アサリ

asari-clams

解説

日本各地の淡水の混じる河口や砂泥質の浅海に生息しています。昔から滋養によいとされ、シジミやハマグリと一緒に好まれ食されてきた貝です。一年中出回っていますが、冬から春が旬です。夏場のアサリは産卵期に入り、生殖巣に毒を持つことがあるので注意。B1を破壊するアノイリナーゼを含んでいますが、加熱で失われるので生食をしなければ心配ありません。

成分

脂質が少なく、たんぱく質は良質で、アミノ酸の一種であるタウリンを含む。鉄分やカルシウム、亜鉛などのミネラル類を含み、うまみ成分はグリシンやグルタミン酸、コハク酸。ビタミンB2やB12を含有している。

調理ポイント

水から火にかけ、沸騰して貝の口が全開する直前に火を止める。貝類は煮すぎると身がかたくなるので、グラグラ煮すぎないようにする。
砂抜きをする塩分の濃度は、1リットルの水に対して20g前後の塩にするとよい。濃度がアサリの生息する海水に近いため、約30分~1時間で体内の砂を吐き出す。
砂抜きは常温の暗所が効果的。ザル付きボウルを使うと、吐いた砂を吸い込むのを防ぐことができる。また水が飛ぶのでフタをするとよい。
殻同士をこすりあわせて、汚れやヌメリを落とす。
ビタミンB12は水溶性なので、汁ごと食べられる料理がよい。
冷凍でも保存ができる。

レシピ

そばと白菜のマリネ

そばの主成分であるでんぷんは消化のよいのが特徴で、即エネルギー源となる優れものです。たんぱく質は良質でビタミンB1やB2が豊富に含まれているため、疲れを取り去りエネルギー源となります。白菜やアサリと一緒に取ると、白菜のビタミンCやカリウム、アサリのタウリンやビタミンB12の働きで、高血圧・脂質異常・初期の糖尿病の予防に有効な食べ合わせになります。

アサリと昆布の煮物

アサリは良質のたんぱく質を含み、遊離アミノ酸の一種であるタウリンを豊富に含んでいます。タウリンはコレステロール値を低下させ、インスリンの分泌を促す働きを持っており、食物繊維やマグネシウムを豊富に含む昆布と一緒に取ると、糖尿病の予防に優れた食べ合わせになります。にんじんの食物繊維がその働きをさらに高めます。

かぶとアサリの半熟卵入りキムチスープ

かぶの根は胃腸を温めて冷えを取り除く働きに優れています。さらに貧血を予防する葉酸を豊富に含んでいるため、アサリが含有する鉄やビタミンB12の働きと一緒に貧血予防に働きます。アサリには肝臓を強化してインスリンの効果を高める働きがあり、かぶ・じゃがいも・キムチの食物繊維と一緒に、糖尿病の予防にも有効。抗酸化力の高いキムチをプラスして、がん予防と同時に免疫力を高めます。

丸ごととうもろこしとアサリのスープ

とうもろこしは利尿作用を持つカリウムを豊富に含み、丸ごと利用することで効能を無駄なく取り入れることができます。とうもろこしとアサリを一緒に取ると、アサリの喉の渇きを止めて利尿に働く作用がプラスされ、むくみや水太り解消に有効な食べ合わせになります。糖尿病予防やダイエットも期待できます。

アサリごはん

アサリの含むビタミンB12を無駄なく取れる一品です。ビタミンB12は悪性貧血の予防に有効で、さらに豊富に含まれる鉄分と一緒に貧血予防に有効に働きます。遊離アミノ酸のタウリンが中性脂肪を減らして脂質異常に働きます。また、タウリンの持つインスリン効果を高める働きは、ごぼうの食物繊維との相乗効果で血糖の急上昇を防いで糖尿病の予防に効果を発揮します。

しめじとアサリの酒蒸し

しめじとアサリは、しめじに豊富に含まれる食物繊維とビタミンB2、アサリに含まれるコハク酸やタウリンの働きにより、コレステロールが低下され、脂質異常や動脈硬化の予防に有効な食べ合わせです。ビタミンB2は湿疹や吹き出物などを防ぐ作用を持ち、食物繊維の整腸作用がプラスされることで肌荒れ予防に働きます。