しょう油で作る炊き込みご飯は、「しょい飯」と呼ばれる香川県の郷土料理や、さくらごはんと呼ばれる静岡県の名物料理などがあります。しょう油は加熱するとアミノ酸と糖がアミノカルボニル反応を起こし、食欲をそそる色と香りを生み出します。しょう油のうまみ成分のアミノ酸にはグルタミン酸が豊富に含まれているため、何も加えなくても豊穣なうまみが生み出されます。静菌効果により保存性が高まり、イソフラボンが胃潰瘍や骨粗鬆症の予防に働きます。にんじんのβーカロテンで抗酸化力、チリメンジャコでカルシウム、枝豆でビタミンCを補う栄養バランスのよい炊き込みご飯です。
牛肉をしょう油で煮るソコギチャンジョリンは韓国の家庭料理です。牛肉は良質のたんぱく質、脂質、鉄分などを多く含み、肉類の中でもっとも栄養価が高く、常食すると気力が増します。特に胃腸を丈夫にして消化・吸収をよくする働きがあるため、病後の衰弱や食欲低下に有効な食べ物です。しょう油で煮ることで肉の生臭さが取れ、胃液の分泌が高まり食欲増進に働きます。豊富な鉄分が貧血や冷え性予防に働き、うずらの卵のレシチンが記憶力や知能の向上に働きます。残った漬け液とにんにくは炒め物などに利用できます。
海苔とホタテ貝柱、とうもろこしを一緒に取ると、ホタテ貝柱のタウリンが血中コレステロール値を下げて血圧を降下し、とうもろこしのカリウムが体内の余分な塩分を排泄して血圧の低下に働くため、高血圧・動脈硬化・血栓の予防に有効な食べ合せになります。
海苔の佃煮とたまねぎ、きゅうりを一緒に取ると、たまねぎの硫化アリルが血流を促し、きゅうりの利尿作用が血圧調整に働くため、シミやソバカスの原因であるメラニン色素の沈着が防がれ、高血圧や動脈硬化などが予防される食べ合わせになります。
さといもとイワシを一緒に取ると、脳細胞が活発になり物忘れを予防する食べ合わせになります。さといもの主成分はでんぷんとたんぱく質で、ビタミンB群や食物繊維を含んでおり、特有のヌメリには機能性成分がたっぷり含まれます。イワシに豊富に含まれる不飽和脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)は脳を作る材料としても重要で、脳の老化防止に有効です。黒豆のレシチンが脳の活性化をさらに高めます。さといもはヌメリは取らずに調理しましょう。
スルメはイカの素干し品で、生イカとは違う風味を持った食品です。タウリン、EPA(イコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)、ナイアシンなどの成分を含み、コレステロール低下、血圧調整作用、口内炎や口角炎の予防などの働きを持っています。栄養価に優れた豆類と抗酸化力の高いにんじんをしょう油と一緒に取ると、血圧が調整され、細胞の酸化が予防され、生活習慣病の予防に有効な食べ合せになります。黒豆の黒い色にはアントシアニン系色素のクリサンテミンが含まれ、抗酸化力に働きます。