「かきまぜ」とも呼ばれるゆず寿司は、ゆずの産地として知られる徳島県の旧木頭村(2005年合併で現在は那賀町の一部)の郷土料理です。那賀川上流はゆずの産地として知られ、古くからゆずを使った料理が作られています。寿司飯の合わせ酢にはゆずの搾り汁を使い、ゆず皮のみじん切りを混ぜ込むことで芳しいゆずの香りが堪能できる寿司です。
庭に植えたゆずが黄色に冴える頃に作られるイワシの粟和えは、ゆずの香りと酸味を生かした山口県の郷土料理です。粟漬けは五穀豊穣や出世を願う縁起物として各地で作られ、魚は酢漬けにしたイワシやコノシロなどの表面が青白く光ったものが使われます。蒸して冷ました粟と酢漬けの魚を交互に重ねて押しをかけた粟和えは、年末からお正月にかけて作られ、約1ヶ月保存が可能です。