大豆・しょう油・黒砂糖で作る座禅豆は、昔、僧が座禅をくむときに食べたと伝えられる栄養食です。大豆は「畑の肉」と呼ばれるように肉や魚に劣らない良質なたんぱく質と脂質を含んでいます。植物性の脂質はコレステロール値を下げる働きに優れているリノール酸で、リン脂質のサポニンはコレステロールを洗い流し脳の働きを高める作用にも優れています。黒砂糖はミネラルを豊富に含むアルカリ性食品で、鉄分の補給源となり貧血予防に優れています。大豆をしょう油と黒砂糖と一緒に取ると、体力強化のエネルギー源となり、血流が増える食べ合わせになります。お茶うけや子どものおやつにも最適な豆料理です。
きゅうりは特有の香りと歯ざわりを持っている野菜です。特有の香りはキュウリアルコールといわれる不飽和アルコールと不飽和アルデヒド。頭部の苦みはククルビタシンという成分で、抗がん作用を持っています。きゅうりの持つ利尿作用は生よりも煮た方が強く働くため、加熱すると尿の出がよくなる・手足のむくみが取れる・血圧が調整されるなどの効能が期待できます。また、加熱することで体を冷やす作用が弱まり、さらにきゅうりに含まれているビタミンC破壊酵素のアスコルビナーゼの活性が失われるため、ビタミンCを含む食材と一緒に取っても、その成分を無駄なく体に取り入れることができます。しょう油で煮ることで殺菌作用や防腐作用が高まり、食欲増進に働きます。
エビは高たんぱくで低脂肪、カロリーの心配がないダイエット食品です。特有の甘みは遊離アミノ酸のグリシンやベタインで、ベタインは血中コレステロールを低下させ、糖の吸収を阻害する働きを持っています。エビときゅうりを一緒に取ると、コレストロールの吸収が抑制され、血圧安定に働く食べ合せになります。
卵黄と酢で作る「黄身酢」は、栄養価の高い合わせ酢です。卵のたんぱく質は8種類の必須アミノ酸すべてを含む理想的な組成をしており、卵黄には脳や神経にもっとも必要なレシチンが豊富に含まれています。レシチンはギリシャ語で卵黄を意味する「レシトース」を由来とする言葉で、界面活性を持ち、体のあらゆる細胞の重要な構成成分として存在しています。レシチンはコレステロール値を下げて動脈硬化を予防、脳細胞を活性化させて記憶力を向上させる、神経細胞を活性化させるなどの働きを持っています。卵は加熱すると消化率が上がり、黄身酢は冷蔵庫で約2週間保存が可能です。エビ、イカ、貝類、きゅうり、ワカメなどの食材に合う合わせ酢です。
かぼちゃといんげんのβ-カロテンが活性酸素を除去し、なすのナスニンが細胞膜の酸化を防ぐため、高い抗酸化力が期待できる食べ合わせです。ビタミンやミネラルが豊富に取れ、食物繊維も多く含まれているため、体の生理機能が整えられ、腸内環境が整い、体の中からスッキリします。
ビタミンCが豊富なトマトは、同様に含まれるカリウム・ルチン・ペクチンの働きと一緒に血圧を下げ、高血圧改善に効果を発揮します。真っ赤な色は抗酸化力に高いリコピンで、活性酸素除去に働き、がんや心臓疾患などの阻止に働きます。ホタテ貝柱とシラス干しの良質なたんぱく質と脂質を一緒に取ると、生活習慣病予防に優れたダイエット食になります。
鶏モモ肉は増血作用のある鉄分が豊富に含まれている部位です。鶏肉は良質なたんぱく質と脂質を含み、消化がよいことから、特に病後の滋養食として利用されてきました。消化に優れた大根おろしと一緒に取ると、より一層消化力が高まり、栄養成分が早く体内に取り込まれ、体力強化に有効な食べ合せになります。レモンのビタミンCとクエン酸が疲労回復に働きます。