフルーツに含まれるたんぱく質分解酵素のアクチニジンが、豚肉をやわらかくして消化吸収を高めるため、胃もたれが予防されて体力が強化される食べ合わせです。キウイフルーツに含まれる豊富なビタミンCが抵抗力を増強し、抗がん作用やストレス解消にも有効です。パプリカでビタミンCをプラスして抗酸化力を高めます。

菊飯

菊飯

古来中国では「菊」は邪気を祓い、延命力があると信じられていました。中医学では菊の花には解毒作用・熱性の頭痛・結膜炎・皮膚炎などの働きがあるとされ、生薬として利用されています。米のでんぷん・たんぱく質・ビタミンやミネラル・食物繊維が体力を強化し、腸の働きを整えます。ここでは食用黄菊の阿保宮を使ってみましょう。残った菊花は酢の物・お浸し・辛子和え・おすましの吸い口などに利用できます。

パイナップルと豚ひき肉の混ぜご飯

パイナップルと豚ひき肉の混ぜご飯

パイナップルの主成分は糖質で、たんぱく質の消化を助けるブロメラインという酵素を含んでいます。ブロメラインは肉をやわらかくして消化を助ける働きを持っているため、豚肉の消化を助けて疲労回復や体力強化に働きます。ピーマンとレーズンをプラスして抗酸化力を高め、免疫力を強化。パイナップルの酸味成分が胃液の分泌を盛んにし、食欲を増進させます。

月見団子

月見団子

上新粉(うるち米の粉)で作る月見団子は、糖質・たんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維などを含み、胃腸をはじめとする消化器系全般を丈夫にする食べ物です。ここでは白玉粉(もち米粉)を加えた月見団子を作りましょう。体力がより強化され、さらにもち米の体を温める作用が働くことで、冷え性改善にも有効です。うるち米ももち米も同じジャポニカ米ですが、でんぷん組成の違いによって粘り気に差異が出てきます。もち米は粘り気の出るアミロペクチンでほぼ組成されているため、粘り気が強く、時間が経ってもやわらかいのが特徴です。白玉粉の分量が増えるほどやわらかい団子になるので、好みで量を調整してください。

豚肉のビール鍋

豚肉のビール鍋

ビールは麦芽から作るアルコールで、栄養価が高いことから「食べるパン」とも呼ばれています。疲労回復に優れたビタミンB1・腸内環境を整える食物繊維・脳細胞を活性化させる核酸やレシチンを豊富に含んでいるため、豚肉と一緒に取ると力がついて脳が元気になる食べ合わせになります。ビールで煮ると肉がやわらかくなるので、しっかり火を通したい豚肉にはおススメです。

ブリのすき焼き風鍋

ブリのすき焼き風鍋

ブリは日本各地の沿岸に分布する回遊魚で、成長につれて名前が変わる出世魚です。良質なたんぱく質と脂質、ビタミン類(B1、B2、D、E)を豊富に含み、豚肉に匹敵するほどのビタミンB1を含む焼き豆腐と一緒に取ると、体力が強化されて疲労回復に優れた食べ合わせになります。卵のたんぱく質は必須アミノ酸を含有し、免疫力を増強して風邪を寄せつけません。