乙子の朔日・川渡りの朔日
乙子は「末子」という意味を持ち、陰暦12月を指します。朔日は「1日」なので、「乙子の朔日」は「12月1日」のことで、この日に餅をついて食べると水難を免れるという俗習がありました。餅をつく習慣はいつ頃から始まったか定かではありませんが、この水神を祭る風習は全国的に行われており、「川浸りの朔日(かわびたりのついたち)」「川渡りの朔日(かわわたりのついたち)」「水こぼしの朔日」などとも呼ばれています。この日には、小豆を食べないうちに橋を渡ると祟りがあるといわれ、朝から小豆餅(あるいは小豆団子)を食べます。そのためこの小豆餅は「乙子の餅(おとこのもち)」「川浸り餅」「川渡り餅」などと呼ばれています。
また、この日の早朝、茄子の漬け物を食べると、例え借金があっても「返済(なす)」が早まるともいわれています。