お汁粉

小豆に含まれるビタミンB1の含有量は玄米に匹敵するといわれています。ビタミンB1は糖質をエネルギーに換える働きに優れているため、疲労回復や筋肉痛などに効果を発揮します。豊富な食物繊維が腸内環境を整え、皮などに含まれるアク成分のサポニンが血中コレステロール低下や利尿作用に働きます。小豆は吸水性が高いので洗ったらすぐに煮ます。かつては「渋切り」といって沸騰させてから一度湯を茹でこぼしていましたが、体に有用なサポニンなどを流してしまうので渋切りはしないようにしましょう。

七草粥

七草粥に使われる青菜は、いずれも秋に発芽し1月はじめに若菜になる野草です。野草は総じて抗酸化力が高く、胃腸を整えて粘膜を強化する働きに優れています。お粥にすることで炭水化物は消化がよくなり、食べ過ぎなどで胃腸の調子が優れない時の栄養摂取に最適です。青菜のビタミンCを活かすため、青菜は炊き上がったお粥に加えます。

納豆汁

納豆、豆腐、味噌は、畑の肉と呼ばれる大豆から作られる加工食品です。これら大豆加工食品は大豆の栄養成分をそのまま受け継ぎながら、発酵などの工程を経ることで新たな栄養成分が誕生し、消化吸収能力が高まる食品となります。納豆はよくすりつぶして入れると汁と絡み合い、喉越しよく食べることができます。納豆や味噌の酵素を活かすためは加熱し過ぎないように(60℃を越えないように)気をつけましょう。体の中から温まる滋養食です。

トロロ飯(三日トロロ)

やまのいもは食物繊維やビタミンCを多く含み、でんぷん分解酵素のアミラーゼ含有は大根の約3倍といわれています。粘性物質はグロブリン様のたんぱく質にマンナンが結合したもので、ヌメリは水溶性食物繊維。これらの成分により、食べ続けても害がないといわれ、滋養強壮に働きます。酵素の効果は細胞を細かくするほど効果的なので、すりこ木でよくすりましょう。すりこ木でする前にすり鉢の周りですると、キメ細かくなめらかに仕上がります。

わらびの酢の物

わらびはカロテン、カリウム、食物繊維などを豊富に含む山菜で、干して乾燥させると栄養価がグンとアップします。カリウムが血圧を安定させ、食物繊維が体内の老廃物排出に働くため、寒さで体を動かすことが少なく血圧も上昇しやすい冬場には、ぜひとも取りたい食品です。生わらびにはビタミンB1分解酵素のアノイリナーゼが含まれていますが、加熱することでその効力は失われます。

ホタテ貝柱入り寒天ごはん

ノンカロリーで食物繊維を豊富に含む寒天と、干した貝柱の戻し汁とほぐした身を混ぜて作る炊き込みごはんは、糖質過多を抑えるダイエット食です。ホタテ貝柱はたんぱく質・ビタミンB2・鉄分などを豊富に含み、その栄養価や薬効は生のものより干したものの方が優れています。干したものは「干貝(かんぺい)と呼ばれ、寒天と一緒にコレステロール値や血圧低下に働きます。

ワカメと炒り卵の寒天寄せ

寒天は天草を主原料にイギス、エゴノリなどのところてんの原藻から作られる食品で、冷水には溶けませんが、熱水に溶け、熱水溶液を冷やすと弾力性のあるゲル状に変化します。成分の約80%が食物繊維で高い整腸作用を持っています。ミネラルが豊富なワカメ、良質なたんぱく質と脂質を持つ卵と一緒に取ると、栄養バランスのよいダイエット食になります。コレステロール値低下と血圧低下が動脈硬化の予防に働きます。

オランジェット

オランジェットとはオレンジピールにチョコレートをからめたもののことで、甘夏・伊予柑など柑橘類の皮なら何でもOKです。柑橘類の皮部分にはポリフェノールの一種であるヘスペリジンが多く含まれ、血中コレステロール低下に有効に働きます。

生チョコレート

チョコレートはカカオ豆(アオギリ科の高木カカオの種子)を主材料にしたお菓子で、カカオ豆は特有の芳香とわずかな渋みを持っています。チョコレート・ビタミンAを豊富に含む生クリーム・単糖類やビタミンを含むはちみつを一緒に取ると、即効性に優れたエネルギー源となり、疲労回復や皮膚や粘膜の強化が期待できる食べ合わせになります。免疫増強に働くココアをタップリからめて、免疫力を強化します。

ふきのとうの豚肉巻き

たんぱく質・脂質・ビタミンB1を豊富に含む豚肉と、胃腸の働きを高めるふきのとうを一緒に取ると、消化吸収力が高まって体力が増強し、疲労や肩こりなどの症状緩和に有効な食べ合わせになります。ふきのとうにはふきよりもカロテンやビタミンCが多く含まれ、春先の粘膜強化に働きます。