うまみがよく出るイリコで作るだんご汁は、広島県の郷土料理です。瀬戸内海で秋に収穫されるイリコは小型ですがうまみがよく出るため、だし汁に最適で、だんご汁は朝食によく作られていました。地域によって使われる野菜も異なり、調味料も白味噌やしょう油仕立てと多様です。イリコは、かつては貴重な食材であり、だしの出た後のイリコは取り出さずにそのまま食べ、貴重なカルシウム源としての役割を担っていました。米、小麦、そばなどで作られるだんご汁は日本全国にある郷土料理で、穀類を団子にすることで無駄なく食べ切る知恵が生み出した料理です。