福井県

浜焼きサバと新じゃがいもの煮物

浜焼きサバと新じゃがいもの煮物
とれたてのサバを「若狭の一本グシ」と呼ぶ太く長い竹グシに刺して焼き上げたのが「浜焼きサバ」です。若狭には数多くのサバ料理が伝わっており、その中でもこの浜焼きサバは代表的な郷土料理です。昔、若狭湾で水揚げされた魚介類は18キロ離れた京都に運ばれて京の食文化を支え、天皇の食べ物を供給することから、福井は「御食国(みけつくに)」と呼ばれていました。特に腐敗を防ぐために塩をしたサバは人気で、京へサバを運ぶ若狭街道は「鯖街道」とも呼ばれていました。福井県内では田植えの後や半夏生(はんげしょう)には必ず食べるのが習わしといわれています。

さといも赤飯

さといも赤飯
さといもを一緒に炊き込む「さといも赤飯」は、福井県奥越地方の郷土料理です。奥越の農家では、春祭り、お月見、秋祭り、彼岸などにさといも赤飯を作り、嫁いだ娘や親戚一同に届け、絆をより強くしていったと伝えられています。奥越のさといもは、独特の甘みと歯ごたえを持ち、江戸時代から特産物として栽培され、また子いもや孫いもがたくさんつくことから、子孫繁栄の縁起物として今なお重宝されています。

こんじょなます

こんじょなます
「ごんざ」「煮なます」とも呼ばれる「こんじょなます」は、打ち豆を使った福井県の郷土料理です。打ち豆とは、水に漬けてやわらかくした大豆を叩いて潰し、さらに乾燥させた大豆加工食品です。平たくひび割れが多く入っていることで火の通りが早く、汁ものや酢の物などさまざまな料理に使われ、福井県では今尚、多くの家庭で使用されている食材です。油揚げが貴重だった頃に油揚げの代わりとして使われ、報恩講の精進料理には欠かすことのできない食材です。